鋼屋ジン先生より鉄底海峡突破 武蔵記念SS

まとめます。
5
鋼屋ジン @J_hagane

――ひと 一番古い記憶は、熱い。

2013-11-14 20:07:39
鋼屋ジン @J_hagane

――ふた 次に古い記憶は、寒い。

2013-11-14 20:07:53
鋼屋ジン @J_hagane

――み よ いつ 気づけば、私は漂っていた。 ここが何処かはわからない。

2013-11-14 20:08:17
鋼屋ジン @J_hagane

――む なな や ここの たり 冷たい水と暗い海底の狭間を。 死の静寂に抱かれて。

2013-11-14 20:08:42
鋼屋ジン @J_hagane

――ふるべ 何処までも。 何処までも。 流れて。流れて。

2013-11-14 20:09:06
鋼屋ジン @J_hagane

――ゆらゆらと ゆらゆらと。 流れて。流れて。

2013-11-14 20:09:26
鋼屋ジン @J_hagane

皇紀二六××年 十一月×日 所属不明艦 独白ス

2013-11-14 20:10:05
鋼屋ジン @J_hagane

この身を灼く火の熱さを憶えている。 この身を呑み込む水の冷たさを憶えている。

2013-11-14 20:10:31
鋼屋ジン @J_hagane

苦痛であったはずだ。 無念であったはずだ。 しかし私の心は、波の立たない海のように静かだ。

2013-11-14 20:10:56
鋼屋ジン @J_hagane

私は既に死せるものであり、何も〝無い〟ものなのだから。 苦痛や無念…そういった所謂〝怨嗟〟というものは、きっと何処かに置き去りにしてしまったのだ。

2013-11-14 20:11:20
鋼屋ジン @J_hagane

だから、ずっと漂っていても良かったのだ。 誰に知られることもなく。 ゆらゆらと。ゆらゆらと。

2013-11-14 20:11:50
鋼屋ジン @J_hagane

ただ少しだけ寒いと思ってしまったのだ。 気づけば心は、光を求め。ぬくもり求め。 みなもの上に浮かび上がり。

2013-11-14 20:12:14
鋼屋ジン @J_hagane

ああ。私は目にしたのだ。 水平線の向こうに、陽の光に照らされて輝く、美しい艦たちを。

2013-11-14 20:12:32
鋼屋ジン @J_hagane

そして、私はようやく取り戻した。 苦痛。無念。つまりは、私の怨嗟を。 ああ、ねたましい。 私にもお前達のような「  」がいれば、きっと、こんなことにはならなかったのに。

2013-11-14 20:13:11
鋼屋ジン @J_hagane

怨嗟は一気に燃え上がり、私を満たして。 しかしそれは熱となって、命を生み出す。

2013-11-14 20:13:46
鋼屋ジン @J_hagane

眠れる和魂と喪われた荒魂が融け合い、完全に調和する。 もう一度還れるのだ。あの蒼い海の上に。

2013-11-14 20:14:16
鋼屋ジン @J_hagane

わかっている。 満身創痍の、この美しい娘たちが差し伸べた手を取れば、待っているのは新たに繰り返す怨嗟。争いの連鎖だ。

2013-11-14 20:15:00
鋼屋ジン @J_hagane

だがこの命のぬくもりと、暁の水平線を忘れないでいられるならば。 私達はきっと、この世の終わりまで戦い抜けるだろう。 だから、私は差し伸べられた手を――

2013-11-14 20:15:39
鋼屋ジン @J_hagane

「フッ、随分待たせてしまったようだな……」

2013-11-14 20:15:52
鋼屋ジン @J_hagane

皇紀二六××年 十一月×日 聯合艦隊ハ 所属不明艦ヲ 大和型二番艦 武蔵ト認定 ――我 鉄底海峡ヲ 突破セリ

2013-11-14 20:16:29

--おまけ

鋼屋ジン @J_hagane

おっしゃああああああああああああああああああああああ!

2013-11-10 16:03:38
鋼屋ジン @J_hagane

特にドラマチックでも何でもなく 大井っちが ふつうに なぐりころした (北上出番なし)

2013-11-10 16:05:35
鋼屋ジン @J_hagane

はい、これが、大井っちが敵ボスを安定の二連撃で、普通に殴り殺した末に手に入れた武蔵です。 http://t.co/X3rV1ucHSy

2013-11-10 16:07:24
拡大