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2013年10月26日

精神科の薬について(2)

表記、鈴木映二先生の呟きをまとめました。 (2013.9.30~10.24) 抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬など。 対応する病名は、うつ病 躁病 双極性障害、統合失調症、アルツハイマー病など。
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鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)は、日本で20社位が製造している抗不安薬です。決して悪い薬ではありませんが、精神科医の中にも誤解している人がいますので、その点についていくつか触れてみたいと思います。その1、睡眠薬として使う人がいますが、薬理学的には抗不安作用の方が強いです。

2013-09-30 21:00:54
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、その2。脳内のセロトニン、アドレナリン、ドパミンの代謝を抑制します。したがって抗うつ薬としての効果が期待されますが(科学的証拠は乏しい)、一方で、このことを知らずに抗うつ薬と併用するとセロトニン症候群などの副作用が起きやすいという欠点にもつながります。

2013-09-30 21:03:14
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、その3。筋弛緩作用が強い。利点としては、筋緊張性頭痛の方の頭痛を和らげたりすることができる。欠点としては力が入りにくい、時には脱力、店頭などの事故につながる場合もある。一方、脳波の徐波化(眠たい時の脳波)は他の抗不安薬に比べて、出にくいかほぼ同等。

2013-09-30 21:08:46
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、その4。半減期(血中濃度が半分になる)がおよそ6時間なので、短時間型の抗不安薬と理解されることがあますが、最高血中濃度に達するまでの時間が3時間以上ですから、飲み始めてから9時間後にようやく最高血中濃度の半分になります。決して短時間型とは言えません。

2013-09-30 21:11:04
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、その5。さらに主な代謝産物であるMⅢという物質は、とても活性(薬としての作用)が強く、いくつかの動物実験ではもともとのエチゾラムより高い活性を持っています。しかもMⅢの半減期は16時間。したがって、デパスの作用はかなり長時間続くと考えたほうがよいです。

2013-09-30 21:13:04
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、その6。少し難しくなりますが、活性代謝産物MⅢはさらに代謝されてMⅥという物質になります。そこに関わる酵素はCYP3A4という物ですが、これが他の薬で活性が抑制されることがあります。その場合は、薬の作用が強く長時間続くことになります。

2013-09-30 21:15:12
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、その7。CYP3A4が抑制されてMⅥに代謝されない方の場合は、尿中にMⅢが排泄されると考えられます。しかし腎障害や腎血流量を減らす抗炎症剤などを併用していると、さらに効果が強く長時間続くことになります。こうなると危険信号が点滅します。

2013-09-30 21:17:49
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、その8。また、デパスは吸収された後、血液中でタンパク成分と結合して体内を移動します。エチゾラムはタンパク成分との結合力が強いので、他の薬をタンパクから追い出して結合します。その時にタンパクから追い出される薬の作用が強まる危険性がありえます。

2013-09-30 21:20:31
鈴木映二 @suzuki_seishink

エチゾラム(デパス他)の話、まとめ。良い薬ですが、安全とばかり信じ込んでいると、予想以上に強く長時間効果が持続したり、併用する薬が変わることで効果が変わったり、抗うつ薬の副作用が出やすくなったり、時には危険な薬物相互作用もあり得ます。心配しすぎることはありませんが主治医と相談を

2013-09-30 21:23:12
鈴木映二 @suzuki_seishink

睡眠薬は、空腹時の服用を前提に量が決められています。睡眠薬のように脂溶性の高い(脂肪に溶けやすい)薬の場合は、食後に服用すると吸収率が高まることがあります。眠る前に食事をしてから睡眠薬を飲むと効きすぎることがあるので注意してください。特にクアゼパム(ドラール)は食後服用禁止です。

2013-10-01 23:00:53
鈴木映二 @suzuki_seishink

抗不安薬や睡眠薬の中には酸で分解されるものがあります。そういう薬を飲んでいる方が胃薬を飲み始めると胃のpHが上がって、薬の効果が強く出ることがあります。アルプラゾラム(ソラナックスなど)、エチゾラム(デパスなど)、トリアゾラム(ハルシオンなど)などはご注意ください。

2013-10-01 23:07:10
鈴木映二 @suzuki_seishink

先程、食後に睡眠薬を飲むと効きすぎる事を呟きましたが、補足です。食後に睡眠薬を飲んでも睡眠作用の増強は期待できません。理由は、吸収率は上がるものの、ゆっくり吸収されるので最高血中濃度が下がるからです。したがって、眠りにくく、次の日に持ち越し、最悪次の日の睡眠にも影響します。

2013-10-02 00:55:38
鈴木映二 @suzuki_seishink

もともと体にある物質を内因性物質といいます。それを薬にしたものがあり、内因性物質であることを理由に安全だと宣伝したりしていますが、本当はそうとは限りません。最近、癖になるなどと新聞などで叩かれているジアゼパムという抗不安薬は内因性物質です。さらにオピオイド(阿片類縁物質)もです。

