『自然を名づける』読中読後感想メモ

『自然を名づける なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』(キャロル・キサク・ヨーン)を読んで生物分類学というジャンルそのものの進化史とそれに関わったクセのある人々と分類せずにはいられない環世界センスなどに魅了された痕跡。
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TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】さあ面白くなって来た。インドリ・インドリとは? アラワク族に聞いた植物の名前とは? そしてスリナムで植物学者が教わった「カカブロコエ」の意味とは? 哄笑の第5章、開幕。『自然を名づける』読中メモ http://t.co/8PXFOvW0OY @さんから

2013-11-05 16:45:30
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名_読中メモ】マダガスカルのガイドの男がキツネザルを指さして「インドリ!」と叫んだ。フランス人博物学者のソヌラはこれを記録し、今も学名「インドリ・インドリ」として残っている。ガイドの男はただ「見てごらん(インドリ)!」と叫んだだけだったのだが。面白い。

2013-11-05 16:48:39
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名_読中メモ】アメリカを探検していたオランダ人探検家がアラワク族に聞いて書き記した長い長い植物の名前は、現地の言葉で「わたしはこの草の名を知らないから、おじさんに聞いてみます」という意味だった。最高ですね。

2013-11-05 16:50:26
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名_読中メモ】南アメリカのスリナムで調査していた植物学者はある植物の名を「カカブロコエ」と記録した。しかし、後になってそれは「ズボンの中のクソ」という意味だったことがわかった。現地人に一杯食わされたのか、ジョークを真に受けたのか、下剤作用のある草だったのか。すばらしい。

2013-11-05 16:53:11
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名_読中メモ】『自然を名づける』は、リンネ、ダーウィンなど科学史上の巨人たちが関わった生物分類学が、どんなに困難と向き合って来たのか、自然に名前を付け分類することがいかに混乱を招くのか、そしてその理由は何かを記した大変刺激的な本。でも、第5章みたいのがぼくは好き。

2013-11-05 16:56:43
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

読中ですが大層面白い本。面白い要素がいろいろあって紹介しづらいですが、この書評はその中の「進化的に正しく生物を分類すると「魚」というグループはいなくなる」という大ネタに触れています。... http://t.co/SSFBPavjV7

2013-11-10 11:39:12
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

『自然を名づける なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』(キャロル・キサク・ヨーン/NTT出版)の話です、念のため。 http://t.co/vyXy6LnDfW

2013-11-10 11:41:22
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】『自然を名づける』読了。「魚類というグループはない」という刺激的な導入部から始まったこの本、面白かった。生物を分類するとはどういうことなのか。名づけるとはどういう行動なのか。そして生物分類学は今どなっているのか。 http://t.co/8PXFOvW0OY @さんから

2013-11-23 11:15:03
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】最初の3章に出てくる預言者リンネ、フジツボ男ダーウィン、最終進化分類学者マイアも魅力的だったが、個人的には第8〜10章に出てきた数量分類学、分子分類学、分岐学が先人をコケにするかのごとく台頭する様子と、その着想の面白さ、生物分類そのものが進化を遂げる有様に魅了された。

2013-11-23 11:23:34
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】著者が本の主旋律として選んだ「環世界(センス)」というコンセプトも目からウロコだった。人間は人間の器官で捉えられる範囲でしか世界を捉えられない、というごく当たり前のことなのだが、もちろん普段はなかなか意識できないコンセプトだ。あらゆる生物に独自の環世界があるのだ。

2013-11-23 11:26:28
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】環世界というセンスは(センサーはというべきか?)宝物でもあり呪縛でもある。ぼくらは観察し嗅ぎ触れ味わい分類せずにはいられない。同時にその分類には自ずから限界がある。数量分類学や分子分類学や分岐学に嘲られるほど精度が粗い。でも待てよ、とも思うのだ。

2013-11-23 11:29:44
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】よくよく読み込んで行くと、結局、数量分類学も分子分類学も分岐学もどこかの何かのポイントで「重み付け」を行ってしまっている。それを排除し徹底的に「科学」であろうとしているのに、肝心なところで「これは重要でこれは重要でない」という判断をせざるを得ない。

2013-11-23 11:31:06
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】つまり新参者の分岐学ですら、結局はどこかしらで環世界センスにとらわれていると言えなくもないのだ。その辺が面白い。話はズレるが「魚類が存在しなくなる」というトピックについて、この本の説明ではいまひとつイメージが持てないままだった。図示してほしいと思った。

2013-11-23 11:34:30
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】Wikiを読んで、鳥類は爬虫類の一系統なので「鳥類を除く爬虫類」というグループに命名するのは変だということはわかった。ただそれは言葉遊びのような気もする。爬虫類の中の一群を特に鳥類と呼んだと考えれば解消するのでは? http://t.co/HQbWR2RTui分岐学

2013-11-23 11:40:06
TAKASHINA,Tsunehiro @J_for_Joker

【自・名】などなど若干のもやっとした部分はあるが、少なくとも35年も前に生物の時間に習った分類(それはつまりリンネの残照)で頭が止まっていたぼくにとってはパラダイムシフトと言っていいくらいの大きな転換を感じることができた。科学史の読み物としても抜群に面白かった。

2013-11-23 11:42:07