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茂木健一郎 @kenichiromogi
連続ツイート第1087回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところの流れと打ってかわって、パースペクティヴな話!
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(1)あれは、私がまだ大学院で生物物理学をやっていた頃のこと、ポーランド経由の安フライトで、ロンドンに遊びにいった。南イングランドに行って、サウス・ダウンズ・ウェイを歩いていたら、赤いポピーの花が風に揺れていた。そして、今でも忘れもしない、「ワシントン」という小さな村に来た。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(2)その村の入り口には、お馬さんがいて迎えてくれた。ちょうど、日曜の昼下がり。せいぜい数十軒しかないその村の真ん中に、パブがあった。イギリスでは、どんな小さなところにもパブがあって、ビールや簡単な料理を提供してくれることが多い。そのパブのドアをぎいと開けて入ったと思いねえ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(3)ドアをあけて、びっくりした。パブの中にあったのは、映画「モーリス」の世界。美青年たちが、そろいのブラックスーツを来て、白いシャツをぱりっと来て、中で談笑していたのである。なんじゃあ、こりゃあと私は思った。イギリスの田舎が侮れないと実感した体験である。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(4)今思えば、そのコミュニティはイギリス南部の金持ちがすんでいるところで、日曜の教会のあとか何かだったのだろう。いずれにせよ、この記憶がいつまでも忘れられないのは、そこに、日本のこれからのいろいろなことを設計していく上での、ヒントが隠されているように思うからだ。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(5)ところで、人間の根本的な欲望って、何だろう? 知る、という好奇心もその一つ。その好奇心を満たすためだったら、今や、ネット上にいくらでもリソースがある。よくいわれるように、大学なんかいかなくたって、最先端の学術情報から一流の講義まで、無尽蔵に学びのたねがある。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(6)それでも、人はなぜ大学に行こうとするのか。そこには人間の、根本的な欲望があると思う。それは、「居場所」を見つけたいということ。実際、ぷーたろーをやっている若者なんかと話していると、彼らが求めているものは、お金よりも何よりも、まずは「居場所」だということがわかる。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(7)イギリスの田舎に行って豊かだと思うのは、パブという「居場所」があることで、そこに地元の人が集い、ビールをのみ、談笑する。文化の蓄積がある。「何もない」と途方にくれることがない。「居場所」の設計は、パブや大学に限らず、普遍的なことなのではないか。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(8)趣味のサークルや、カルチャーセンターの受講生仲間や、同好会など、「居場所」として機能するコミュニティがいくつかある。それは、必ずも物理的なものではない。そこに行くと仲間にあえる、自分の存在を確認できる、何よりも関係性を育むことができる。それが「居場所」である。
茂木健一郎 @kenichiromogi
いつ(9)日本の「居場所」設計は、まだまだ工夫が足りない。かつては、銭湯がそのような居場所の機能を果たしていた。今ではスタバとかマクドもそうだろうか。国土の均衡ある発展は大きな課題。田舎の小さなコミュニティほど、イギリスのパブのような豊かな文化の蓄積した「居場所」が必要だと思う。
茂木健一郎 @kenichiromogi
以上、連続ツイート第1087回「居場所を、つくろう」でした。

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