『中世の古文書』展、開幕後の作品解説

国立歴史民俗博物館で10月8日~12月1日まで開催中の「中世の古文書」展。順調な出だしと図録の売れ行きへの感謝をこめて、同館教授の小島道裕さんによる「アフターケア」的作品解説が続きます。
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第1部

まとめ 中世の古文書展はこんなに面白い 国立歴史民俗博物館で10月8日~12月1日まで開催される、空前の総合的中世文書展「中世の古文書」。同館教授の小島道裕さんによる見どころ解説をまとめました。 27814 pv 399 54 users 60

第2部スタート

中世の古文書 @kojima_sakura

歴博@佐倉秋の企画展示「中世の古文書」図録の通信販売が始まりました! 歴史民俗博物館振興会が扱っています→http://t.co/49xU6Pzw7T。実際は展示開幕後の販売になるのですが、ツイッターでのみなさんの反応がすごくて、予約受付を始めてくれました。よろしくお願いします。

2013-10-04 00:24:20
中世の古文書 @kojima_sakura

「盟友」の神奈川県歴博「こもんじょざんまい」展は、一足早く本日5日開幕http://t.co/hanuiIPGCf。HPに出品目録も出ていますが、鎌倉関係はさすがの充実ぶり。地元以外からも広く資料を借用した、これも本格的な中世文書展です。佐倉共々「中世文書の秋」をご堪能ください。

2013-10-05 11:33:18
中世の古文書 @kojima_sakura

多くの方が展示図録を評判を聞きもせずに注文してくださった、つまり小生のツイートを信用してくださったことには感激しておりして、御礼はどうしたら良いだろうと考えたのですが、出品資料、つまり図録の写真について解説を続ければ「アフターケア」になるな、と気づきました。御質問もお受けします。

2013-10-06 18:10:27
中世の古文書 @kojima_sakura

展示図録は、展示を御覧になったお客様が記念に買うもの、というイメージがありますが、通販でもかなり売れるとなると、むしろ独立した存在ですね。さらに展示と図録についてツイッターでも解説する、となると、これはつまり「メディアミックス」です。雑誌漫画・TVアニメ・映画、みたいな相乗効果。

2013-10-06 18:13:38
中世の古文書 @kojima_sakura

おかげさまで、本日はついに内覧会。展示プロジェクトのみなさんにもお集まりいただき、ご招待者向けと、報道・ブロガー向け、二度の展示解説をさせていただきました。ツイッターでお見かけしている方にもお目にかかることができ、とてもうれしく存じました。

2013-10-07 20:12:21
中世の古文書 @kojima_sakura

「中世の古文書」展、おかげさまで、本日無事開幕いたしました! で、さっそくやらないといけないのが修正。文書の読み(釈文しゃくもん)の間違いを見つけると、うれしそーに鬼の首でも取ったよーに教えてくれる人たちがいて、私もそんな一人なのですが、見つけられるとああ悔しい。はい、直します。

2013-10-08 19:03:03
中世の古文書 @kojima_sakura

展示を御覧になったら、ぜひアンケートにご記入ください。最近はどこの博物館も重視していると思いますが、歴博でもアンケートはすべて入力されて、館内で共有されます。ご来場になってご意見をくださると、それが館を育てることになります。子供と同じで、褒めると叱るどちらも必要、ありがたいです。

2013-10-08 19:13:27
中世の古文書 @kojima_sakura

展示が始まる前の「お出で下さい」というツイートは、檄文や「軍勢催促状」でしたが、その後「行きます」「図録買いました」とお知らせいただくのは、言わば「着到状」や「軍忠状」。それに対して、「ありがとうございます!」とご返事するのは「感状」ということになりそうですね。

2013-10-09 20:17:10
中世の古文書 @kojima_sakura

展示の進行に合わせて「文書戦」を展開していることになりますが、でもこれ、「敵」はいない、味方が増えるだけの戦い。皆様のおかげで、この文書戦、既に制することが出来ました(笑。 展示に出ている本物の感状は、大友宗麟のもの〔160,176〕や、毛利元就・隆元のもの〔210〕があります。

2013-10-09 20:20:30
中世の古文書 @kojima_sakura

「中世の古文書」展、おかげさまで、開幕から予想以上のお客様で、うれしい限りです。体験コーナーには、お約束の「花押を書こう・作ろう」コーナーができまして、子供にも大人にも人気です。頼朝・尊氏・信長・秀吉の花押を練習できます。 http://t.co/NKcVMlByuB

2013-10-10 12:48:09
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中世の古文書 @kojima_sakura

「花押を書こう・作ろう」コーナーで練習して、自分の花押(略押?)を作ってみました(汗。 (「中世の古文書」展 国立歴史民俗博物館@佐倉) http://t.co/GT3186OVRv

