講義：外人っ娘

伊月遊 @ituki_yu

では外人っ娘について講義を始める。 外人っ娘という物の定義を、世界紳士協定（ＷＧＡ）では以下のように行っている。 『自分の自国以外の要素が存在するキャラクター』 何を言っているか分からない諸兄姉もいらっしゃることであろう。ここで次の言葉を脳内再生してほしい。

伊月遊 @ituki_yu

「うっ、うるさいな！箸くらい使えるよ！（ツルッ）あっ！うぅ～～・・・」 「ＯＨ、グレートでーす！流石サムライの国！ところで・・・ハラキリはしないデスか？」 「・・・シベリアの冬はこんなものじゃない。マイナス４０度の極寒の地獄。そこでは一切の甘えは許されない」

伊月遊 @ituki_yu

「だって日本人って、生の魚をそのまま食べるんでしょ？信じらんないわ」 如何であろうか。 外人っ娘は"他国"という文化を対象とした属性である。 他国は自国以外の全てであり、自国は人によって定義が異なる。

伊月遊 @ituki_yu

己の生まれた国であったり、育った国であったり、あるいは思っている国。それが自国であり、それ以外が他国である。 外人とは外の人と書く。 人間は家族などの内なる存在を大切にし、その他の外なる人間を排してきた。それは種としての本能であり、生き物全てが持つ共通の価値観というものである。

伊月遊 @ituki_yu

かつて日本は鎖国という、世界でも珍しい体制を取っていた。 他国との国交を全て廃する。それにより、日本の様々な物を守ろうとした。 これも前述した一種の防衛本能によるものである。

伊月遊 @ituki_yu

徳川幕府２５０年の歴史が終わったとき、日本は同時に開国を行った。 それにより確かに色々な物を失ったが、その恩恵も今日まで続いていて、以後百と数十年、この国は諸外国と交わり続けている。 現代。渋谷や新宿などに行くと、すれ違う三割以上の人間が外国人である。

伊月遊 @ituki_yu

それは世界的に見れば別に珍しい事では無い。寧ろそれまでの日本が珍しい存在だったといえよう。 外人っ娘はそういった特殊な環境を母体として生まれた稀有な属性である。 ここで外人っ娘というものにどういった魅力があるのか考察してみる。 外人っ娘には以下の魅力が存在すると考えられる。

伊月遊 @ituki_yu

・自分の自国では子供でも知っている常識を知らない様子を見たときの優越感 ・自分の自国に対する誤った認識から生まれる微笑ましさ ・自分の見たことのない世界への憧れと、その知識を持つ人間への尊敬 だいたいこんな所であろうか。

伊月遊 @ituki_yu

色々な感情がそのキャラクターの魅力となるが、外人っ娘の魅力は集約すると全て、己の文化や思想との差異や齟齬によって生じる「己と異なる部分に対する憧れ」となる。

伊月遊 @ituki_yu

かつて日本は鎖国を行っていた。その理由は諸説あるが、諸外国の意志や思想が流入する事を防ぐためであった、という説が有力的である。 理由は何でも良いが、それにより日本が国交を閉ざした事は事実である。 その結果、日本は一部を除き、殆どの住人が外部の世界を知らない国となった。

伊月遊 @ituki_yu

それはやがて諸外国への憧れや畏れとなり、結果日本は開国への道を歩み始める。 現代の日本に至るまでの道を、開国論者達は文字通り己の血肉を使って切り開いていったのだ。 外国への強い憧れ。それは転じて、現代の外人っ娘ブームへと繋がっていく事がお分かりの筈だ。

伊月遊 @ituki_yu

現代に生きる人間は、日々様々な抑圧を受けて暮らしている。 受験疲れ。いじめ。仕事のストレス。身近な所だとダイエットなども抑圧の一種といえよう。 日本の歴史を紐解いていくと、外人っ娘はそうした抑圧からの解放の象徴である事がお分かりだろう。

伊月遊 @ituki_yu

自由に、思うがままに、気ままに、チョンマゲに驚き、ニンジャを喜び、間違った箸の使い方をする。 それこそが本来人間が持つ、本当の幸せと言うものではなかっただろうか？

伊月遊 @ituki_yu

外人っ娘。それは現代を生きる人々が空を見上げるのに似ている。 あの空の向こうには何があるんだろう。どこまでも続く空の先には、どんな世界が待っているんだろう。明確な答えは無い。しかし、その欠片は外人っ娘から読み取れる。 我々現代人にとって外人っ娘とはそういう存在なのかもしれない。

伊月遊 @ituki_yu

最後に、Spirit of Wonderのチャイナさんは俺の嫁であるので注意してほしい。 以上、講義を終了する。