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H.Takano|意識の高い学士 @midwhite
ヒューム『道徳原理の研究』によれば、私有財産制は物財の希少性と利己心に由来する。人々の欲求を満たすための物財が無限に存在する場合は私有財産制など必要ないし、同様に人々が限られた物財を仲良く分け合うならば私有財産制は不要である。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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スミス『国富論』の要旨は、①人々の利己心に根ざした経済活動は、市場を介して経済発展を可能にするよう方向づけられていく、②政府の経済への干渉は有害である、というものである。個人が公共の利益の促進など意図せずとも、「見えざる手」に導かれる、と。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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スミスによれば、政府の役割とは次の3つである。①社会を他の独立の社会の暴力や侵略から保護する、②社会の各成員を他の各成員の不正や圧制から保護し、厳正な司法行政を確立する、③公共施設を建設・維持し、公共事業を遂行する。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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スミスは分業によって生産力が増大する理由として、次の3つを挙げた。①分業の下では、個々の職人の技巧が増進される。②分業の下では、ある種の仕事から次の仕事に移る場合、一般に時間が節約される。③分業が導入されれば、多くの機械が利用可能になる。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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アーウィンによれば、『国富論』刊行の前後で通商政策の論じ方に決定的な違いが存在する。『国富論』以後の文献では、種々の通商政策が一国全体に及ぼす特別の基準として、当該国の実質年間収入、或いは国民所得の実質価値を用いる考え方が確立された。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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ピグー『厚生経済学』によれば、国民所得の大きさに影響を与える要因のうち最も重要なのは、資本、労働、発明である。まず資本について、①資本の供給増加は国民所得を増加させ、②資本の供給増加によって賃金所得者の実質賃金が減少することは起こり得ない。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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次に労働は、労働者の増加と労働生産性の上昇によって増大する。前者の場合、①国民所得は増加し、かつ②労働者階級の総実質所得は増加するが、③労働者一人当たり実質所得は減少する。他方、後者の場合、③労働者一人当たり実質所得も増加する。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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最後に発明は、①資本節約的発明、②労働節約的発明、③中立的発明の3種類に区分される。発明が産業において労働に対する資本の比率を低下させた場合、それを資本節約的発明と呼ぶ。逆に労働に対する資本の比率を上昇させた場合、労働節約的発明と呼ぶ。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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ピグーによれば、①大多数の発明は労働節約的である。しかし、②大多数の発明は労働者の実質所得を上昇させる。なぜなら、③労働者が購入する財の相対価格が発明によって低下させるためだ。しかし筆者は、この発明に関する推論が妥当性に欠くと考える。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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賃金所得者の生活水準を引き上げる方法は、次の4つである。即ち、①法令等を通じた賃金の強制的引き上げ、②雇用促進のための助成金の交付、③賃金所得者が購入する財の価格を下げるための補助金の支給、④賃金所得者への購買力の移転、である。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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ここでは賃金所得者への購買力の移転(所得の再分配)について論じるが、少なくとも①課税の効果、②怠惰・浪費に及ぼす効果、③賃金所得者の能力を検討する必要がある。①は富者の国外移住、勤労意欲の減退、貯蓄の減少、資本の国外逃避などの危険がある。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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②は賃金所得者の怠惰と浪費をもたらす可能性もあるが、それを抑制する方法も考え得る。③は賃金所得者に移転された購買力が、訓練、疾病治療、教育などに用いられた場合、賃金所得者の平均的能力が向上し、国民所得も増加するであろう。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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ロビンズ『政治経済学』によれば、初期の厚生経済学は満足の享受について個人間の差異を無視している点に問題があった。また新厚生経済学はパレート最適との比較に依拠した命題だけを科学の対象として取り扱ったが、これも価値判断を含んでおり問題だ。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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クラヴィスはアメリカにおける所得分配を、①被用者所得、②企業家所得、③資産所得の3つに区分して分析し、国民所得に占める被用者所得比率の上昇と企業家所得比率の低下は19世紀に始まり、被用者所得比率は1930年代以降ほぼ安定していると指摘した。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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大川一司「分配率の長期変動」(1965)は次の3つを結論する。①日本の労働分配率は経済成長の上向局面に低下する傾向がある。②長期的には労働分配率の上昇は認められない。③その理由は労働の弾力的供給により生産性の上昇が労働分配率を下げるためである。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣
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小野旭「労働所得の分配と経済成長率」(1985)によれば、①実質所得成長率の上昇は労働所得分配率の上昇率を低下させる。②研究開発支出の対GNP比率の上昇は、労働所得分配率の上昇率を低下させる。③労働の交渉力の増大は労働所得分配率を引き上げる。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』
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小野は同じ論文の最終部分で1つの仮説を提示する。つまり労働所得分配率の上昇は、一方で消費支出を高めることで実質所得成長率を上昇させ得るが、他方で利潤率を低下させて投資支出が減少し、実質所得成長率を低下させ得る。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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クルーグマンによれば、アメリカは1973~94年に経済成長率が低下したのみならず、所得分配の不平等が拡大した。その要因は、①最下層の人々の増加、②最上層の収入の激増、③中間層における不平等や職業間の賃金格差の拡大、の3つである。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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社会保障を論じる上で最重要な文献の1つが、1942年にチャーチル連立内閣の創設した委員会による『ベヴァリジ報告』である。同報告書は何より「窮乏からの自由」を謳い、その原因として第一に所得獲得能力の中断や喪失、第二に家族数の多さを挙げた。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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人々の最低生活を維持するための保障は、強制加入の社会保険が中核的な役割を担う。それがカバーできない場合は公的扶助の対象となる。それらの所得保障制度が十分に機能するためには、①被扶養児童に対する手当、②広範な保健サービス、③雇用維持が必要だ。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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岡本祐三は人口高齢化と共に疾病構造が変化し、大量の要介護老人が生み出されてきたと指摘する。家族の介護力は、核家族化や少子化によって落ちている。介護施設の収容能力の伸び率は要介護老人の増加に追いつかない。そこで在宅介護が注目され始めた。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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家族機能が弱まる中で在宅介護を可能にするには、様々な医療保健サービスや福祉サービスが供給されねばならないが、それを市場に期待するには無理がある。そこで公的介護保障制度が必要になるため、日本でも2000年に介護保険制度が始まったのである。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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筆者は次の4つを提言する。①市場の所得分配を妥当なものと受け入れる。②しかし経済が一定の発達段階を超えた後は、それに修正を加える。②低所得者に公的扶助などを用いて最低生活を保障する。③中所得者の生活安定を図る公的制度を整備する。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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古典派経済学者の中でも珍しく、貨幣の価値貯蔵機能に十全な顧慮を払っているジョプリンによれば、スミス『国富論』以降、国家は貯蓄によって豊かになると信じられている。しかし文明国にとって真の困難は貯蓄の利用法であり、貯蓄の生み出し方ではない。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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ヒュームの貨幣数量説によれば、物価は財貨量と貨幣量との比率に依存する。ここで留意すべきは、貨幣数量説は貨幣量の増減が物価や財貨量に影響するという考え方であり、物価や財貨量が貨幣量に影響するというものではない、という点だ。(吉澤昌恭『市場・貿易・分配・貨幣』)
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