シカクい頭がよりシカクくなる問題を車内で発見した

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

横浜雙葉中学入試問題（国語）…「あなたがかけがえのない存在として大切にされた体験を挙げなさい。そして、その体験があなたの生き方にどのようにいかされているかを書きなさい」 http://t.co/o3KvsyFiIr ここまで道徳的な問題だと逆に批判すらしたくなくなるね。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

まあ明確に宗教系の学校なのでしかたないんだけどね。べつに横浜雙葉の校風等を批判しているわけではなく、国語の試験問題としては納得できないという話。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

大切にされた覚えのない子どもは拒否とでもいうのか…。RT @FukushimaKokugo: 「あなたがかけがえのない存在として大切にされた体験を挙げなさい。そして、その体験があなたの生き方にどのようにいかされているかを書きなさい」 http://t.co/o3KvsyFiIr

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

というか、12歳の少女たちは、こんな「問題」に答えられるのか。大切にされた覚えがありませんと答えたらどうなるのか。白紙ならどうなるのか。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

「ああ、私はあのとき、かけがえのない存在として大切にされたなあ」と実感でもしない限り、答えようがない。問いの言葉の選び方が、実に説教臭く、大人びており、子どもの目線に立っていない。はっきりいって、汚らわしい。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

だいたいにして「かけがえのない」ってなに状態の子が多いんじゃないのかと。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

日能研の「解答」例――「幼い頃、好きな色を聞かれて赤やピンクと答える女の子たちの中で、私だけが緑色と答えた。それを見ていた両親は、他と違ってよいのだと私の好みを認めてくれた。この体験は、人それぞれの違いを認めて受け入れ、違いを楽しむ私の生き方に生かされている。」

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

色の話はまだしも、「この体験は、人それぞれの違いを認めて受け入れ、違いを楽しむ私の生き方に生かされている」なんて、子どもに書けるはずがない。こんなに自己を客体化・対象化した表現は大人でもできない。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

具体例を挙げ、それを抽象化する力を問うための問題であるのなら、別にこんな道徳的な内容を選ぶ必要もない。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

むろん学校にこそ問題があるのだが、これを国語の入試過去問として選び、わざわざ車内広告にして掲示する日能研は、いったいどういう意図を持っているのか。実に疑問だ。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

本当に「かけがえのない存在」として大切に生かされている子どもは、そんなことを客観的に意識することもないほど、日々時々を幸せに生きているはずであり、そういう子どもは、何を書けばよいか戸惑うに違いない。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

「自分はかけがえのない存在として大切に生かされているなあ」と客観的に認識できる子どもがいるとすれば、それは、「大切に生かされていない他の子ども」と自分とを、冷静に比較したことのある子どもだろう。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

あるいは、「大切に生かされてこなかった過去の自分」と、今の自分との比較。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

そんなふうに自己を客観視できる子が、果たしてどれだけ存在するのか。そもそも、そんなふうに自己を客観視できる（してしまう）子たちと、日々時々大切にされ幸せに過ごしている無邪気な子たちとが、重なるとも思えない。

福嶋隆史@ふくしま国語塾 @FukushimaKokugo

まあとにかく分かることは、この中学は、とことん「大人びた子ども」を入学させたいということだな。