同時多発ツイート連詩＃pw秋組【秋の待ち伏せ・完全版】

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

今も夢見る 部屋ごと毛布に包まれた しろい午前十時を 雨音と 聞き慣れない秒針の ここはあんぜん、だれも ひどいことをしない という囁きを 腕の重みを 足跡はとうにないのに 水面の轍が消えなくて 刻まれた体だけ連れていく しろい部屋をつくるために （秋の待ち伏せ） ＃pw秋組

梁川梨里（やながわりり） @riri_yanagawa

しろさ、は刻まれてゆく 魂の抜けた着ぐるみのような 身体まで刻んでしまって 還る場所は在るのか もう、待ち伏せの夢はみない 千切りにしている指ごと切って しろさ、の中ではよく見える 痛みをその血て染めれば 秋に迷わない （秋の待ち伏せ） #pw秋組

なぎさひふみ @hifumi_nagisa

浮遊する舞いの秋 定着する色の戸惑い 開闢の慈しみが夢見る 少女の無垢なる息遣い 続く待ち伏せに季節は 有りし歴史の風に揺れて 誘うは手招きだけでない 一葉の落ちる時の痕 捥る果実の味は （秋の待ち伏せ） #pw秋組

こひもともひこ @kohimon

待ち伏せされているという気はしないのだけれど　×　いつだって突然の喜びに感謝したくなるんだ　×　肌寒くなった日　×　天気が良くても悪くても　×　鼻に飛び込んでくるその喜びを運んでくれる　×　小さな　×　の花たちに　×　感謝を　× （秋の待ち伏せ） #pw秋組

az @gris_1505

湯気が薄く輪郭を持つ朝 人知れず降った夜の雨は 反転した秋を映し 鄙びた藁の匂いの辛みの風は 鼻孔深く射し込み 容易に体温と混ざろうとしない 待つことのもどかしさ 待たせることの切なさ 待ちわびて秋 想いは時を刻む (秋の待ち伏せ) #pw秋組

山崎みふゆ @mifuyu_yamazaki

訪れはいつも唐突で こんなだったっけと思う瞬間　 こんなだったと思い直す 窓を叩く音　切り裂かれる空の音 どの移ろいにも伴うけれど こんにちわと迎えに来るよ それに気が付くのが　いつも遅くて あぁ こんなだったね おかえりなさい 「秋の待ち伏せ」＃ｐｗ秋組

工藤ヒロツグ @kudodoc

10月になると その強い花の香りが 頭の隅の何かを呼んで来る 確かに一緒に過ごした 楽しかった記憶の 待ち伏せ (秋の待ち伏せ) #pw秋組

山崎みふゆ @mifuyu_yamazaki

同じ季節を　分け合っていたけれど　 確かだったはずの記憶が　思い出へと風化される 目眩 同じ風景の中 見当たらない 見付からない １０月 が 来てしまうなんて 思わなかった 思い出になってしまった記憶が はらり 風に舞い上がる 「秋の待ち伏せ」＃pw秋組

az @gris_1505

向日葵の場所は刈り取られ 夏野菜の添え木も取り払われた 綺麗に均されたその土に 来る秋の色を見つける 私は探す(見つけだす) そこにいつもの秋を まるで初めての秋を そうだのに(見つけたって) 今立つ場所も ただの通過点にしか過ぎない (秋の待ち伏せ) #pw秋組

春森しゆう @junju_usako

耕して肥やしを入れて土を寝かせる 畝を作って蒔くだけの床 ひとつぶ、ひとつぶ、 たまに、ふたつぶ、 耕された土に、ただ眠ればいい 右手、左手、ふりながら 芽が出る のを、待ち伏せている 小松菜も、からし菜も、私も対だ はみ出した方がよく育つ 「秋の待ち伏せ」 ＃pw秋組

雑感❕ @mimi_4567

知らないでいて欲しかった。あなたはあなたのままで、小さな小高い城に捕らわれていて、幸せなんだと、いつまでも。窓を開けると、秋は突然やってきて、哀しい素顔を見せた。淋しい王子様、色とりどりの美しい葉を纏い、こんなはずじゃなかったと泣かないで。（秋の待ち伏せ）#pw秋組

なぎさひふみ @hifumi_nagisa

どうしてと あなたは問わない 代わりに微笑みで 季節を慈しむ なぜならと 私ではなく 風があなたの 頬を撫でる あなたは優雅に 美しい髪を 梳き撫でながら 彷徨う世界を 愛へと向かわせる いつもありがとう （秋の待ち伏せ） #pw秋組

春森しゆう @junju_usako

通りすがりに呼び止めて お話しましょう。唐突に。 私を知らせたい。あなたを知りたい。 どこまで踏み込んでいい。 どこまで話せばいい。 誰かが聞き耳を立てている。 誰かが一字一句逃さず見張っている。 そしてあなたのなかに出来上がった私を 私は知らない。 「秋の待ち伏せ」 ＃pw秋組

