茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1096回「議員は、ロボットじゃない!」

脳科学者・茂木健一郎さんの11月21日の連続ツイート。 本日は、今朝のニュースを見ながら、考えていたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1096回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝のニュースを見ながら、考えていたこと。

2013-11-21 07:36:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(1)秘密保護法案をめぐる報道が続いている。どうもしっくり来なくて、いろいろ考えていたら、あっ、そうか、前提になっている構図が違うんだ、と気づいたので、そのことを今日は書きたいと思う。ところで、「間接民主制」とは、一体、どのような制度であったろうか?

2013-11-21 07:38:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(2)間接民主制で、なぜ一人ひとりの「議員」を選ぶのかと言えば、実質的な議論をし、最後はその人それぞれの理性、経験、直観に基づいて個々の案件について判断する、そのプロセスを重視するからであろう。その意味で、私たちは政党を選んでいるのではなく、生身の人間を選んでいる。

2013-11-21 07:40:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(3)「秘密保護法案」をめぐる報道で、よくわからないのが、「与党対野党」という構図が、あらかじめ設定されていることだろう。そのように整理すると、わかりやすいことは理解できる。しかし、わかりやすさは、時に、知性の怠惰である。特にマスコミは、気をつけた方がいい。

2013-11-21 07:41:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(4)「安倍政権が」というが、今回の法律案は、安倍さんが一字一句書いたものじゃないだろう。「自民党が成立を目指す」などと言っても、自民党という人間がいるわけではない。実際には、官僚機構の中から法律案は上がってきたのだろうし、それなりの実務的経緯があるのだろう。

2013-11-21 07:42:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(5)この問題についての報道が、よくわからないと思うのは、「安倍政権が成立を目指す」とか、「自民党の案」みたいな言い方で、本当はそこにいるはずの一人ひとりが見えてこないからだろう。ぼくがもし議員で、この法案に賛成か、反対か、と聞かれたら、よく調べてみないとわからないと答える。

2013-11-21 07:43:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(6)何度も書いているように、「秘密保護法案」のようなことが問題になっているのは日本だけでなく、イギリスもアメリカもそう。だから、本当は、国際的な視野に立って、そもそも政府って何か、秘密とは何か、というようなことについて徹底的に考察しないと、法案に賛成も反対もできない。

2013-11-21 07:44:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(7)マスコミは、相変わらず、表面的でわかりやすい構図を描いて、それぞれ賛成、反対をぶっているから、一向に議論が深まる気配がない。もう一つ。こういう問題って、そもそも、党議拘束を外すべきなのではないか。政党の数合わせで成立が決まるんだったら、議員はロボットのようなものだ。

2013-11-21 07:45:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(8)実際には、議員はロボットではない。自民党、民主党という「所属政党」で、その人の見解が決まるわけでもない。「秘密保護法案」については、それぞれの議員が、情報を集めて、考え、一生懸命判断して、その上で投票して欲しいと思う。それで、成立するかどうか、わからないじゃないか。

2013-11-21 07:47:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぎろ(9)自民党対野党だとか、政府の立場対報道の自由だとか、暗黒時代が来るとか、そういう報道がしらけるのは、本当のことはそこにはないと感じるから。マスコミ報道の最大の罪は、その無反省な定型性。頭つかわなくていいんだよね。議員さんには、ロボットじゃなくて、頭つかってほしい。

2013-11-21 07:48:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1096回「議員は、ロボットじゃない!」でした。

2013-11-21 07:49:13