【分かりにくい】語り手8種類【分類】

読書する黒子さんが、散文における語り手の分類と解説をしました。
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読書する黒子さん @kuroko_1011

一人称であっても三人称の作品は存在します。物語が終結した後語る場合、同一人物であっても時間軸が違いますから、その言葉には意思が介在します。それは三人称です。#自動

2013-12-04 19:02:07
読書する黒子さん @kuroko_1011

リクエストがありましたので、散文(小説、物語)を書く際の語りの分類について簡単に解説します。あくまでこれは僕流の呼び名・分類です。定義のわからない言葉やフレーズについてはリプライ下さいませ。最後にまとめを作成予定ですので、マイペースにゆっくりと行きましょう。

2013-12-04 19:48:06
読書する黒子さん @kuroko_1011

最初に大きく4つに分類します。「自分語り」「伝聞語り」「背後語り」「神の語り」です。これは、語る人がどの人かを、視点はどこにあるのかを示しています。ここからさらに2つずつに分類いたします。分類のポイントは「視点」「視界」「主観・客観」「感情の理解」「時系列」に拠っています。

2013-12-04 19:52:42
読書する黒子さん @kuroko_1011

まず自分語りの1つ「現在系自分語り」です。これは「今」「語り手自身」が体験している「物語」を「自分の視点」から「自分の主観」と「感想」や「感情」を交えながら描写する形式のことを言います。一番メジャーに見えますが、実はこの形式に正式に則っているものは非常に少ないです。

2013-12-04 19:55:33
読書する黒子さん @kuroko_1011

次に自分語りの2つ「過去形自分語り」です。これは「過去」に「語り手自身」が体験した「物語」を「自分の視点」と後に聞いた「伝聞」に沿って「自分の主観」と「感想」と「感情」を交えながら描写する形式のことを言います。小説においては一番メジャーな形態といえるでしょう。

2013-12-04 19:57:33
読書する黒子さん @kuroko_1011

次に「伝聞語り」の1つ。「記録者語り」です。「過去」に起きた「物語」を「語り手ではない人」が語り、その人の「視点」と「感想」と「感情」を描写するものです。この場合、語り手の意思や感想などは介在しません。明治から大正にかけての小説はこの形式が多いです。

2013-12-04 20:01:26
読書する黒子さん @kuroko_1011

「伝聞語り」の2つめは「謡曲弾き」です。「過去」に起きた「物語」を「語り手ではない人」が「その人の視点」で語り、それを引き写しながら体験者と語り手、双方の「感想」と「感情」を描写するものです。これについては琵琶などの弾き語り、『平家物語』などが当たると考えています。

2013-12-04 20:04:06
読書する黒子さん @kuroko_1011

次に背後語りの1つ「守護霊語り」です。これは「登場人物のひとりの背後」に「視点」を固定して、現在を「主観的」に語ります。その視点を固定されたひとりの感情のみを語ることができます。「視点固定型三人称」といえばこれがメジャーなのかもしれません。

2013-12-04 20:07:08
読書する黒子さん @kuroko_1011

「背後語り」の2つめは「背後霊語り」です。これは守護霊語りと違う点は1つだけ。誰の心情も描写することができません。見えるだけのそのままを忠実にうつしていくだけです。

2013-12-04 20:08:10
読書する黒子さん @kuroko_1011

最後に「神の語り」です。三人称と言えば「神の視点」と言われますが、本当の意味で「神の語り」に該当するものは少ないです。まず1つ目は「秩序の神の語り」です。現在と未来と過去、すべての登場人物の全てを視界におさめ、物語を客観的に語ります。感情は描けますが解しません。常識にも通じます。

2013-12-04 20:10:50
読書する黒子さん @kuroko_1011

「神の語り」の2つめが「混沌の神の語り」です。現在と未来と過去、全ての登場人物の全てを視界におさめ、物語を客観的に語ります。しかし、感情や常識などを解さず、それについての描写を拙くするのが一般的な形式です。「壁のハエの視点」とも言われます。

2013-12-04 20:12:33
読書する黒子さん @kuroko_1011

おおよそこの8種類を用いれば、小説や物語は分類できると思います。そうそう、意外なようですが「過去の自分語り」は「三人称」に該当します。過去の自分は確かに同一人物ですが、過去を俯瞰している時点で物語中の自分と同一ではありません。ですから、この場合は三人称にあたります。

2013-12-04 20:14:20
読書する黒子さん @kuroko_1011

「語り手」の視点や視界などは意識していると思いますが、「語り手」がどこまで言語や思考の能力を持っているか、も小説においては重要な要素となります。「語り手」も物語のコマのひとつとすることが、小説と物語の大きく異なる点です。小説を書く際には語りについても考慮するとよいかもしれません。

2013-12-04 20:16:30
読書する黒子さん @kuroko_1011

と、以上で「人称」と「語り」の分類についての話でした。小難しいな、と思うかもしれませんが、書き分けてみると「確かに違う」と納得していただけ……れば、いいなぁ、と。はい。

2013-12-04 20:17:31
読書する黒子さん @kuroko_1011

何か質問やツッコミがなければ僕は明日早いのでそろそろお暇しますが……

2013-12-04 20:19:12
読書する黒子さん @kuroko_1011

なさそう、ですかね……? じゃあまとめてきましょう。

2013-12-04 20:21:03