「実質実効レートで見て円高でない」へのコメント

@goushikataoka さんによる、現在は実質実効レートで見て円高でない、という意見へのコメント
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片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka

「実質実効レートで見て円高ではない」というのは一面では正しい。ただデフレに起因する問題を見逃すという意味で間違い。円ドルレートで見て円高が進むことを問題だと考えるのは背後にデフレによる害(企業収益や労働市場の悪化)があるため。デフレと硬直性が事態を悪化させる。

2010-10-15 02:28:14
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka

名目実効レートと実質実効レートの差が貿易相手国と自国との物価の格差という訳だけど、名目実効レートが上昇しているのを見て問題だというのは貨幣錯覚にとらわれているという指摘は正しい。でも名目実効レートの上昇の背後には我が国のデフレが進むという状況があって、それが問題。

2010-10-15 02:34:00
田中秀臣 @hidetomitanaka

@goushikataoka そうですよね。いまは円高ではない、とかその種のロジックをいう人がいるけど、要するにデフレトレンドを所与としているだけの議論に等しいですね。ここらへんは岡田・浜田論文が有効な分析の枠組みですね

2010-10-15 02:36:46
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka

結局、為替(円ドルレート)が円高だから問題というのは、デフレが進んでいることを問題視している訳ですね。逆の立場の方は暗黙裡にデフレは問題でないという事を言っているのではないか?ということ。

2010-10-15 02:37:01
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka

それからグローバルインバランスからの修正過程でドル安になるという議論は正しいかもしれませんが、輸出が増えている我が国でなぜ円高が進むのかを説明できないのではないか、と思いますね。加えて循環経路の中で外需依存性の是正を行うと、即座に内需は動かないので失業や過剰設備が生じる。

2010-10-15 02:50:51
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka

各国がリーマンショック後に経済対策を行った(ている)のは、循環経路上での負のショックを是正するためのもの。趨勢的変化の結果として各国間の貿易の構造が変化する話とは別。何もせずにショックに任せて良いという話は、先程のデフレ容認と同じ筋(清算主義)につながる。

2010-10-15 02:57:52
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka

後、マイルドなデフレが続くことがなぜ問題なのかという点については、岡田さんの論文(hicksianさんのところで和訳あり)や岡田・浜田論文(ESRIの失われた10年研究の2巻所収)をご参考のこと。ポーゼンもこの論点は以前話題にしてましたね。

2010-10-15 03:14:09
片岡剛士(Kataoka Goushi) @goushikataoka

@hidetomitanaka 仰るとおりですね。デフレ・トレンドを所与として、個別の企業の対応に期待するという話もありますが、そうしますと、停滞下でのサバイバル合戦になってしまいますね。大多数の人がそういう状況では幸せにはなれませんし。

2010-10-15 03:37:05