[公開読書]サードプレイス —コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」―【第13章〜解説】

サードプレイス —コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」― http://www.amazon.co.jp/dp/4622077809/ 2013年10月25日初版 みすず書房 続きを読む
1
白川陽一 @shirasan41

[公開読書]サードプレイス —コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」―,2013, レイ・オルデンバーグ:著, 忠平美幸:訳, マイク・モラスキー:解説, みすず書房 http://t.co/tCSjVrDWeY 原著→The Great Good Place:1989

2013-11-09 12:44:28

第13章 若者を締め出すということ(P414〜P446)

若者のいないコミュニティ

白川陽一 @shirasan41

第13章 若者を締め出すということ 若者のいないコミュニティ 住宅地が孤立した家庭生活の場になり、職場を代表とした場に人々は代替を求めた。そしてそれは世代間に距離を作るようになった。家庭は子供を地域で見守るという環境を失い、今の子供はテレビや音楽、電話等で一人で過ごす時間が増えた

2013-11-09 12:44:42
白川陽一 @shirasan41

「コミュニティ解放論」を人々は熱狂的に受け入れた。それは場所から定義されず、一個人の繋がりの蓄積から定義される。彼らは地理的に近い事より、もっと合理的&個人的に自由に友達を選ぶ事が社会の進化形であり、その様な「ネットワーク」をもってる者は世界主義者(コスモポリタン)だと思っている

2013-11-09 12:44:49
白川陽一 @shirasan41

コミュニティは個人の出入りで作られるのではなくそれ自体が集合的実在個人コミュニティは次の点で支持された。1つはこの考えを採ると生活細分化の都市で私達は発展可能なコミュニティを持てるという点。もう1つは各々をコミュニティの中心に据える事で自在性を獲得し、仕事の成果を最大にできる

2013-11-09 12:44:56
白川陽一 @shirasan41

ネットワークによるコミュニティは子どもを更に遠くに追いやるし、それが実現するコミュニティはエリート主義(互いに役に立つと思ってる者同士の結びつき)なので子供や老人は加入できない。では親のネットワークはどうかというと、子育てのコミュニティを提供しない所も多かった。これは問題である。

2013-11-09 12:45:04
白川陽一 @shirasan41

ネットワーク研究本にも「個人コミュニティあるいは解放されたコミュニティをより充実させようという向きに、子どもはそぐわない(P420)」事を述べている。それはアメリカ人の理想が「チャイルドレス(子どもがいない)」から「チャイルドフリー(子どもをつくらない)」に変化した事からも分かる

2013-11-09 12:45:12
白川陽一 @shirasan41

「住宅地の無菌化につづいて、二種類のコミュニティが出現した。職場とネットワークである。どちらも子どもを目の敵にし、子どもの居場所がない。複数の世代を一つのコミュニティに統合できない社会は、長い目でみて、どれだけ発展の可能性があるだろうか?(P421)」

2013-11-09 12:45:19

「行き場がなく、することがない」

白川陽一 @shirasan41

「行き場がなく、することがない」 ウィリアム・レヴィット(8章参照)のまちの事例は、若者がコミュニティから締め出されるよい事例だ。ほとんどの郊外住宅地と同様、レヴィットタウンも若い親向けに設計されていた。子供達は放課後に仲間と遊びたかったが、行き場所がない。しかも選択肢も少ない。

2013-11-09 12:45:30
白川陽一 @shirasan41

青年が集える数少ない場所は水泳プール、ショッピングセンター、ボウリング場だったがどれも遠く離れていて行けない。しかもお金がかかりすぎる。そもそも大人がいない時だけしか場所は自由に使えないし騒ぐと迷惑がかかる。その後レヴィットタウンの大人は対策を考えたがついに合意を得られなかった

2013-11-09 12:46:12

スケジュール管理者に気をつけろ

白川陽一 @shirasan41

スケジュール管理者に気をつけろ 大人は、子どもの才能を習い事という形でスケジュール管理し始めた。そのために子どもの自由なたまり場が餌食にされていることにも気づかずに。子どもの遊びは大人の支配下にある「スポーツ」になった。今日、子どもの鬱病が増えているようである。

2013-11-09 12:46:25
白川陽一 @shirasan41

子供の生活を組織化しすぎると、大人は子供をより安全な場所に押し込むので、街路等の公共空間は更に衰退する。しかし子どもが溢れる公共空間の実現は、大人にとっても安全であるはずだ。 また、大人が子供の活動を抑制すればするほど、配慮の領域が地域内の子供から自分の子供だけへと狭まってしまう

2013-11-09 12:46:37

民族の絆が失われて

白川陽一 @shirasan41

民族の絆が失われて 子どもと大人が混じり合ったコミュニティの衰退の具体的事例として、アメリカ東海岸のスラヴ系民族居住地にある「ポーリャ・クラブ」がある。そこに住んでいた多民族のための施設だった場所は、今はもう世代間の緊密なつながりがあるコミュニティではなくなった。

2013-11-09 12:46:48

ユース・バー

白川陽一 @shirasan41

ユース・バー 1970〜75年の間に全米50州のうち28州が法定飲酒年齢を21→18歳に引き下げた。ここから、ユース・バー(とくに若い飲酒者に酒食を供する店)が流行り始めた。ほどなく飲酒年齢の引き上げが再度法令化されたが、ユース・バーの場所としての一般的特性はそのまま残った。

2013-11-09 12:46:59
白川陽一 @shirasan41

「ユース・バーがもたらした結果の一つは、多くの人びとに、バーは概して主に若者と独身のためのもの、と納得させたことだ(P436)」。バーは、以前より無害で楽しい隠れ家と思われる様になった。しかしここも利益主義に飲み込まれ、サードプレイスとしての飲酒店の可能性にダメージが加わった。

2013-11-09 12:47:06

子ども専用

白川陽一 @shirasan41

子ども専用 世界各地の子ども専用に作られた場所・施設の利用状況を観察してみると、結果は芳しくないことが多い(例:西ドイツ、イギリス、オーストラリア、アメリカ各地)。ちなみに、レクレーションに関する調査を紐解いてみると、本来レクレーションには場所が必要ないということが分かっている。

2013-11-09 12:47:18

ショッピングモールでの基礎訓練

白川陽一 @shirasan41

ショッピングモール(SM)での基礎訓練 SMが普及すると、十代の若者がたくさん押し寄せた。若者とSMの適合性の調査をすると、彼らは「お金を使う」という価値観を支持する事が分かった。TVCMが消費主義の幼稚園だとすると、SMは買い物の仕方を学ぶ、彼らにとっての消費主義の大学となった

2013-11-09 12:47:28
白川陽一 @shirasan41

SMは「消費活動」「受動性」を提供する。お膳立てされた環境に自らを合わせるように仕向けるのだ。また「借り物の思いやり(すべてあなたのためにするんですよ!)」も提供する。そこにいれば子どもは面倒を起こさないのだから、大人はSMに喜んで賛同する。

2013-11-09 12:47:38