2013-10-10 12:52:14
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中世の古文書 @kojima_sakura

「入場者一千万人」の吉書を作ってもそれが実現するわけではないのですが、そう宣言すると、入場者数はそこに向かって伸びている数字、ということになります。戦いの後で出される感状も、それがあると同じ行為が「よくがんばった」ということになります。言葉は実体ではないですが、現実を規定します。

2013-10-10 19:29:53
中世の古文書 @kojima_sakura

だから、悪い言葉を発する、特に書き残すのはしない方がいいです。今回の展示にも「今後悪口を言わない」という起請文があります〔118〕。ツイッターでうっかり悪口を書くと、それがいつの間にか、意識しない時に人を傷つける結果になるかもしれない・・ってこれ、「生霊」そのものじゃないですか。

2013-10-10 19:32:11
中世の古文書 @kojima_sakura

ちなみに、「重算」という僧が別の僧に書いたこの起請文〔118〕は、正確には「向後ラクユイ悪口等すべて以て申すべからず」という起請なのですが、この「ラクユイ」が何なのか、どうしても分からない。それで、展示でも「(宛先を特定しない)公開質問状」にしてます。分かった方は、教えて下さい。

2013-10-10 19:35:41
中世の古文書 @kojima_sakura

12日(土)13:00~15:00に、歴博講演会「木と炭素14のちょっといい関係」がありますhttp://t.co/S5Nk0ot9nQ。講師の坂本稔さんは炭素14年代測定法の研究者で、展示の金山寺宛て六波羅探題制札〔182〕の年代も計ってもらいました。そのお話もあると思います。

2013-10-11 00:52:58
中世の古文書 @kojima_sakura

国立歴史民俗博物館は「大学共同利用機関」という組織なので、大学の授業で展示を御覧になる場合、手続きをしていただくとhttp://t.co/yzj2ppF9F7無料になります。教員の皆様はぜひご利用ください。学生のみなさんは「歴博行くなら・・今でしょ!」と先生に教えてあげて下さい。

2013-10-12 00:05:38
中世の古文書 @kojima_sakura

開幕後初めての休日。ギャラリートークにもたくさんの方がお出で下さいました。お話しすることが多い上に、お客様が熱心に聞いて下さるので、1時間を超えてしまいました(汗。 昨日から秋祭りで、今、外からは、祭り囃子が聞こえてきます。休日のお出かけには、佐倉は本当に良い所だと思います。(続

2013-10-12 17:11:01
中世の古文書 @kojima_sakura

歴博だけでも一日楽しめますが、歴博がある佐倉城址公園には、佐倉城の堀や土塁がよく残っていますしhttp://t.co/EpNv6pwnE9、少し歩くと、武家屋敷も3棟が公開されていますhttp://t.co/NIFjsV9EUG。 城下の外れには、旧堀田邸や順天堂記念館なども。

2013-10-12 17:17:54
中世の古文書 @kojima_sakura

後醍醐天皇消息〔152〕に感心されたお客様がいて、たしかに堂々とした迫力のある字です。後光厳天皇消息〔206〕も太く立派な字で、天皇はこういう字を書く「帝王教育」を受けていたようです。信長朱印状〔193〕の楠長諳も太々とした字で、「帝王」を目指す信長の嗜好に合っていたのでしょう。

2013-10-12 21:39:48
中世の古文書 @kojima_sakura

他の自筆の文書には、源義経書状〔24〕、平宗盛消息〔205〕、足利尊氏の法華経奥書・外題〔173〕などがありますhttp://t.co/uwrMAKXYoV後醍醐天皇と尊氏は、偶然近くに並んでます。いずれも本当に個性豊かで、まさに書は人なり。見比べていただくと、人柄が偲ばれます。

2013-10-12 21:43:03
中世の古文書 @kojima_sakura

「中世の古文書」展にも東寺の資料が出ています。「大山庄年貢注文」〔125〕「新見庄年貢算用状」〔127〕「東寺返抄」〔213・214〕。「返抄」は先日も触れた東寺長者就任の際の「吉書」で、能登国へ宛てた「能米千万石」などの領収書ですから、やはり経営関係。寺院文書は経営関係が多い。

2013-10-13 18:54:44
中世の古文書 @kojima_sakura

今回の展示は、武家、公家、寺家といったジャンルを横断した総合性に特徴があるのですが、それぞれ特徴が見えてきます。公家文書で面白いのは、南北朝期の「広橋兼綱譲状」〔132〕で、家の財産を書き上げた遺言書ですが、冒頭は「家記」つまり先祖代々の日記です。これを譲られることが後継者の証。

2013-10-13 18:56:40