あの日みたのは幽霊でした いつでもそこに佇んでいて うそみたいな、本当でした えっと名前はありますか? おどろいたのは幽霊でした (あなた、私がみえるの?!?!) (やっぱり見えちゃマズイかな?)
2013-11-14 01:11:05かおりさんは、どうしてここに? きかないでよ。私が知りたい位よ くるしかったですか、死ぬのって けいけんしてみれば?意地悪な顔 これでも幽霊なんだから呪うわよ (怖い顔をしてみても、可愛いです) (やめて!私にも威厳があるのよ!)
2013-11-14 01:20:13さて。私が見えるなら協力なさい しんだ理由を、知りたいのよ私は すぐにとは言わないわ。でもね、 せめて、死んだ理由は知りたいの そうしなきゃいけない気がするの (だから、私に力を貸してちょうだい) (僕が、貴女の死んだ理由を探します)
2013-11-14 01:28:05たどれるだけの新聞をたどった。 ちいさな記事にも目を通したけど ついに、死亡記事は、見つからず てみやげなしで彼女の元を訪れた とても悲しそうな顔をしていた。 (もう少し頑張らせて下さい) (無理は、しないでいいから)
2013-11-14 01:32:00なきだしそうな、顔だったから にやりと笑った。泣けるの?と ぬぅ、と近寄って来た彼女は、 ねぇ本気で言ってるの?と怒る のんびりとした口調で答えた。 (かおりさんには笑って欲しいんですよ) (ばかね。私は幽霊なのよ、忘れないで)
2013-11-14 01:52:38はぁ、とため息を吐くかおりさん ひさしぶりに呆れたわよ。全く。 ふざけすぎ。まるであいつみたい へ?僕が聞くと、ああ、と。彼女 ほらふきの幼馴染で腐れ縁の奴よ (その人なら何か知ってるはずです!) (…!そうね!思い出せて良かったわ)
2013-11-14 01:59:53まって、でもその人の名前は? みちる。森みちる。聞いた僕は むせかえった。大丈夫?と彼女 めが回ってきた。だってその人 も、森みちるは僕の父さんです (君の、おとう、さ、ん…?) (…はい。今は病院に居ます)
2013-11-14 02:07:59やめて、あいたくないわ (いえダメです。逃げちゃ) ゆうれいなのよ、あたし (ええ、でもきっと大丈夫) よくもそんな適当なこと (大丈夫です、僕の父さんですから) (ああ、もう。そっくりよ、その顔)
2013-11-14 02:11:33らんぼうな勢いで病室に入った りんごを頬張る父と目が合う。 るり色のブランケットを林檎が れろれろと舐めていく。落ちた ろまんちっくとは、程遠い再開 (か、かおり?!なんで、お前?!) (やっぱり、ねぇ。言ったでしょ?)
2013-11-14 02:19:20わんわん泣き出した、かおりさん を、慰める父さん。僕は、ぼうか ん。これで大丈夫だ。病室を出た (きっとこれでかおりさんは成仏する) (父さんが、言っていた。初恋の人は) (何も言えず仕舞いで亡くなった、と) (きっと、想い合っていたんだろうな)
2013-11-14 02:25:39ゆきが降り始めた頃でした うかない顔をした、幽霊と れいかんのない僕があって いとも簡単に仲良くなった とはいっても。彼女は幽霊 ぼんやりとした関係でした くりすます前に彼女は成仏 (そんな物語、でした) (おしまい、おしまい)
2013-11-14 02:30:59