町山智浩「サマーウォーズ」映画評をめぐって

ニコニコ動画 町山智浩の「サマーウォーズ」評 http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268746 よりぬき文字おこし http://d.hatena.ne.jp/benitomoro33/20090906/p1 続きを読む
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河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

自分の違和感はそこにあるのではなく、スタンダードを解釈する時、町山さんの思いがバイアスとしてかなりかかっているのではないかということです。そうした(半ば無意識含めた)恣意を含めて、スタンダードだと強弁されている部分が大きいのではないか。 @TomoMachi

2010-10-11 00:13:24
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

町山さんには、具体を積み重ねて行けば真理に辿り着くという信仰のようなものがあるのではないかと、文章や発言を拝見していて感じます。けれど、その具体の選び方や強調の仕方に、既に読み手の恣意が入っている。 @TomoMachi

2010-10-11 00:13:49
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

だからといって、「所詮すべて個々の恣意だ」「人それぞれだ」と居直っては駄目ですが、恣意であることを受け入れて、他者の恣意や角度の入った「スタンダードの読み方」とすり合わせを計り、普遍を目指す終りの無いことと、偏りや不完全への謙虚さは大切だと思います。 @TomoMachi

2010-10-11 00:14:09
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

普遍性の大切さや、真理は一つであることと、それに対する個々の視野や実践の角度が別々であることは矛盾しません。町山さんの、表層を読んで意図を正確に理解した上で、最後は自分の生き方をぶつけるという姿勢には共感も賛同もしますが、→ @TomoMachi

2010-10-11 00:14:34
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

→正直、勢い余って、真実の見方や個々の角度を一元的に押し流してしまおうとされることが多いように感じられます。その強引さを通す時に、前段で積み上げたディティールの迫力が強迫として作用する。 @TomoMachi

2010-10-11 00:14:54
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

町山さん独特の強い思いや願望には、共感したり、魅力を感じたりする部分は大きいし、たとえそれが間違っていても、偏っていても、「魅力的な偏り」だと自分は感じることが多い。 @TomoMachi

2010-10-11 00:15:29
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

だから自分にとって町山さんは学ぶべきことの多い教養人であると同時に、魅力的な間違いをする作家です。 @TomoMachi

2010-10-11 00:15:39
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

ただ、その二つの別々の個性が、曖昧に混じり合ってしまうことが多い。しかもその両方が強力なので、偏りや恣意をそれとして距離をとり、腑分けすることが難しい。町山さん自身も一つであると思い、強引に押し通そうとされる場合が多い。 @TomoMachi

2010-10-11 00:16:03
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

そして、性急に他者を差異化し、正しさと魅力の側に連なるお墨付きを得たいと思う種類の読者と、かなり不健康な関係が出来上がっているとも感じます。だから、僕が町山さんに希望するのは、スタンダードの指向、教育と共に、恣意を恣意として引き受ける厳しさです。 @TomoMachi

2010-10-11 00:16:24
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

魅力的であることと正しいことは別個のことだし、個々が自身の恣意を恣意として引き受けることは、むしろ普遍を意識し、目指す為にこそ重要なことだと思います。 @TomoMachi

2010-10-11 00:23:10
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

今、具体的な事例を通して指摘する時間と余裕が無く、論証抜きの急いだ話になって申し訳ありません。もし必要があれば、後日あらためて書きたいと思います @TomoMachi

2010-10-11 00:23:38
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

一つだけ挙げれば、例えば『サマーウォーズ』評にはスタンダードではなく、カウンターカルチャー的(イデオロギー批評的)なバイアスを強く感じました。@TomoMachi

2010-10-11 00:23:53
町山智浩 @TomoMachi

わかりました。以後、それを肝に銘じていきます。誠意あるご指摘本当に感謝します。@hitokirigoro

2010-10-11 00:24:25
町山智浩 @TomoMachi

そりゃもうバリバリにそうです。監督には「儀式」とか観て勉強し直して欲しいです。@hitokirigoro

2010-10-11 00:29:50
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

そう認めていただけると、一気にに風通しが良くなって楽しくなります。 @TomoMachi そりゃもうバリバリにそうです。監督には「儀式」とか観て勉強し直して欲しいです。

2010-10-11 00:39:25
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

僕は地域や家族の縛りが強烈だったド田舎の生まれですが、今の田舎ってそうした窮屈さを維持する力はもう無くて、ある意味都市部以上に寂しく、孤立している印象もあります。@TomoMachi

2010-10-11 00:41:54
町山智浩 @TomoMachi

アジア人が家長制に抑圧されてきた歴史を知らない監督には、それがただ素晴らしいものにしか見えず、その伝統に逆らう者は子どもにしか思えないのでしょう。@hitokirigoro

2010-10-11 00:42:35
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

サマーウォーズのような旧家も、家族や親せきの繋がりが密だった時代の核だったじいさんばあさんがいなくなると、やがてああして集まることさえ少なくなると思います。@TomoMachi

2010-10-11 00:44:05
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

家父長制や、出入りの少ない地域共同体の淀みが強力だった時代、都市文化やメディアに染まった若者と地域の大人の軋轢は強烈でしたが、今の田舎はそうした頑固ささえ、必要に迫られて維持できなくなっています。だから、存外に若者の受け入れに寛容です。 @TomoMachi

2010-10-11 00:49:26
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

一方、共同体の縛りを忌避した若者が、「自分の為」「合理的成功の為」に生きることの不毛と閉塞も、現在の問題として浮かび上がっている。だから、かつて家父長制を批判し反抗した映画と、サマーウォーズのような映画を、二択では斬れないと僕は思います。@TomoMachi

2010-10-11 00:53:43
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

僕はサマーウォーズが、繋がりをテーマとして掲げるわりに、家族の残滓という在りものへの郷愁以外に、前向きなディティールが提示されていないことに不満はあります。@TomoMachi

2010-10-11 00:56:00
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

けれど他方、自分と合理的成功のために生きることへの懐疑、ネットというブラックボックスに普通の人が感じる漠然とした不安や孤独に、実態的な身内の繋がりを対置する試み自体は、かなり成功していると思います。それは郊外のシネコンの観客の熱の中で実感しました。 @TomoMachi

2010-10-11 00:59:09
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

特権的な人間がコネで問題解決という部分への違和感も、あの膨大な手書きの手紙の束と、藤純子のゆったりとした語り口の説得力が支えている。「持てる者の義務」「繋がりがあっての心意気」を称揚する映画があっても良いと思う。 @TomoMachi

2010-10-11 01:04:03
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

持たざる人間の知恵と勇気と意地を描く映画を僕も好きですが、特定の弱者やマイノリティに意味を与えること(ここからここまでが意味ある弱者だと腑分けする事)も、別の権力(それも名分があるだけ無反省な)を孕むと僕は思います。  @TomoMachi

2010-10-11 01:07:37
河田拓也(三文文士) @hitokirigoro

家族や共同体への回帰志向については、これまでの負の歴史を充分に学ぶ必要があると思いますが、逆に世の中がどれだけフラットになっても、人はまず身内を他から差別し、身内の為に生きるという自覚は必要だとも思う。「政治的な正しさ」と曖昧に繋がった→ @TomoMachi

2010-10-11 01:11:58
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