修学旅行3日目、地獄のカードキー紛失事件まとめ
友達の部屋で一夜を過ごす。修学旅行ではありがちなイベントに胸を躍らせていた。年齢的には恋人と一夜を過ごす方がよっぽど楽しいと思うが、所詮は女に縁のない高校生。その高校生が数人集まって部屋でモンハンをするのだ。 これほど楽しみなことはない。
2010-10-16 23:20:16隣の部屋に入る。数人の親しき友達は笑顔で俺を迎えてくれた。恋人がいないさびしい高校生活だが、友達がいるというのはやはりいいことだ。改めて認識させられた。
2010-10-16 23:22:52ガチャガチャとドアノブを捻るが扉は一向に開かない。時間はすでに深夜2時を過ぎている。草木も眠る丑三つ時、俺は自分の部屋から閉め出された。
2010-10-16 23:26:59「コンコンコン!コンコン!コンコンコン!」部屋をノックする音だけが悲しく廊下に響き渡る。2分ほど叩き続けたあと、友達に「うるせーよ!」と注意されてそのまま友達の部屋に入った。
2010-10-16 23:29:16「んで、カードキーを置いたまま部屋を出てしまったわけですよ。このホテルってオートロックでしょ?しかもこのホテルの床って全部カーペットみたいになってるじゃん?俺カーペットの上靴で歩くとか考えらんないから移動するとき裸足で歩いてるんだよ。」 友達は俺の話を無視してモンハンをしている。
2010-10-16 23:32:14モンハンが終わった後、友達数人は俺を見て一斉に笑い出した。まずあり得ない状況に。次に平静を保ちながらも不安を隠しきれない俺の表情に。
2010-10-16 23:33:56俺は懇願した。誰か一緒にフロント行こうよ、俺の英語力じゃ多分通じないよ、ねぇお願いだから助けてよ…。 以前友達は笑ったままである。
2010-10-16 23:34:47「俺?やだよwwwwwwお前一人で行けよwwwww」 「カードキー置いてくる方が悪いんだろwwwwwww」 容赦のない、しかし反論のしようがない言葉を浴びせられる。
2010-10-16 23:35:44すでに恥は捨てた。しかも、「フロントまでついてきてくれたら10RM(日本円で270円程度)払うよ!」なんて叫んでいた。もう部屋に戻れればなんでも良かった。
2010-10-16 23:36:47ぼく「エ・・・エクスキューズミィ・・・」 フロント「?」フロントのお姉さんがこっちを向く。 お姉さん「What?」 ぼく「あ…えっと…きー!きー!キーを部屋にえっと…」 稚拙すぎる英語力が露わになる。
2010-10-16 23:38:59フロントのお姉さんは怪訝な表情でこっちを見ている。 ぼく「えっと!あ、そーだ、Room in the Key!(鍵のなかに部屋があります)」 お姉さんの表情が固まった。
2010-10-16 23:40:27「Room number?」と訊ねられて「ごーまるろく…」と日本語をしゃべり、友達にまたバカにされ、「ふぁいぶ、ぜぃろ、しっくす」と恐る恐る英語を発音し、結局聞き取ってもらえず筆談で交渉した。
2010-10-16 23:44:04お姉さんは慣れた手つきでカードキーを再発行してくれた。「テンキュー!テンキュー!」ネイティブっぽい発音で感謝して、部屋に戻った。
2010-10-16 23:44:59