先日知り合ったミリタリー業界の黎明期から活躍する御大と話したところ、以前は戦闘帽をはじめ日本軍物をよく作って、あちこちに卸していたんだそうだ。
2013-11-19 15:44:10複製の場合、型だの、紙の資料だのと揃えるべきものは多いし、糸一本にしたところで当時物の規格と現在のものは往々にして異なり、どれが代用として最良であるかもわからなければ複製などしようもない。
2013-11-19 15:45:20「うちの爺さんがよ、戦時中、赤羽の被服本廠に勤めててよ。終戦時に帽ジュだ、脚絆ジュなんかをロールで持ってきて、ミシンも本廠のヤツ。糸なんかもしこたまあったわけ」
2013-11-19 15:51:51「そうだよなぁ。いちおう気を使って検定印は押さなかったけど、収めた先でハンコ作って押しちゃって、いまもイーベイとかで「実物」なんていって売られてるみたいね」
2013-11-19 15:54:11被服本廠の係長だったという彼の爺さんも、いまでいうマニアに近い感性と、戦後の商売の為にいろいろと自宅に持ち込んでいたようで、当時の仕様書や書類も相当持ち帰っていたらしい。
2013-11-19 15:57:10数が減ったとはいえ、いまでも当時の資料が溢れるという御大宅の押入れの検索に近々伺おうと考える。しかし、この当時の界隈は非常に面白いこととなっていたらしい。
2013-11-19 15:58:21近所の製鋼工場の敷地には旧軍のテッパチが大量に放置され、昭和30年ごろでも戦時中のひび割れ、プレス不良などの不良品が延々と野積みにされていたそうな。
2013-11-19 15:59:55しかし、そこでもさすが筋金入りのマニアである。「野積みされてる中にも90テッパチと防空テッパチがあってよ「戦時中の余りを警察用に再整備する」って話だったんだけど、これがいい小遣い稼ぎになったw」という。
2013-11-19 16:02:36関西の古株マニアの話でも「近所にあったテッパチ工場の敷地内に大量のテッパチが戦後も置かれていて、これらを戦後、警察向けに転用した」という証言があったのだが、今回の話しから東京でもそれが行われていたという証言が飛び出した格好である。
2013-11-19 16:05:09警察ヘルメット研究の上ではどうやらテッパチに関しては「旧軍から保管転換された」という説が有力と考えられていたが、「旧軍向けの未納入品を戦後警察向けに再整備して納品した」という説が有力になってきた雰囲気。
2013-11-19 16:08:25で、こうして納品されたと考えられるテッパチだが、平成に入ってからも都下の「ハコ」では、「ロッカーの上に4個置かれててよ、左から90、防空、新型、新型だったもんな!」。新型ですか?「M1ね!」という防弾ヘル事情だったそうな。
2013-11-19 16:10:26しかし、普通の警官に「90テッパチと防空テッパチ」の違いなど分かるのだろうか?「俺の場合、旧軍装備は一通り揃えたから間違えない!」なかなか信憑性のある証言である。
2013-11-19 16:14:20