茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1071回「事件はメディアではなく、現場で起きている」

脳科学者・茂木健一郎さんの10月22日の連続ツイート。 本日は、昨日、なんとはなしに思っていたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1071回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日、なんとはなしに思っていたこと。

2013-10-22 09:10:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(1)昨日、岩崎夏海さん (@huckleberry2008)のニコ生におじゃまして、楽しかった。岩崎さん、ありがとうございました。それで、放送中に、ああ、そうだったなあ、としみじみ思い出したことがある。ニコ生が、地上波ではできないことをやっていた時期のこと。

2013-10-22 09:13:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(2)いろいろ物議を醸す男、上杉隆(@uesugitakashi )なんかがよく出ていて、地上波ではなかなかできない体制批判だとか、社会問題の議論なんかを、ニコ生がやっていた時期があった。ところが、ニコ生が普通のテレビ局みたいになっていって、そういう雰囲気が消えていった。

2013-10-22 09:14:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(3)ここで、メディアの近年をふり返ってみよう。ネットが深化して、ツイッターが爆発し、ニコ生に勢いがあった頃って、だから新聞はダメんだなとか、テレビは終わった、みたいな感じがあった。しかし、このところ、そうでもないというか、新聞もテレビも結局それなりに元気だ。

2013-10-22 09:15:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(4)結局、メディア自体では価値は捏造できないということだと思う。実質がないのに、あれこれとやっても、結局長続きしない。だから、メディア自体の新しさとか、勢いとかではなく、現場で実際に何が起きているのか、ということが問題になるまっとうな時代にもどって来ているのだと思う。

2013-10-22 09:17:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(5)逆に言えば、面白いことをやっている人、実際に凄いこと、画期的に新しいことがあったとしたら、少々時間がかかるかもしれないが、メディアの側がちゃんとついてくる、そんな時代になっている。その際のメディアは、新聞かもしれないし、テレビかもしれないし、ネットかもしれない。

2013-10-22 09:18:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(6)音楽の世界でライブが流行っているのも同じことで、実際にそこでいい音楽が演奏され、ミュージシャンがすげーことやっていれば、人は集まってくる。その様子が、ustreamされるか、地上波で出るか、youtubeで出るかということは、実はそんなに大したことではない。

2013-10-22 09:19:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(7)『踊る大捜査線』の名台詞をもじれば、「事件はメディアで起こっているのではない。事件は現場で起こっている。」ということになるだろう。結局、実質を心をこめて充実させる以外に、面白いことはない。出口が地上波か、新聞か、ustreamかニコ生かというのはあまり関係ないんだ。

2013-10-22 09:20:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(8)書籍も同じこと。紙でも、電子でも、要するに出口はどうでもよい。問題は、力のある、内容の充実した文字列があるかどうかということ。その文字列を生み出すのに時間がかかり、手間も要り、偶然の幸運も必要だが、文字列が出来上がってしまえば、あとは流通させる手段の問題だから。

2013-10-22 09:22:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

じげ(9)ツイッターやフェイスブックのようなメディア自体が価値を生み出すんじゃなくて、現場の実質こそが大切という感覚は、まっとうである。過渡期においては、人は幻覚を見るものだ。ネットの新メディア自体に価値があると思えた一時期は、今思えば幸福な幻覚期だったのだろう。

2013-10-22 09:24:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1071回「事件はメディアではなく、現場で起きている」でした。

2013-10-22 09:24:33