【新猫格小説】 『多重猫格探偵マタネコ!』 【気まぐれ不定期更新中】
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KATAMIGASE_Mai
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ツイッター小説はじまるよ!タイトルは『多重猫格探偵マタネコ!』(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-15 02:27:45
キャッチコピー:「ほんとうの新猫格小説なのが、これからわたしたちが書くものなの」(只野 『猫探』) #mataneko #twnovel
2010-10-15 02:39:30
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2010-10-15 03:36:02
『吾輩は猫である』その一文を見て、私は近くの屑箱へ本を投げ捨てた。「猫格……? 笑わせてくれる」 私は本棚から一冊の本を取り出した。『新猫格』 全てはここから始まるのだ。(空空 『猫探』) #mataneko #twnovel
2010-10-15 02:53:07
呼び鈴が涼やかになり、来訪者を告げる。扉を開けると帽子をかぶった可愛らしい女の子が現れた。どうやら久々の依頼人の様だ。 「こんにちは」 目を泳がせる彼女に、私は微笑みかけた。 (空空 『猫探』) #mataneko #twnovel
2010-10-15 03:03:35
「いい匂いです」「イギリスから取り寄せたまたたびだよ」そう言って席を進める。早速依頼人の話を聞くと、彼女はおずおずと帽子を取った。 『吾輩は猫である』そのフレーズが私の脳裡を横切った。(空空 『猫探』) #mataneko #twnovel
2010-10-15 03:10:45
小さな可愛らしい耳を揺すりながら、依頼人は切り出した。「わたし、解決してほしいことが、探偵さんにあるの」おや、と思うところがあったような気がするが、先を促す。久しぶりに骨のある依頼ならよいのだが…… (石川) #mataneko #twnovel
2010-10-15 03:34:16
「猫を探してほしいのです」やや拍子抜けしてしまった。迷い猫探しか。しかし涙を滲ませる彼女を無碍に扱う訳にもいかないだろう。ともかく私は話を訊く事にした。「お嬢ちゃんの猫はどんな猫なのかな?」「……にゃ、にゃ」(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-15 03:46:08
「にゃ、にゃ……にゃるらとてっぷ」息が止まる。まさか再びこの名前を聞く事になるとは。ニコニコした笑顔を保持しながら、ソファに座り込む。そうか、また、始まるのか、あの混沌の日々が。(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-15 04:02:05
依頼人の出て行った扉を見つめ、私はなんとか保っていた真面目な顔を崩す。笑みが止まらない。かつては私も一柱の神に数えられたものだった。そんなかつての血なまぐさくも懐かしい記憶。長い年月封印していた私のもう一つの顔。 (空空) #mataneko #twnovel
2010-10-15 21:07:50
さて、今日の郵便を確認しよう。私はポストを開けた。と、一枚の便箋がすべり落ちた。封蝋がされた便箋の裏には書いてあったのはただ一言だった。「読者諸君へ」(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-17 01:46:50
どういうことだ。焦りを抑えきれず、震える指で便箋を開ける。中には手紙が一枚入っていた。それは実に簡潔な文章だった。「読者への挑戦状 ここまでの部分で推理に必要な手がかりは全て晒した。さあ読者諸君、この連続事件の真相を当ててみよ。」(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-17 01:53:21
私は混乱した。まだ何も始まってすらいないのだ。それなのに読者への挑戦状が既に届けられるとはどういうことだ。なにか私の与り知らぬ所で事態が進行しているのだろうか。私は届けられた手紙を詳しく調べた。「……あ、住所間違えてる」(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-17 01:55:36
その時だった。私は頭に強い衝撃を受けた。声を上げる間もなく倒れ込む。世界が暗転していく。意識が消える寸前、声を聞いた。「やれやれ、危なかったにゃ~」全てが暗黒と化した。――そして、もう一人の「わたし」が目覚める、にゃ。(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-17 01:59:12
「まったく、久々に外に出れたのな」「にゃあ久しぶり」「おぉ、ニャルラトテップ。もう少し優しく起こしてくれな。頭が痛くてしょうがない……にしても相変わらず無貌な面してんのな」「まったく、相変わらずうるさいにゃつ」 (空空) #mataneko #twnovel
2010-10-18 03:09:48
その日、老若男女、国籍人種ばらばらな者三十人がパリ市内から姿を消すという事件が起きた。そしてマタネコはとうとうその重い腰を上げた。古めかしい壁掛けの電話をとった。「ウェルダー警部に繋いでくれ。奴が来たんだ。俺の中からな……」 (空空) #mataneko #twnovel
2010-10-18 03:25:23
マタネコは電話を切り、机の上に山盛りになった郵便物に対峙した。郵便物は全て招待状だった。30通の招待状。一角館から三十角館の招待状。パリで消えた30人はそれぞれのYAKATAにいるに違いない。(只野) #mataneko #twnovel
2010-10-22 00:22:40
まず一角館へ、そう思った矢先だった。神は言っている「一角形などないのだ」と。仕方がない。まずは二角館だ。そう思った矢先だった。神は言っている「だから二角形などないのだ」 と。(空空) #mataneko #twnovel
2010-10-22 00:24:20
神は続けた。「三角館と十角館に行ってはならん」唐突な言葉だった。「なぜだ?何を知っている?」「それは言えない。言えないのだ」釈然としないマタネコだったが、とりあえずまずは三十角館に向かうことにする。足りないことくらいなんとかなるだろう。(石川)#mataneko #twnovel
2010-10-22 00:29:29
「さあウェルダー警部、三十角館へ向かおう」「しかし……いいのかい?」「どうした、何か問題でも?」「三十角館が何処に在るのかご存知で?」「いや、知らないが、どこにあるのだ?」「木星の衛星軌道上ですよ」「……。」(只野)#mataneko #twnovel
2010-10-28 00:23:50
「読めた!」猫格のひとり《安楽椅子探偵》が叫んだ。奴は出不精が高じて、調査前に全データを集める能力を身に付けたのだ。「分かったぞ、三十角館の死体は5万年前に死亡している!」「ついでにモノリスでもあるのだろうな」私は冗句を言った。(只野)#mataneko #twnovel
2010-10-28 00:35:15
【三十角館の殺人】被害者はチャーリー・ガニメデ。27歳男チャド出身パリ大学院生(宇宙工学専攻)。15時頃カフェから消失(店員の証言)。木星衛星軌道上の三十角館で発見。死後5万年が経過(放射性同位元素法調べ)DNAも完全に一致した。(只野)#mataneko #twnovel
2010-10-28 00:51:49
そして一カ月後、探偵と犯人との関係はいたちごっこという糸に絡め取られていた。三十という膨大な殺人の量に対してクロックアップによる早期解決を図った探偵だったが、その意図は脆くも崩れ去る。それと同格の速さで、新たな殺人が起こったのだ。(空空)#mataneko #twnovel
2010-11-14 00:45:57
事件の発生と解決の間隔は、加速度的に狭まっていた。一ヶ月経った今、すでに1000万件の殺人と解決が繰り返されている。しかもその度に捕まる犯人は誰もかれもが逮捕と同時になにかしらの方法によって殺されている。実質の死者は2000万人だ。(空空)#mataneko #twnovel
2010-11-14 00:52:28