チャラチャラのチャンピョン @knstkino

泣いて、笑って、 純情を踏みにじって、 太陽を仰ぐ向日葵みたいに ひたすらに、直向きに、 そんな夏を通り過ぎて、 彼女はほんの少し大人になった。 凛とした横顔、 涙の跡は秋風に拐われ、 ブーツの踵を鳴らす。 ずるくていとしい心は ダレノモノ…？ (秋の待ち伏せ) #pw秋組

落葉[Rakuyou] @a_fallen_leave

騒いで喚いて泣き もがいて苦しんで頭を抱えて どうすることもできない 毎日が祭の様に沢山の音がしていた 皆どこへ行ったのだろう 突然一人にされたような気がして窓を開け景色を空を見る 風が木々を切り裂きに来て寝苦しさと共に去っていく 金木犀の香りがした ｢秋の待ち伏せ｣ #pw秋組

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

待っていました 分からぬままに 暁、溶けて赤に黄にほとび 例えばあなたがくれた果実を やわらかな腹に抱いて 色競る子等をそっと 集めて 食む ((空が深いから 息が続くまで潜ってみました)) あらたになる、いのち あなたがまた一枚 ひらり、と (秋の待ち伏せ) #pw秋組

落葉[Rakuyou] @a_fallen_leave

異変の時を止めたくて移り変わる全て隠したい 声が聞こえた 押入れを片付けている誰かがいる 飛び回っていた小さな鼓動は止まっていた 寝苦しかった熱気は冷気を帯びて夜はとても静かになった 猫の眠る場所が変わっている温かい布団の上 あくびをしている ｢秋の待ち伏せ｣ #pw秋組

西原真奈美／来春詩集を上梓します @m_a31354363

迎え来ることなど 無いと知っていた 欲しがられた 私はもういない 剥がれたぺディキュアと 仕舞われたサンダル 溢れた夏の後の 干乾びた秋 泣いているよ 蒼醒めた 乳房のような月が 歌のない森 月明りの切っ先 帰ろう帰ろうと走る まやかしの けもの道 秋の待ち伏せ　#pw秋組

春森しゆう @junju_usako

簡素な電子音が、君の存在を告げる。 視覚的な認知の在り処。 声は聴こえてこないから温度が計れない。 文字の羅列に熱を持たせるのは、私の心だ。 常温の液晶の中に棲む君を、抱きしめる。 「秋の待ち伏せ」 ＃pw秋組

落葉[Rakuyou] @a_fallen_leave

身近な人達が言う｢このくらいの時は体調を崩しやすいから｣と 全てが終わりを向かえるような静寂を感じ 悲しみが拡大する 今までと同じ筈なのに小さな連絡に敏感に異常に待って震えている 先に待たれて追いつけない見えない躯を抉っていく 楽しそうに君はいつも ｢秋の待ち伏せ｣ #pw秋組

かとう たか @taka423kato

秋に出会った人は その秋で ずっと待っていた 誰かの待つ駅が 時間の終わりまで連なる 透明なプラットホームの 傍には 碧い種子の 待つことも知らないまま 十月の花たちが 枯れてゆく そして 遠い約束の日 君の待っている駅で 僕も君を待っている (秋の待ち伏せ) #pw秋組

春森しゆう @junju_usako

種が、ほしい。 黒い小さな種が。 渇いて零れる直前を、見極めたい。 ずっと待っていたものを、 いつのまにか、土と同化していた。 掘っても、掘っても、掘っても、 もう遅い。 土の中で咲いている。 「秋の待ち伏せ」 ＃pw秋組

末松 努 @dejodajo

咲き誇れない悲しみに 暗闇の種は涙を流す 地下へと染み込んでいく涙は やがて朧げな思い出とともに 地上へと湧き出る 待ち伏せしていた陽の光に 涙も種も救い出される どこか寂しげな日差しに 咲いたコスモスが微笑みかける もう 泣かなくていいのだ、と (秋の待ち伏せ) #pw秋組

佐織@KITAERILIVEALIVE @saori_pnd

さよならを告げたのは 一年前 それは どちらではなく お互い 離れた距離 物理的に 精神的に ただそれは 自分の思い過ごし いつしか君が先をいっていた 見えない自分が置いていかれただけ 一年後 今、自分はここにいる そう、君の前 (秋の待ち伏せ) #pw秋組

春森しゆう @junju_usako

こわくて張り巡らせた茨を、ほどいてくれる人を待っていた。 待ちながらも茨を強化していた。 諦めていく人たち、理由に気づく人がいなかった。 茨は自分の脚に刺さる。 今度は傷を舐めてくれる人を待ち 待っているうちに朽ちてしまう。 残ったものに色がない。 （秋の待ち伏せ） #pw秋組