テルマ(埋蔵経)をめぐるやりとり

チベット仏教のテルマ(埋蔵経)をめぐるやりとりをまとめてみました。
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補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

今でこそテルマ(埋蔵経)には宗教的評価が定まってるので、昔の人は偏屈で非寛容だなあ、と言うことも出来るが、当時の人の気持ちはどうだろうか。一方的に批判できるだろうか。テルマに反対してた人達もまた仏教徒であり、得体の知れない挿入物、として生理的に無理だったのかもしれない。

2013-12-07 05:32:02
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka ちがうちがう、仏教に不純なものが混ざったっていう発想がそもそも間違っているんです。もともと仏教など無かった土地でもともと行われていた名もなき宗教の中に仏教が入って来たんです。

2013-12-07 05:37:54
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka チベットの歴史は、旧来の宗教をベースに神仏習合の体系を作り上げた層と、純粋な仏教を志向して僧院組織を作りあげた層との対立史なんです。それは仏教学の中にいては見えず、宗教社会学的視点で見なければなりません。

2013-12-07 05:50:56
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

@goyou 埋蔵経典(テルマ)というフォーマットは、仏教以前からあったチベットの土着宗教由来のもの、なのでしょうか。

2013-12-07 05:54:20
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka oさんが言っている通り、大乗仏典なんてすべてテルマじゃないですか。

2013-12-07 05:55:40
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka 成就法のフォーマット自体はインドのタントラを踏襲していますが、その中に土着的な要素が沢山挿入されて多重構造を作っています。

2013-12-07 05:59:40
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

@goyou 信仰的観点を抜きにしても大乗経典とテルマは同じような誕生の仕方だと思います。宗教的ヴィジョンを感得した。フォーマットというのは、出自についてどのような説明を与えるか、という部分です。大乗経典は釈迦の説法を記録したもの。テルマは一度埋蔵されたものを発掘したもの。

2013-12-07 06:01:13
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

ヒンドゥー教の聖典にもテルマのような出自譚をもつのはあるのだろうか。自分が知っているのではリシがヴェーダを感得するのと、ヴィヤーサがマハーバーラタをガネーシャとともに書き上げるくらいだ。…知識量が足りない。

2013-12-07 06:03:55
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka チベットにはテルマ以外にもいろいろ偽経のフォーマットはあって、カマというのはインドで書かれたものの翻訳だということになっていますが、おそらくチベットで書かれたものもあるでしょう。

2013-12-07 06:04:39
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

ヒンドゥー教の聖典のうち、テルマのように「発見(地上の信者の手に届く)」までにタイムラグ(時間差)がある物があるのかどうか。

2013-12-07 06:08:53
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka 大乗仏典の釈迦の説法って、イリュージョンの中で起こったものですよね。で、著述した人は匿名で。テルマくらいになるとテルトンの名前は明らかなんですが、いくらかの匿名性を帯びさせるためにグルパドマサンバヴァの名に帰する。

2013-12-07 06:10:35
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

カマのうち、チベットで書かれたものについては…インドで仏教がいちど滅んだので、それにより「原典が散逸した」と想定の余地がある。それがフォーマットとして生き残るのに働いたのだろうか。

2013-12-07 06:13:01
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka チベットのテルトンを輩出したような家系は、家毎に先祖がチベットに降臨した神話と系譜を持っていたんですが、仏教伝来によってそれが師子相伝の系譜に入れ替わるんです。その転換の機として、グルによる布教活動の伝記が描かれました。

2013-12-07 06:15:30
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka グルパドマサンバヴァが土地神や氏神にあたるような神々を教化して護法神となるようにサマヤを交わすことで、切り替わりが起こるんですよね。

2013-12-07 06:18:06
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka そう、カマの余地についてはその通りです。

2013-12-07 06:19:56
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka ですから、チベットの村落におけるテルトンからの相承系譜みたいなものって、先祖霊崇拝が根っこにあるんです。テルトンがものすごくたくさんいるのはそういうわけでもあります。

2013-12-07 06:25:57
佐藤剛裕 @goyou

@BirdOfPotalaka なので、背景の社会制度がどんな風だったのか、見ていかなくてはならないなと思うんですよ。

2013-12-07 06:27:14
o @ooo157

イリュージョンって錯覚、幻覚とかいう意味だから、大乗経やテルマがイリュージョンの中で起こったというなら、それは大乗経やテルマが妄想、幻覚だって言ってることなんだが、そうでなくそれらは縁起に他ならないというのが、伝統的捉え方でしょう。

2013-12-07 09:27:04
tweetsCrawler @tweetsCrawler

@ooo157 一切諸法は縁起しているのならばイリュージョン、錯覚・幻覚の対象も縁起でしょうから、大乗経典を縁起に他ならないといっても意味がないということにはなりませんか?

2013-12-07 10:41:03
o @ooo157

@tweetsCrawler ならないと思います。まず、縁起以外に神秘的な現象があるというなら、仏教から逸脱すると思います。次に一般の現象が汚れた縁起とされ、逆に大乗経や浄土の現れは清浄な縁起とされます。これはインド以来、チベットでもシナでも日本でも一貫した見方だと思います。

2013-12-07 11:09:05
tweetsCrawler @tweetsCrawler

@ooo157 イリュージョン=汚れた縁起、大乗経=清浄な縁起という区別があるということですか?だったらこの違いはそれらを発生させている根元(法界など)の違いであるとお考えですか?

2013-12-07 11:24:17
o @ooo157

@tweetsCrawler 考えません。煩悩の縁起か、浄化された縁起かという違いです。どちらも空性であることに違いありません。

2013-12-07 11:26:10
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

インドと地理的に近いことが有利に働いている。延命地蔵菩薩経のような、日本製の「漢訳者名」つきの偽経ではこうはいかない。

2013-12-07 06:29:30
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

チベットのテルトン文化とそっくり同じものが、もし日本にあったら、別の展開があったんだろうな…民族ごとの文化、慣習もあるが、インド仏教とアクセス的な距離の違い。チベットではカマだけでなく、テルマにもインド仏教の盛衰とリンクした出自譚もあると思われる。しかし遠い日本の場合だと

2013-12-07 06:35:25
補 陀 落 鳥 @ 異 生 羝 羊 心 @BirdOfPotalaka

たとえば、経典から導きだした末法、形の無い時代の到来という形にしか対応できないのではないか。

2013-12-07 06:37:21