井庭先生による「フューチャー・ランゲージ」(構築中)の概説

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井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

過去の成功例に見られる共通パターンを言語化する「パターン・ランゲージ」と、未来ヴィジョンを構成する要素を言語化する「フューチャー・ランゲージ」の両方を駆使して、個人・組織・コミュニティの自己形成を支援する。これから僕(と井庭研)がやりたいのは、そういうことです。

2013-12-12 08:56:06
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

「フューチャー・ランゲージ」(未来言語)というのは、僕が夏くらいから言い始めた、まだ構築中の新しい考え方です。未来ヴィジョンを、パターン・ランゲージのパターンのように小さな単位で記述する方法。ヴィジョンを構成する要素を、(いまのところ)What、Why、Howの形式で記述する。

2013-12-12 09:01:32
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

過去の事例をもつパターン・ランゲージよりも、フューチャー・ランゲージは、さらに仮説的なものとなる。しかし、大切なのは、それを一緒につくるという過程である。そるをつくるなかで、対話があり、観察があり、協働がある。その過程で、未来ヴィジョンについての理解や議論が深まる。

2013-12-12 09:06:09
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

その意味で、フューチャー・ランゲージは、シナリオ・プランニングとよく似ている。しかし、現状から演繹する未来像ではなく、理想像を描き、そこから現在の方に引き寄せる点と、つくるものが未来シナリオではなく、ヴィジョンをブレイクダウンしたランゲージ(言語)である点が異なる。

2013-12-12 09:09:52
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

パターン・ランゲージが過去から学ぶための方法だとすれば、フューチャー・ランゲージは未来から学ぶための方法である。

2013-12-12 09:12:53
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

未来ヴィジョンをパターン的な形式で記述するので、中埜さんや羽生田さんが言う「プロジェクト・ランゲージ」や、アレグザンダーの元同僚の建築家 Gary Black氏が言う「Project Pattern Language」は、フューチャー・ランゲージの先駆的な仕事と捉えられる。

2013-12-12 09:16:54
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

そう捉えると、「個々のプロジェクトのヴィジョンをパターン形式で書く『プロジェクト・ランゲージ』は、パターン・ランゲージの一緒である」と言うよりは、「フューチャー・ランゲージ(の一種)である」という方がしっくりくると思われる。

2013-12-12 09:21:46
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

フューチャー・ランゲージでは、未来ヴィジョンを構成する要素を小さい単位で言語化する。それぞれの要素について、そのヴィジョンでは何がよいとされているのか(価値:What)、なぜそれがよいのか(理由:Why)、それはどうすれば実現できるのか(方法:How)を書き、それに名前をつける。

2013-12-12 09:28:37
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

フューチャー・ランゲージのワークショップをこの夏2回実施した。ひとつは、小学校から大学までの教員と教育系企業・NPOの方との会ITS(今井むつみ先生と市川力先生と開催)。もうひとつは、高校生たちが参加したSFC未来構想キャンプ。ともに、理想の学びの場について考え、言語化した。

2013-12-12 09:33:31
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

自分たちの未来ヴィジョンについてのフューチャー・ランゲージをつくるということは、自分たちの未来を語る言葉を自分たちでつくり、それを使って未来を形づくっていくということである。自分たちの言葉をつくることで、未来への志向が高まると期待される。

2013-12-12 09:41:39
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

単なる未来志向では足元をすくわれる。だから、過去から学ぶ「パターン・ランゲージ」が重要になる。しかし、過去の成功パターンを持っているだけでは、未来へのつながりは見えにくい。そこで、「フューチャー・ランゲージ」が重要になる。

2013-12-12 09:47:06
井庭 崇(いば たかし) @takashiiba

このように、「パターン・ランゲージ」と「フューチャー・ランゲージ」は、創造的コラボレーションを推し進めるヴィークルの両輪なのだ。

2013-12-12 09:47:30