第2章 福島小児甲状腺癌の男女比

cyborg001(@cyborg0012 )さんのツイートをまとめました。 豊富な図表と資料を用いて、論理的にまとめられた論考です。
23
cyborg001 @cyborg0012

今回は、オシドリマコさんが注目されていた「福島の男女比異常」について議論したいと思います(第2章)。 http://t.co/jxl8WmWQW0

2013-11-02 07:27:16
拡大
cyborg001 @cyborg0012

以下の図は要旨です。なお、島薗進さんから「チェルノブイリと福島の年齢層の違いを考慮すべきでは?」という貴重な指摘を頂きました。重要な点ですので、別途後に議論したいと思います(第4章になります)。 http://t.co/NP9YUq1h9w

2013-11-02 07:28:54
拡大
cyborg001 @cyborg0012

まずは基本情報の確認。第12回健康管理検査の発表では、平成23、24年の44人の患者のうち、男子が18人、女子が26人です。男女比は1対1.44人となります。15-19才では1対0.875であり逆転している。 http://t.co/3u5zBT1Erl

2013-11-02 07:32:33
拡大
cyborg001 @cyborg0012

甲状腺癌は女子に圧倒的に多い病気である(性ホルモンが原因と考えられている)。通常、性比は1対3以上であり、女子は男子の3倍以上の発症率である(しかし、予後が悪いのは典型的に男性である。後述)。。 http://t.co/eSxRtF2hhn

2013-11-02 07:35:22
拡大
cyborg001 @cyborg0012

通常の男女比は1対3以上、しかし福島では1対1.44人と男子比が高く、15-19才では1対0・87と男女比が逆転している。これは原発事故による被曝影響と関係があるのだろうか? http://t.co/Gyf7uPrNHn

2013-11-02 07:37:28
拡大
cyborg001 @cyborg0012

児玉龍彦氏が言うように、被曝問題では疫学的エビデンスの集積は患者の利益にならない。疫学的手法よりも「極端な事例」に注目し全体像に迫る「複雑系の解法」が重要となる。福島の男女比の極端さは、注目に値すると考えられる。 http://t.co/NlyECFDniP

2013-11-02 07:42:12
拡大
cyborg001 @cyborg0012

まずは、チェルノブイリ地域などの被曝群と通常群の小児甲状腺癌男女比の違いを確認しておこう。以下図は東京GIGO氏が作成されたものである。被曝群の男女比は1対1から1対2のレンジにあることが分かる。 http://t.co/ugO44iXJMz

2013-11-02 07:44:45
拡大
cyborg001 @cyborg0012

事故前のベラルーシ、ウクライナ、ロシアの男女比と事故後生まれた子どもの甲状腺癌の男女比には、かなり顕著な違いがみられる。チェルノブイリのフォールアウトを受けた北部イングランドでも同様である。福島も同様の傾向を示している。 http://t.co/FAJqlMtb3t

2013-11-02 07:48:00
拡大
cyborg001 @cyborg0012

もう少し詳細に見てみよう。ミンスク国立甲状腺癌センターの症例(原発事故群、医療被曝群、散発群)でも、男女比にはかなり違いが所見される。被曝群の男性比は散発群(被曝なし群)よりも高い(以下図)。 http://t.co/s3Or5B5KfN

2013-11-02 07:50:22
拡大
cyborg001 @cyborg0012

原発事故被曝群の男女比は1対1.88人、医療被曝群は1対0.76、これに対して散発群(被曝なし群)では1対3.7人である。ミンスク国立甲状腺癌センターの統計(Demidchik et al. 2012)を以下に示す。 http://t.co/jrL66gZsJD

2013-11-02 07:53:10
拡大
cyborg001 @cyborg0012

さらに、ロシア(ブリヤンスク、カルガール、ツラ州など)の小児甲状腺癌でも同様の傾向が示される(以下図)。原発事故被曝群の男女比は1対1.5、これに対して事故後生まれた子どもの甲状腺癌性比は1対3.2である。 http://t.co/JDpYo3hbWk

2013-11-02 07:55:24
拡大
cyborg001 @cyborg0012

以下図は、ロシアの被曝群、散発群の性比に統計的に有意な差があるとする論文からの引用である(Abrosimov et al. 2011)。 http://t.co/sXJEh6NIMt

