【忍殺二次創作】『スリー・ダーティ・ニンジャボンド2』
発端
そして実行
◆注意◆ このアカウントでちょっとだけニンジャスレイヤーのテキストカラテをします。キャラ崩壊等の恐れがあるため見ない人はリムーブしてください。また、忍殺本編には特に関係ない。荒野の1ドル銀貨と続・荒野の1ドル銀貨位しか多分関係ない。 ◆
2013-12-03 01:38:48「オムラの遺産?」 キョートの片隅にあるオスモウバーの個室。二人の男がテーブルを挟んで向かい合っている。ヘル・オン・アースの悪夢醒めやらぬ今、店はカンコドリが鳴いているが、それが二人にとっては好都合だった。 1
2013-12-03 01:42:21「はい。オムラ・メディテックという企業をご存じですか?」 向かい合う男の一人は、片腕をサイバネに置換している。彼の名はブラックヘイズ。言わずと知れたネオサイタマの傭兵ニンジャである。彼はザイバツに対するペナルティ徴収のためキョート城へ突入し、辛くも生還し間もない。 2
2013-12-03 01:43:46「聞いた覚えがある……確か、ニューロチップを開発したとこだろう」 「さすが、お詳しい」 「一般常識の範囲だ」 そして、もう一人の男。今はビジネスマンスタイルをしているが、彼もまたニンジャである。しかも、サイバネ改造を一切行っていない生身のニンジャだ。 3
2013-12-03 01:45:51「タバコはご遠慮願いたい。ここは禁煙です」 「チッ……」 ハマキに火を点けようとしたブラックヘイズを男は静止する。店のルールを破ることになるからだ。 「それで?そのオムラ・メディテックがどうした?」 4
2013-12-03 01:47:17オムラ・メディテックは先のキョート事変の折に親会社オムラ・インダストリが倒産。連鎖倒産を引き起こし現在は精算が行われている最中だ。 「その研究施設が何者かに占拠されました。研究成果の奪還を貴方に依頼したいのです」 ビジネスマン姿の男は淡々と話を進める。 5
2013-12-03 01:49:11「シツレイだがそういうアンタは何者だ?オムラの管財人か債権者なのか?」 目の前の男がニンジャであることはブラックヘイズも感知している。かなりのカラテの持ち主であることもだ。その上で、敢えて相手の素性を尋ねる。 6
2013-12-03 01:51:03ここで相手が誤魔化すようならば、依頼は蹴るつもりだ。知らぬ間に火事場泥棒の片棒を担がされるのは、御免被りたい。尤も、相手もニンジャならば相応のリスクを背負うことにはなろうが。 7
2013-12-03 01:53:00「申し遅れました。私はオメガと申します。つい最近までオムラ・インダストリの企業ニンジャをしておりました。こちらが名刺です」 名刺には『オメガ』とだけ書かれている。 オメガ。聞き覚えのある名だ。確かオムラ・インダストリ会長直属のニンジャである。道理で只ならぬカラテを感じる筈だ。 8
2013-12-03 01:55:07「オムラの雇われニンジャ様が直々に、場末の傭兵に何の御用だ?」 火事場泥棒には違いない。だが相手の素性は確認出来た。 「先程申し上げた通りです。占拠された研究施設から、研究成果を奪還して頂きたい。私もオムラに勤めて長い身の上。オムラの遺産を盗人に使われるのは癪というものです」 9
2013-12-03 01:56:28盗人とは、誰を指すのやら。長年務めた企業への義理、というのが表向きの理由といった所だろうか。オムラの「愛社精神」の高さはネオサイタマでも有名である。 「それに、今はお互いフリーランスの身。一度は会って話を通して置くのが筋というものかと思いまして」 10
2013-12-03 01:57:45「ふむ……それで占拠された、というのは誰にだ?」 ブラクヘイズはプロフェッショナル故に相手の動機自体に興味は無い。水を向けたのも話の素性を確かめるが為だ。人情話を聞いてもつまらない、とばかりに話題を変える。相手……オメガはかなりの手練だ。 11
2013-12-03 01:58:39「実際不明です。ザイバツの残党である可能性もあるかと」 「戦うのは俺一人か?」 傭兵ニンジャを使って偵察といった所か。とブラックヘイズは考える。危ない橋である。 だが、このクライアントは羽振りがいい。既に受け取った前金だけでも黒字に近い額だ。 12
2013-12-03 01:59:52適当な所で引き上げても、十分金になるだろう。フェイタルを頼る程でもない。寧ろ、成果の奪還だけを考えるなら派手に成り過ぎる。なら、構うまい。自分一人なら、後腐れは無い仕事だ。 「いえ、私も参りますよ」 「何だって?」 思わずブラックヘイズは聞き返す。 13
2013-12-03 02:01:34「今回の話は個人的な事情です。それに、戦力は少しでも多い方がいい。……私のカラテも、中々のものですよ?」 想定外だった。監視。いざという時、スケープゴートにされる可能性。それ以前に機密保持で消される恐れ。 様々な仮定が瞬間的にブラックヘイズのニューロンを駆け巡る。 14
2013-12-03 02:02:38「警戒されているようですな」 「そういう性分でね。アンタ一人で行けばいい。それが『面倒』なら兎も角」 「失せ物は、目が多い方が見つけ易いというものです。沢山撃つと実際当たりやすい、とマサシの格言にもあります」 「捜し物、ねぇ」 「今、キョートで頼れるニンジャは貴方だけです」 15
2013-12-03 02:03:55この辺りが決め時か、とブラックヘイズは考える。ここまで聞いてしまっては、素直に返して貰えるとも考え辛い。元より、受けてもデメリットの少ない話だ。 「その依頼、受けよう」 「おお、有り難い」 大仰に反応するオメガ。 「タイムイズマネーだ。詳しい話を聞こうじゃないか」 16
2013-12-03 02:06:37