- seizigakutan
- 3349
- 0
- 0
- 1
さて、昨日私が休んでいる間に他の学術たんたちの間で特定秘密保護法案について話題になっていたようですので私からも少し語りましょうか。 行政法たんが現在法案それ自体の解説をしていますから、そちらも合わせて読んでみてください。
2013-12-08 01:29:53既に国際法学たんが条約的な側面に於ける政権が成立を急いだ理由を説明(http://t.co/4ukugubW28)していますから、まずはそちらをご覧頂くとして、私からは日米同盟再編のことを語ろうと思います。
2013-12-08 01:31:44安保条約は基本的にアメリカの対東側諸国戦略の一環として締結されました(周辺諸国では米韓、米華、米比相互防衛条約などがありました)。 そのため、ソ連が崩壊すると前提条件が崩れますから見直す必要が出てきます。
2013-12-08 01:33:50特に当時はバブル期でしたから日本の経済力が相対的に強かった時期で、ソ連に代わる敵として日本経済がターゲットとして選ばれてしまいます。レーガン政権期から起きていた日米経済摩擦はクリントン大統領のときに一番激しくなりました。
2013-12-08 01:36:28しかも、当時細川政権が対等な日米関係を志向していました。それに対してアメリカ国防省及び日本の防衛庁は冷戦後の防衛戦略を見直しながら日米同盟を深化させる方向に動かし、防衛大綱の改定などの成果を上げます。以降はテロ対策・北朝鮮などの脅威を背景にその方向を加速化させていきました。
2013-12-08 01:41:20日米同盟を深めるとなると、その際に情報のやり取りは重要ですが、日本はご存じのとおり情報が頻繁に流出する国と評価されています。 記憶に新しいのは尖閣のときのものですが、有名なもので不味いものは小泉内閣時に田中真紀子外相がアメリカ大統領の避難先を公言してしまったものがあります。
2013-12-08 01:45:11閣僚でさえ簡単に情報を漏らしてしまうようでは、重要な情報を共有しようなどとは思いたくないですよね。 その改善が急務な中、東アジア情勢は北朝鮮のミサイル問題や中韓の外交方針、近隣諸国との協調という激変が起きていきました。アルジェリア人質事件という情報力が問われる事件もありました。
2013-12-08 01:48:35以上を考えると、目的としてはこの法案を通したいと権力が思いたくなるのも当たり前のことなんですよね。 ついでに安倍首相は外交防衛は得意分野と自負しており(実際どうかは未知数ですが)、NSC法案成立もあってポイントを稼ぎたいという目標もあったように思います。
2013-12-08 01:50:51NSC法案の流れを受けて国会に持ってきた法案なだけに、粗削り感は否めません。 第三者機関も、行政法たんの言うように完全な公平性という点では(尖閣事件の際の仙谷官房長官の政治判断よりは急激なものはないにせよ)疑問符がつくものです。
2013-12-08 01:53:48@seizigakutan 「特定秘密保護法案」の成立を急いだ理由は、「日本版NSC」の設置に間に合わせたかったのかなぁ、という印象というか、そう解釈するのが一番無難かも、と思います。
2013-12-08 01:54:46第三者機関の案はまだまだあって、国会の中にもそれを作ろうという動きがあって立法による行政の監視という点では良いですが、国会議員が秘密を漏洩したり隠ぺいに加担する危険性もあるので、単純に万事解決というわけではないのですよね。
2013-12-08 01:55:54確かに一番の直接的な原因はそうなりますね。(私の解説は背景部分です RT @krsmnry @seizigakutan 「特定秘密保護法案」の成立を急いだ理由は、「日本版NSC」の設置に間に合わせたかったのかなぁ、という印象というか、そう解釈するのが一番無難かも、と思います。
2013-12-08 01:56:54まあ正直なところ、法案が成立してからが勝負どころという民法くんの意見に結果的に収束していきます。 人権に反せず、実効性があり、且つ穴がない運用が可能な制度を考える必要がありますし、運用する官僚や議員それぞれの意識も非常に重要になります。
2013-12-08 01:59:33行政法たんが以前言っていたように関連法との関係性も重要です。公文書管理という面では、国立公文書館の人員や予算を拡大する必要もありますし、相応の専門家を育成する必要もあります。 国際法学たんの言うように、もっと前から考えておくべき問題だったんですけどね……。
2013-12-08 02:01:41以下はすごく個人的な意見です。 1:今国会で成立するべき緊急性はあった 2:しかし審議が不足(与党の運営の稚拙さと野党が非協力的でそもそもの存在意義に疑問符がつく) 3:賛成反対論では硬直的な意見が目立ち結果的に審議不十分のまま通過する要因になった
2013-12-08 02:04:24シュプレヒコールの波♪ 通り過ぎてゆく♪ 変わらない夢を♪ 流れに求めて♪ 時の流れを止めて♪ 変わらない夢を♪ 見たがる者たちと♪ 戦うため~♪ 佐藤卓己先生の『輿論と世論』や竹内洋先生の『革新幻想の戦後史』開きながらつぶやいてたので中島みゆきの世情を歌いたくなっただけです
2013-12-08 02:07:54(これまた酷い本音を言えば、どうして法案を修正する力が野党になかったのだろう、生活保護法の改正での扶養義務強化の方がより注目すべきなのに、しかも野党が比較優位を確実に取れるこの分野で抵抗しなかったのだろうと思っています
2013-12-08 02:12:11行政法たんが指摘した第三者機関として「情報保全監察室」が外務省や防衛省、警察庁などの職員によって占められる、というのは専門性という観点からすれば妥当で、これらの省庁は情報収集・分析を行う部署があって秘密を扱ってきた人材をそのまま横滑りさせることが出来るからなんですよね。
2013-12-08 03:25:30本当のところ、何れは最初から秘密を指定したりする部署専用の職員を育成しなければ先ほど挙げた省庁の言いなりになる危険もありますから、やらないといけないのですよね。 予算的に出来るか、出来たとして権力がそこまで考えるかは未知数ですけども……。
2013-12-08 03:29:46@seizigakutan その話になって、ようやく、第三者機関の人員の育成や評価、つまり、適性調査の恣意性等の議論もでてくるのですよね。今回、野党のおもだった批判では、ここまで至らなかったのがちょと残念です
2013-12-08 03:34:21@seizigakutan 「行政府によるインテリジェンスの統制」は、やっぱり難しいですよねぇ…… まあ、いきなり上手くなどいきませんし、試行錯誤していければ。
2013-12-08 03:34:29@seizigakutan 部署が専用の職員で固められると、今度はその組織自体が権力を確保しようとし、結果として不相応な権力を持つ可能性もあるので難しい問題ですよね。まあそもそも楽な解決法なんて存在しないのでしょうがw
2013-12-08 03:36:06@SPQR_RomeFan @krsmnry @mio_sng 日本に於いて情報を扱う部署の有効な組織図ってあまり見ない議論ですから、実務者が試行錯誤する以外には興味を持たれないのだろうし、内容も極めて難しいのでそうするしかないような気がしてなりません。
2013-12-08 03:39:28@seizigakutan @SPQR_RomeFan @mio_sng 失敗してしまったときに、きちんと検証して次に生かせるのか、という点と、世論が冷静に批判できるのか? という点が少し心配です。
2013-12-08 03:42:20@karyokuya その点はまさに仰る通りでしょうね。 選挙システムが一応みんなから認められるのはその機能があると信念が共有されている結果ですから。
2013-12-08 03:43:40