2013-10-06 00:38:33
鈴木映二 @suzuki_seishink

抗不安薬・睡眠薬はベンゾジアゼピン系とバルビツレート系がメインですが、現在は前者がメインです。そのもっとも大きな理由は、大量服薬時の致死的危険性が圧倒的に小さいからです。また、依存性や耐性(使用しているうちに効かなくなる)については当初考えられていたほど差はありません。

2013-10-06 00:44:19
鈴木映二 @suzuki_seishink

近年、さらに新たな抗不安薬・睡眠薬として非ベンゾジアゼピン系薬が出てきました。確かにゾルピデム(マイスリー)のようにω1受容体に選択的に効く薬は催眠作用が強く、ω2受容体の筋弛緩作用などが弱く比較的安全ですが、耐性や依存の問題は依然残っています。

2013-10-06 00:48:17
鈴木映二 @suzuki_seishink

さらに、最近になって、セロトニン1Aアゴニストという新たな薬が出てきて、日本ではタンドスピロン(セディール)という薬があります。耐性や依存に関しては改善されていますが、肝心の抗不安・鎮静効果は弱く、即効性もありません。ただし、抗うつ作用が弱いながらも期待できます。

2013-10-06 00:52:30
鈴木映二 @suzuki_seishink

一般的な抗不安薬をうつ病や躁病に使うべきか?これについては、結論できません。一人一人の症状を分析する必要があります。薬理学的には、抗不安薬の中にも抗うつ薬と同じようにモノアミンの再取り込阻害作用のあるものもあります。しかし、ベンゾジアゼピン受容体への作用が上回ります。

2013-10-06 00:55:23
鈴木映二 @suzuki_seishink

抗不安薬をうつ病や躁病の治療に使う理由としては、やはり随伴する不安や不眠に対する一時的な治療と考えるべきでしょう。抗うつ薬や双極性障害治療薬と併用した場合、効果があるとする論文と、使わない方が良いとする論文の両方があります。教科書的に結論を出すことは現時点では困難と思います。

2013-10-06 00:57:59
鈴木映二 @suzuki_seishink

抗うつ薬は有効な薬です。しかし、どんなに優れた薬でも使い方を間違うと危ないことになります。まず、最も注意すべきなのは、若年層では、薬の形だけして成分の入っていないプラセボというものと比べて、自殺率が高くなることです。 http://t.co/CFZYWyIKS2

2013-10-11 21:50:05
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鈴木映二 @suzuki_seishink

特に18歳未満の方が抗うつ薬を服用するとかえって自殺の危険性が高くなるかもしれないという事には気を付けなければなりません。私は25歳以下の方に抗うつ薬を出すことは基本的にはしません。先ほどのスライドでは高齢者に対しては、逆に自殺率を低くするという事示されています。

2013-10-11 21:52:41
鈴木映二 @suzuki_seishink

また、抗うつ薬は効果をみながら慎重に増やすべきです。十分量を使うべきであるという意見もありますが、薬によっては?です。スライドはある抗うつ薬のデータです。15と30mgはプラセボより効果がありますが、45mgでは差がありません。 http://t.co/tfFyawEWgL

2013-10-11 21:57:16
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鈴木映二 @suzuki_seishink

同じスライドをもう一度ご覧下さい。うつ病は、プラセボでも効果があるのです(不思議ですが)。抗うつ薬の効果は、プラセボ+30%位。それも、対象は抗うつ薬が効きやすいタイプのうつ病です。つまり、抗うつ薬は小さな効果しかないと言えます。 http://t.co/IbwvdHDEoo

2013-10-11 22:03:26
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鈴木映二 @suzuki_seishink

ただし、このような臨床試験では、製薬会社が開発した薬の効果を見るために、頑張って同じ薬を飲むことになってしまいますが、実際の臨床では、相性が悪いと判断すれば、1~2月後には他の薬に変えますから、もう少し効果が実感できると思います。

2013-10-11 22:05:33
鈴木映二 @suzuki_seishink

精神科の薬を飲んでいて、性機能が低下したり生理が不順になっていると感じている方はいらっしゃりませんか?オランザピン(ジプレキサ)やアリピプラゾール(エビリファイ)などのドパミン遮断作用のある薬で起きやすい副作用です(スライド参照)。 http://t.co/Z1xliZ7U3c

2013-10-12 21:10:43
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鈴木映二 @suzuki_seishink

統合失調症は脳内のドパミンの過剰と、うつ病はセロトニンやノルアドレナリンの不足と少なからず関連していると考えられています。それでは、双極性障害は・・・というと、手掛かりはあるものの、まだ決め手となる仮説はありません。 http://t.co/hanaAZ2fWl

2013-10-12 21:16:56
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