[公開読書]サードプレイス —コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」―【第11章〜第12章】
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[公開読書]サードプレイス —コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」―,2013, レイ・オルデンバーグ:著, 忠平美幸:訳, マイク・モラスキー:解説, みすず書房 http://t.co/tCSjVrDWeY 原著→The Great Good Place:1989
2013-11-07 02:31:02第三部(P324〜)
第11章 厳しい環境(ハビタット)(P324〜P365)
旧時代の残滓のなかに
第三部 第11章 厳しい環境(ハビタット) 旧秩序の残滓(残りかす)のなかに 「現代の都市環境は、単機能の役割を果たす者としての人びとに、必要なものを提供する。それは人をクライアントや客、労働者、通勤者に変え、人間になる機会をほとんど与えない。
2013-11-07 02:31:24人を締めつけ、拘束する。一つの場所で一種類の活動しか許さず、効率の名のもとに(誰のため?)それ以外の活動を阻止する。ようするに、都市環境は、昔よりはるかに人間の要求に応えることが少なくなっている(P330)」。
2013-11-07 02:31:34都市環境の急速な変化の要因は2つ。 1つは建設予定の施設の利用者の声を取り入ず進める事。2つ目は技術の問題。人間に適した環境を作り出す能力の欠如による。癪に障るのは、消費主義者はサードプレイスの意義を昔の古い居酒屋の様なものとしてみる事だ。しかし、必要なのは過去ではなく場所である
2013-11-07 02:31:43放し飼いの終わり?
放し飼いの終わり? 鶏の管理のように、人間は都市で管理されて生きている。重要なのは、私達が都市を自由に歩けなくなった事。私たちは一つの独房(家)からもう一つの独房(職場)まで、独房(通勤手段)を使って移動する生活を送っている。管理に依存し、それが自ら臨んでいる事だと勘違いをしてる
2013-11-07 02:31:52トレードオフ
トレードオフ アメリカ人は公的の領域を捨てて私的引きこもりを取った。市民の関心は広々とした住居に注がれた。20世紀半ばには、それまで共用の施設だった娯楽や設備(P341に例)が個人の消費と利用の対象になった。投資による欲望は際限がなく、不満解消の為に人々は更にお金を使う事になった
2013-11-07 02:32:02管理された誤配置
管理された誤配置 場所や施設の機能を1つに限定することは、多くの生産活動にとって有益だが、単機能のものが沢山ある事で社会は細分化され、孤独や疎外を生み出した。昔は家から歩いていける距離にモノやサービス、娯楽、集いの場があったが今はない。職場の問題は家庭に持ち込まれるようになった。
2013-11-07 02:32:21また、自動車は単機能の都市の中で有効に機能した。自動車は誰でも持っていたし、あらゆる地点を結びつけられたからだ。すると、今度は自動車混雑が起こるようになった。駐車場も増えた。すると、そのために広大な土地を使い尽くさなくてはならなくなった。
2013-11-07 02:32:40細分化された都市は施設間の関連性がないので、中間の場所としてのサードプレイスは適さない。だから、もともとあった居酒屋などはごく少数の通勤者にしか活用されなくなった。 郊外のショッピングモールには、集まる人は互いに遠くから来ているので顔見知りは出来ず、集いの場にはならない。
2013-11-07 02:32:57空間が単機能化していると、生活時間に対する考え方も変わってくる。仕事と家の往復の生活だと、時間は仕事と家のことに費やすようになる。しかし、自分たちの都市を楽しんでいる人々は、社交とコミュニティの時間もあるのである。
2013-11-07 02:33:11ジェーン・アダムズの不満
ジェーン・アダムズの不満 ジェーン・アダムズ(米の社会事業の先駆者)は、市当局が健全な娯楽のための空間や施設を用意しなかったことと、キャバレーに対する適切な管理を怠っていることに不満を持っていた。自治体は、健全な遊びと社交的なくつろぎの場と雰囲気を積極的に提供すべきである。
2013-11-07 02:33:21「お出かけ」の経費
「お出かけ」の経費 アメリカの都市ではお金を使わないと楽しみや満足が得られなくなってる。商品の提供者は、とれる時にとれるだけお金を搾り取る事を考えたサービスを提供している。若者はより餌食になりやすい。ところで、他方でサードプレイスはその様なサービスを提供する所にはならないのか?
2013-11-07 02:33:31サードプレイスの店主は「うずうず(=店で提供できる何もかもを利益に変えたくてたまらない気持ち, P363)」を抑えることができて初めて、長い目でみて成功を収める。客を喜ばせる対応を心がけたサービスと儲けのためのサービスでは、客の寄り付き具合が違う。客はそこが楽しいかを気にするのだ
2013-11-07 02:33:40第12章 男女とサードプレイス
【 注 意 】著者の女性に対する認識が「古い」としか言いようがないと思う。たとえば、第二版が刊行された1990年代半ばなのに、オルデンバーグがいまだに専業主婦を念頭に入れて論を進めているという印象を受ける。男性と同様に毎日通勤している女性のサードプレイスを考える際、暇そうにお茶会をやったり、テニスクラブに通ったりしている主婦ばかりを事例に挙げるのでは、さほど参考にならないだろう(マイク・モラスキー, P473)。
女性のためのサードプレイス
第12章 男女とサードプレイス 女性のためのサードプレイス サードプレイスは伝統的に男性優位だった。理由は3つある。1つ目は、男性は個人として集まりを訪れる事が出来るが、女性はたいてい子連れなので、子供から目を離す事が出来ない。母親の役割から解放されないので羽目を外す余裕がない。
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