131030 【岩上安身のツイ録】ポパー、ハイエク、フリードマン、そしてケインズ

岩上安身 @iwakamiyasumi

唐突だが、仏教は正しいと思う。因果論の話である。歴史はつながっている。因あっての果である。つくづくそう思う。そういう意味で僕は仏弟子だが（五戒を守れない凡愚ですが）、因果の理である程度明日を見通すとしても、未来が定まっているとは思わない。その点ではカール・ポッパーの生徒でもある。

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続き。ポパーは、反証可能性と開かれた社会を唱え、全体主義を徹底的に批判した。未来は開かれている、ということはつまり、歴史に進化という一方向の、決定論的なシナリオはない、ということだ。当然、ポパーは共産主義を否定した。「赤でもなく、死でもなく」と、左右両方の全体主義を批判した。

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続き。ポパーと同じくオーストリアの知識人であるフリードリヒ・ハイエクは、「隷従への道」を著し、同じく全体主義を批判し、のちに自由主義の新たな司祭、カリスマとなった。ポパーとハイエクはナチス台頭とともに亡命する。似た境遇の2人は友人でもあった。

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続き。そのハイエクが若かりし頃、祖国オーストリアは第一次大戦で敗れ、戦勝国の懲罰的政策で困窮し、飢餓にも見舞われていた。この時、戦勝国の一員でありながら、ヴェルサイユ体制に疑問を抱き、報復的な政策を改めるよう心を砕いていたのが英国のケインズだった。

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続き。ハイエクは故国オーストリアでも名声を博していたケインズを仰ぎ見る。ハイエクにとってケインズはスターだった。しかし、師匠にミーゼスを、弟子筋にフリードマンをもつハイエクは、大きな政府と福祉国家の擁護者ケインズに対し、小さな政府の看板を掲げて思想戦を挑む。

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続き。ケインズとの戦いでは、ハイエクーフリードマンは、現代では圧勝を収めたかに見える。新自由主義は今や地球規模のドグマであり、支配的な教説だ。だが、それゆえに世界は危機に見舞われ、破滅に瀕している。全体主義への批判からスタートしたはずなのに、何が違ったのだろう？

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続き。ケインズとハイエクの違いは明らかに思われるが、では、ハイエクとポパーの違いは何だったのだろうか。両者の違いは、紙一重のようでもあり、まったく違うようにも思われる。

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続き。もっとも、同じ「小さな政府」のセールスマンではあっても、ハイエクとフリードマンにも、色々と差異がある。貨幣の発行権まで民営化せよ、という極端な民営化至上主義もハイエクの特徴だ。このラディカルな側面を評価して、ハイエク信者は、フリードマンと一緒にするなと憤慨し、彼を擁護する。

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続き。計画経済は、中央の計画当局が万人についての情報を知り得るという錯誤に基づいて打ち立てられる、とハイエクは主張する。それは不可能であり、だから、全体主義の計画経済は失敗する、という点まではハイエクに同意可能である。

岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。しかし、だからといって、市場における価格のみが人々の需要を示す唯一の指標なのだと絶対視し、すべてを市場に委ね、政府の介入を最小にせよ、という教説はドグマである。政府が不完全なように、現実の市場はハイエクの頭の中にある理想とは違い、完全ではない。透明でもなく、公正でもない。

岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。ケインズには豊かで、ハイエクに乏しいものは、目前に飢えている人間がいるという現実から出発し、それをどうにかして救おうとする慈悲である、とやはり思う。頭の中の理念が優先しているのではない。インフレを招くとの理由でケインズ主義が脇に追いやられて以来、世界は青ざめたままだ。

岩上安身 @iwakamiyasumi

続き。ポパーと同じくオーストリアの知識人であるフリードリヒ・ハイエクは、「隷従への道」を著し、同じく全体主義を批判し、のちに自由主義の新たな司祭、カリスマとなった。ポパーとハイエクはナチス台頭とともに亡命する。似た境遇の2人は友人でもあった。