装甲小話2本立て~キーロヴェツ1とIS-3・T-54"饅頭"砲塔から"お椀"砲塔へ
キーロヴェツ1とIS-3
IS-3 1945年生産型の砲塔装甲
WoTではv8.9からIS-3の砲塔装甲厚が変わるみたいだけども、その設定に当たってWGが参考にしたと思しい資料を見つける
2013-10-15 21:16:53IS-3の砲塔の装甲は全周に渡って220mm厚とうのが通説だけども、実は1945年の生産型はそうではなかった様子。前面は249mmで、そこから横に行くにしたがって205mm、183mmと漸減していき、真横では172mm、真後ろでは100mmにまで薄くなる
2013-10-15 21:21:07前述の装甲厚は垂直に近い砲塔下端のもので、角度がきつくなる砲塔上寄りに近づくほど漸減する。砲塔下端から50cmの高さでは前面127mm/真横128mm/真後ろ70mmくらい。真横の上部はハッチの関係で角度が浅いため厚い
2013-10-15 21:27:11角度によって巧妙に装甲厚が変化しているんで、砲塔の上部でも下部でも防御力に差はなさそう。でも水平方向に目を移すと、先のツイートの通り、明らかに前方を重点した装甲になってる。前面249mmって何に耐えるつもりだったのかしら
2013-10-15 21:30:40角度によって巧妙に装甲厚が変化しているんで、砲塔の上部でも下部でも防御力に差はなさそう。でも水平方向に目を移すと、先のツイートの通り、明らかに前方を重点した装甲になってる。前面249mmって何に耐えるつもりだったのかしら
2013-10-15 21:30:40@FHSWman 現状張れる最大の装甲を持たせて、万全ではないにしても超88に真っ向から立ち向かわせようとした、かなあ…
2013-10-15 21:31:51@Jagdchiha あるいはひょっとすると、PaK44でも鹵獲したのかも? 赤軍もいい加減パターンが読めてきてるでしょうから、あんな大砲見せられたら、次にどんな戦車が来るかは想像ついたでしょうし。マウスをその目で見るまでもないというか
2013-10-15 22:16:12「川カマス」は何故必要だった?
IS-3については、その試作車として「キーロヴェツ1」というのが知られてると思う。これは車体前面がパンターめいただだっ広い一枚板になったもの。この形状では防御力が不足すると考えられたために、生産型IS-3の所謂「川カマスの鼻」型に変更された、とはよく言われる。けれども実は……
2013-10-15 21:35:59キーロヴェツ1は88mm砲、122mm砲、152mm砲による射撃試験を受けたけども、実は一枚板構造の車体装甲は貫通されていない。むしろ試験では、150mm厚の砲塔前面を抜かれてしまっている。キーロヴェツ1で防御力が不足してたのは、車体でなく砲塔だったわけ
2013-10-15 21:39:09確かなところは判らないけども、ヒントはある。生産型IS-3の車体側面装甲は傾斜部も垂直部90mm厚だけども、IS-3の試作車(恐らくキーロヴェツ1)は傾斜部85mm、垂直部100mmで、車体側面最下部の防御も生産型より強固だった。つまり、(たぶん)これは生産型よりも重い
2013-10-15 21:51:23以下妄想ですが、 IS-3試作車「キーロヴェツ1」は試験で砲塔装甲を貫通される ↓ 砲塔装甲強化要求 ↓ そのまま砲塔装甲を増せば制限重量を超過してしまう ↓ 車体前面装甲を一枚板から「川カマス」型に変更、側面装甲も若干削り、重量増大を回避 こういうことなのかなあ、なんて
2013-10-15 21:59:41「川カマス」型は前面装甲が斜めに後退してますから、キーロヴェツ1のパンターめいた一枚板構造よりも、車体側面装甲の面積を減らせそうなんですよね。これも重量軽減に寄与したでしょうし
2013-10-15 22:02:53つまるとこ、IS-3の「川カマス」型の車体前面装甲とは、キーロヴェツ1から「車体装甲」を強化するための物なんではなく、キーロヴェツ1の弱点だった「砲塔装甲」の強化により生じる重量増大を、車体装甲の配置最適化による軽量化で差し引こうとしたものなんじゃないかしら、という妄想でした
2013-10-15 22:07:51んでも、IS-3なんてド有名な戦車だし、誰かがもう遥か昔に答えを出してそうよね。なんだか私は見当違いな事言ってる気がしてならない
2013-10-15 22:08:59IS-3生産型の対弾試験
何やらIS-3生産型に対する射撃試験についての資料がちょくちょく上がってきてるみたいだけども、ちょっと不思議な。車体正面は88mm砲に100mで貫通されず、122mm砲には600mで貫通されない、とあるけども、これはひょっとして8.8cm L/71じゃなくてL/56かしら?
2013-10-20 17:19:39興味深いのは、IS-3の装甲防御力は射撃方向の影響が大きいこと。あの「川カマス」型の鼻ッ面は、ピッチ方向だけでなくヨー方向にも傾斜装甲になってる訳で、だから斜め前方から見ると傾斜が浅くなる。正面からは200mでも122mm砲に耐えるのに、40度左右からでは900mからでも貫かれる
2013-10-20 17:26:29や、待てよ。正面からの88mm砲弾に対する装甲裏面強度限界は975m/s、距離200m相当、となってる。この着速は56口径砲では有り得ないし、やっぱり71口径での試験なのかな
2013-10-20 17:31:57独軍の8.8cm砲弾は赤軍の122mmに比べて傾斜装甲に弱かったりするのかなあ。122mm徹甲弾は赤軍的に「尖頭弾」と呼ばれる弾で、実際蛋形弾みたいな形のただのAP。一方独軍のはAPCBCなんだけど、ひょっとすると被帽が傾斜に対して邪魔になるように働いちゃってる?
2013-10-20 17:35:13ひょっとしてひょっとすると、あまり急角度の傾斜装甲にAPCBCないしAPCが当たった場合、装甲に急激に食い込もうとする被帽に弾体がついて行けずに、メキョっと折れるような格好で被帽と弾体の接合部が外れて、弾体が弾かれちゃうんじゃないかしら? (全部妄想な)
2013-10-20 17:38:17@fhswman あんまり参考になりませんが、十二糎被帽徹甲弾の装甲貫通時における動きの例。http://t.co/y5jw50VJIE
2013-10-20 18:33:08