鏡「あっ、お前また子猫なんか拾ってきやがって!」 VDV「しょうがないだろう?カフェでチーズやったら家までついてきたんだ」 鏡「言っておくが俺はこう見えてもキレイ好きだぜ。まつは検疫をさせてもらうぞ!」 1
2013-12-05 12:29:07VDV「お前、そういえば猫が嫌いだったな?」 鏡「当たり前だ!太古の昔より犬こそ人間の最良の友と決まっているんだ!さぁ、眼鏡たたんでないでその子猫をこっちに寄こせ!俺が徹底的に検疫してやる!」 2
2013-12-05 12:31:46<30分後> 鏡「ふふふふ...。どうやらこいつ観念して大人しくなったようだぜ。これで似るなり焼くなり好きに...」 VDV「お前、猫もけっこう可愛いと今思ったろ?」 http://t.co/BGuC7TSaJ1 3
2013-12-05 12:33:30VDV「アルジャーノン!ミルクだぞ!」 鏡「なぁ、今の状況を客観的に整理したいんだが.」 VDV「どうぞ」 鏡「ここはジローナの俺の家、お前は遊びに来た居候、なのに勝手にバルから子猫を拾ってきて名前まで付けている。さぁ、このお話の変な所はどこでしょう?」 1
2013-12-05 21:13:40VDV「語ってる奴」 鏡「ブッブッーー!(バッテンマーク)どこの世界に家主に勝手に女ならともかく子猫を連れ込んでアルジャーノンなんてベタな名前を付ける居候がいるのかね?」 VDV「ゴルゴンゾーラのニョッキ出来たぞ」 鏡「お前に料理の腕に感謝しな」 2
2013-12-05 21:17:40(食卓を囲んで) VDV「だいたいお前はなんで猫が嫌いなんだ?」 鏡「あの目、なに考えてるか分からないだろ?鳥とか恐竜とかと同じさ」 VDV「アルジャーノンは可愛いじゃないか?」 鏡「犬がサーヴェロだとしたら猫なんざ牛乳配達の自転車だぜ」 3
2013-12-05 21:21:18VDV「あっ!アルジャーノンが背中から落ちたぞっ!」 鏡(ガタッ!)「なんだと!獣医を呼べ!」 VDV「....ほら見ろ?本当はもう家族だと思っているんだろ?」 鏡「お前が菩薩顔のユダだって忘れていたよ..」 4
2013-12-05 21:23:41VDV「なぁ、猫って家を持たないな。大抵一人で根無し草の渡り鳥だ」 鏡「そういえばそうだな。俺たちと同じ浮き草稼業さ」 VDV「たまには家族の待つ家の中で落ち着きたいと思わないのかな?」 鏡「お前は?」 VDV「俺はそう思ったよ。だから辞めたのさ」 5
2013-12-05 21:28:07VDV「お前は?」 鏡「おれはこの舟が家みたいなものだからな」 VDV「チームが?」 鏡「気の触れたもみあげのモーゼに騙されて乗った舟さ。牛もいたし羊もいた。商人もいれば犯罪者もいた。浸水と船酔いと戦った7年さ」 6
2013-12-05 21:32:51VDV「《約束の地(the promised land)》には着けたのか?」 鏡「約束の地から少し離れた港に俺たちは降りた。約束の地はすぐそこだ。だが俺達は気付いた。俺達に約束された土地の空気は俺達の肺には苦かったのさ」 VDV「..そうだな」 7
2013-12-05 21:37:23鏡「なーんかなっ!暖炉に薪をくべながらオサン二人と子猫一匹でワイン飲んでいると湿っぽくなっていけねぇ。なにか歌ってくれ」 VDV「そういえば、日本のファンの子が教えてくれた曲が素敵だったな。昔の日本のナーサリーライムだそうだ。俺達の事を思い出したよ」 8
2013-12-05 21:40:59♪ 名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実一つ 故郷(ふるさと)の岸を離れて 汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき) 9
2013-12-05 21:42:18♪ 旧(もと)の木は 生(お)いや茂れる 枝はなお 影をやなせる われもまた 渚(なぎさ)を枕 孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ 実をとりて 胸にあつれば 新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい) 10
2013-12-05 21:43:46♪ 海の日の 沈むを見れば 激(たぎ)り落つ 異郷(いきょう)の涙 思いやる 八重(やえ)の汐々(しおじお) いずれの日にか 国に帰らん 11
2013-12-05 21:44:50ギブソンを置きながらVDVは聞いた。 VDV「お前はどこの海岸に流れてきた?お前も流浪の旅に涙を流すのか?お前の故郷はどこだろう?」 程よく酔った鏡は笑いながらグラスを掲げる。 12
2013-12-05 21:48:22鏡「置いてきた国はクソみたいな場所だった。辿りついた海岸も同じようなゴミだったよ」 「だけど、舟は、オンボロの舟は俺達の家だったよな」 VDV「乾杯」 鏡「メリークリスマス」 13
2013-12-05 21:50:43エピローグ: 鏡「日本語は分からんが、そうだな、プロトンが通過するのを眺めているようなメロディーだったよ」 http://t.co/bx8PTQ2cSh
2013-12-05 22:36:05