ノルンのレース四方山話 その1「実は深いライダーとチーフエンジニアの関係」

ノルン・K・アルトレーネ @Norn_K_Altlene

さて……、今夜は少しお話をひとつしてみようかと思うのです。

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バイクレースのほうはほとんどレースも終わってしまってシーズンオフ、MotoGPはしばらくテスト禁止期間が始まってしまってしばらく新しい話題も入ってこないのでちょっと寂しいのです。

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そこで、シーズンオフの暇つぶし、というわけではありませんけど不定期にレースにまつわるよもやま話を、MotoGPを中心に、たまにはF1やSUPER GTも交えながらしてみようと思うのです。題して「 #ノルンのレース四方山話 」なのです。

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記念すべき(?)第一回目は、一応タイムリーな話題ということで、「ライダーとチーフエンジニアの関係とチーフエンジニアのお仕事」について、MotoGPの例についてをお話したいと思うのです。 #ノルンのレース四方山話

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まずはどうしてこの話題がタイムリーかといいますと、先日今年の最終戦をもって、ヤマハのV.ロッシ選手が長年コンビを組んでいたチーフエンジニアのジェレミー・バージェスさんとのコンビを解消することになったからなのです。#ノルンのレース四方山話

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まずはこのバージェスさんがどういう人かから説明しようと思うのです。#ノルンのレース四方山話

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バージェスさんはかなりベテランのエンジニアの方で、過去にフレディ・スペンサー、ランディ・マモラ、ロン・ハスラム、ミック・ドゥーハン、そしてロッシ選手と組んできた、2013年現在GPで働く人の中で「一番タイトルを獲った人」と呼ばれるほどの人なのです。#ノルンのレース四方山話

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今年ロッシ選手がヤマハに復帰してもなかなか成績が以前のように回復せず、新しいことをやってみようということで今回のお話に至った、というわけなのです。#ノルンのレース四方山話

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で、そのチーフエンジニアの具体的なお仕事内容なのですが、簡単に言うと「各分野のエンジニアのまとめ役」といったところでしょうか #ノルンのレース四方山話

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今のマシンはどのカテゴリーでもとても高度に進化しているので、セッティングなどでいじる時にはエンジンはエンジン、フレーム系統はフレーム、電子制御は電子制御といった具合に完全な分業制になっているのです。その総指揮の役がチーフエンジニアなのです。#ノルンのレース四方山話

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チーフエンジニアの最大のお仕事は、走り終わったライダーからコメントを聞くこと、といってもいい気がするのです。こんな光景ですね。http://t.co/5E0WCGe7ZL #ノルンのレース四方山話

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今のGPマシンはセンサーだらけなので走行時の情報は数え切れないほど収集されていますが、バイクの場合「ライダーの体勢」というデータを採りにくい大きな要因があるのです。そのため、今でもライダーの「感覚」というものがマシンを速くするのに重要なのです。#ノルンのレース四方山話

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そのライダーが走っているときに感じた感覚と収集されたデータを突き合わせて、さらに速くするセッティングを導き出し、各専門のエンジニアに指示を出す、それがチーフエンジニアのお仕事なのです。#ノルンのレース四方山話

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感覚的な要素が今でも根強いMotoGPのセットでは、ライダーの「スタイル」というものがセッティングにより強く出る傾向があるのです。コーナリングを例にすれば、コーナーへ飛び込んでいくスタイルか、旋回時の速度を殺さないスタイルかで大きくセットは変わるのです。#ノルンのレース四方山話

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このスタイルを十分に理解しておくことも当然ながらチーフエンジニアのお仕事なのです。そうですね、奥さんなら旦那さんがどういうお味噌汁の味が好きかよく知っておかないといけない、みたいな感じでしょうか? ちょっと違いますね……。#ノルンのレース四方山話

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というわけでレースでの速さを決める上で責任重大なチーフエンジニアのお仕事なのですが、最近はいろいろと変わってきているようなのです。#ノルンのレース四方山話

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というのが、今のGPマシンはセンサーだらけ、とさっきお話しましたけど、当然ながらそのセンサーの情報を使ってマシンの制御をデジタルにきめ細かく行うので、もはや走って戦うコンピューターといっても過言ではないような状態なのです。#ノルンのレース四方山話

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ここ数年で急激に進歩していて、特に一番進歩しているホンダはマシン自らがコースでの現在位置と姿勢を把握し、最高のパフォーマンスを発揮することができるようにエンジンやトラクションコントロールを制御しているのです。なんでもASIMOの技術の活用とか…… #ノルンのレース四方山話

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もはやバイクの形をしたロボットって言ってもいいのかもしれないのです。―――そのうち喋りはじめたりして。あ、脱線だったのです。 #ノルンのレース四方山話

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そんな電子制御の塊になった結果、今まではエンジンなどの機械的な部分の調整がメインだったセッティングが、コンピューターをマシンに繋いで各種コントロールのプログラムの書き換えがメイン、という風に大きく変わってきたのです。#ノルンのレース四方山話

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こう大きく様変わりしてしまうと、さすがのベテランエンジニアもついていけない、ということになってきたようで、その辺りがロッシ選手のマシンのセッティングが煮詰まらない理由なのではないか、というのが今回の交代劇の理由のひとつだと思うのです。#ノルンのレース四方山話

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ただ、技術的な部分だけがエンジニアを決める要素なのかというと、それはまたちょっと違うのです。#ノルンのレース四方山話

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実はバージェスさんは、以前はホンダのワークスチームのレプソル・ホンダでチーフを務めていたのです。その時に鳴り物入りで加入してきたのがロッシ選手だったのです。#ノルンのレース四方山話

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そこでコンビを結成して、ふたりはGPでタイトルを順調に獲得していったのですが、実は後々ロッシ選手とホンダの関係が冷え込んでしまい、ロッシ選手は心機一転ヤマハへの移籍を決めるのです。#ノルンのレース四方山話

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このロッシ選手のホンダからヤマハへの移籍のお話もいろいろとあるのですけど、それを話し始めると収拾がつかなくなってしまうので、またいつの日にか、なのです。#ノルンのレース四方山話