茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1070回「驚いたら、じぇじぇじぇ!」

脳科学者・茂木健一郎さんの10月21日の連続ツイート。 本日は、なんとはなしに思っていること。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1070回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日、なんとはなしに思っていたこと。

2013-10-21 07:27:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(1)朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の放送が終了して3週間経つのに、未だに、あの「あまちゃん」の気分が続いていて時々よみがえるような気がする。これが、中森明夫さん( @a_i_jp)の言うところの、「あまロス」症候群なのだろうか。

2013-10-21 07:28:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(2)ぼくは、毎朝熱心に『あまちゃん』を見ていただけでなくて、時々ちらちらと断片的に見たなのだけれども、番組の気分をつくっていたのがヒロインの能年玲奈さんだ、ということはわかる。昨日、函館を歩いていて、「じぇじぇじぇ」をなぜか思いだして、それで、あっ、そうかと思った。

2013-10-21 07:30:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(3)人間の脳は、不確実性がもともと好きである。赤ちゃんや子どもの脳は目新しいものに挑戦する「根拠のない自信」を持っている。一方で、人間には、当然のことながら未知のものを警戒する本能のようなものもわるわけで、想定していない事態に遭遇した時のリアクションはさまざまだ。

2013-10-21 07:31:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(4)ぼくが子どもの頃、クレイジーキャッツが「あっと驚く為五郎〜」というのをやっていた。後に、これは広沢虎造の『清水次郎長伝』を本歌取りしたものだと知った。「びっくりしたなあ、もう」とかいうのもあった。「ガーン!」とか、「ひえええ」とか、驚きの感嘆詞はいろいろある。

2013-10-21 07:34:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(5)そんな中で、能年玲奈さんの「じぇじぇじぇ」は、未知のこと、想定外のことに出会った時の、驚きの感嘆詞における一つのイノベーションだったと気づいた。「じぇじぇじぇ」のどこが画期的か。それは、動きを止めない。あくまでも前向きで、さらに走っていこうとする。

2013-10-21 07:35:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(6)驚いて、その場で立ち止まってしまったり、退避してしまうのではなく、「じぇじぇじぇ」と一瞬で軽く受けておいて、すぐに次の行動に移る。そんな『あまちゃん』のドラマの気分が、ちょうど、長い停滞を脱しようとしている日本時の気分に、合致したのだろう。

2013-10-21 07:36:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(7)『新しい日本の愛し方』(新潮新書)http://t.co/auMBBi7cUk で論じたように、長らく、日本人は不確実なことを避ける、「偶有性忌避症候群」の中にあった。あまちゃんで能年玲奈さんが連発していた「じぇじぇじぇ」が時代の気分を変える触媒だったのかもしれない。

2013-10-21 07:38:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(8)『プロフェッショナル 仕事の流儀』を立ち上げた有吉伸人さん(@nobip14 )が関わる『伝えてピカッチ』で能年玲奈さんとご一緒した時、能年さんが「パ」のお題に「パーマ」を描いて、なぜと聞かれて「茂木さんを見てたら」と答えたのはじぇじぇじぇ! だった。

2013-10-21 07:40:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

おじ(9)時代のヒーロー、ヒロインは人々の無意識が求めるものだと思う。宮藤官九郎さんの台本は、日本人が気分を変えて前に進もうとする時代の無意識をすくい取った。「じぇじぇじぇ」は、想定外のことに出会った際の感嘆詞としては、生命力に満ちて前向きだ。人生「じぇじぇじぇ」と行きたい。

2013-10-21 07:41:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1070回「驚いたら、じぇじぇじぇ!」でした。

2013-10-21 07:41:39