2013-11-02 07:57:40
拡大
cyborg001 @cyborg0012

ウクライナ内分泌代謝研究所の18才以下577人の症例でも、男子比が高い(女子比が低い)傾向にある。0-14才で1対1.5、0-18才で1対2である(以下図は出典)。 http://t.co/e3ZYqc9bT8

2013-11-02 08:00:30
拡大
cyborg001 @cyborg0012

線量反応関係があるかは不明であるが、ウクライナでは高線量地域(35mGy)の男女比が低線量地域の男女比よりも若干高い傾向を示している(以下図参照)。 http://t.co/9tl21vgmIo

2013-11-02 08:02:07
拡大
cyborg001 @cyborg0012

以下図はウクライナの小児甲状腺癌統計の出典である。 http://t.co/obINbKOjJe

2013-11-02 08:03:36
拡大
cyborg001 @cyborg0012

ただし、こうした議論には注意も必要である。通常でも小さな子どもの甲状腺癌では男女比が均等性を示すことは多いからである。その原因は、ランダムな医療被ばくリスク、核施設からのヨウ素放出による癌発症リスクkの同一性などが考えられる。 http://t.co/4wWCQLQkfZ

2013-11-02 08:07:06
拡大
cyborg001 @cyborg0012

被曝群の性比均等性が「本当に被曝影響が原因なのか」は、答えるのに難しい問題である。その証拠に、チェルノブイリ地域では成人の甲状腺癌では男女比の異常は見られない。。 http://t.co/uni0BgDgLS

2013-11-02 08:09:45
拡大
cyborg001 @cyborg0012

以下図は、ベラルーシの一般人口における甲状腺癌男女比の変遷を示している。被曝による「性比の歪み」は存在せず、通常性比と異なってはいない。大人では、「被曝による甲状腺癌では男女のリスクが同一」とは言えないのである。 http://t.co/qOCrbokuvD

2013-11-02 08:12:37
拡大
cyborg001 @cyborg0012

ただし、大人の症例で男女比に歪みが見られないことは、「子ども」の男女比でも「被曝影響は無関係」と考える根拠にはならない。大人と子供では病理形成に相違がある。また、ベラルーシやウクライナの医学者も被曝による男女比異常には注目している。 http://t.co/VAzplP0h1i

2013-11-02 08:16:50
拡大
cyborg001 @cyborg0012

ベラルーシやウクラナイの医学者も以下のように、被曝群の小児甲状腺癌の性比に特異性があることを指摘している(以下図はその引用である)。 http://t.co/9ipiRB5J14

2013-11-02 08:18:50
拡大
cyborg001 @cyborg0012

このように、学理的原因は不明であるが、チェルノブイリ地域の研究者も被曝群のジェンダー比の特異性に注目している。次に、福島に議論を移そう。 http://t.co/2zYN8PSLAD

2013-11-02 08:24:26
拡大
cyborg001 @cyborg0012

以下図は、国立がん研究センター33年間の小児甲状腺癌(0-19才)の男女比の推移である。一貫して女子優位を維持していることが分かる。33年間の平均性比は1対2.88である。 http://t.co/aJqGLc1WJd

2013-11-02 08:27:04
拡大
cyborg001 @cyborg0012

0-19才国立がんセンターの男女比1対2.88に対して、福島の0-21才の甲状腺癌男女比は1対1.44人である。福島では、我が国の通常の男子比よりも男子の比率が高いことが示される(以下図参照)。 http://t.co/NIubSzrEBU

2013-11-02 08:29:53
拡大
cyborg001 @cyborg0012

国立がんセンター、ウクライナ、福島で比較してみよう。三者ともに年齢層は同一である。ウクライナ、福島ともに男子比が高いことが分かる(以下図)。 http://t.co/ql9IkN4fqF

2013-11-02 08:37:29
拡大
cyborg001 @cyborg0012

ただし、福島では15-21歳という「本来女子が急増する年齢層」が多くを占めているので、ウクライナ以上に「性比に歪みがある」と考えられる(以下図)。 http://t.co/WDSQ2Zx1B2

2013-11-02 08:40:11
拡大