2013年12月13日

山本七平botまとめ/【「表組織」と「裏組織」①】/裏組織(派閥)を握る人間が、組織を動かす真のリーダーとなる日本社会

山本七平著『1990年代の日本』/(3)日本的集団主義の論理/「表組織」と「裏組織」/39頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

1】【日本的集団主義の論理「表組織」と「裏組織」】リーダーとは何か。 この特質が最も明確にわかるのが戦場の指揮官である。 というのは戦場は「敵戦力の破砕」という目的が明確であり、従ってリーダーの任務も明確になる。<『1990年代の日本』

2013-12-10 09:39:02
山本七平bot @yamamoto7hei

2】それを箇条書きにすれば、 ①目標を示し、 ②それに到達する方法論を示し、 ③その方法論に対応するよう組織を編制し、 ④全員をそれに基づいて動かし、目的を達成することにある。

2013-12-10 10:08:58
山本七平bot @yamamoto7hei

3】現代の社会は、国際的にも国内的にも、戦場よりもはるかに複雑だが、リーダーのあり方は基本的には変わりはないであろう。 そして前記の①から④までを可能にする基本的条件もまた変わりはない。 ではその基本的条件とは何か。

2013-12-10 10:39:08
山本七平bot @yamamoto7hei

4】それはその組織を完全に支配すること、 軍隊的表現を使えば「掌握」することであり、この前提がなければ、①から④までは単なる机上のプランになってしまう。 では完全なる「支配=掌握」はどのようにしたら可能なのであろうか。 ここでちょっと「原則論」にもどってみよう。

2013-12-10 11:08:58
山本七平bot @yamamoto7hei

5】現在では多くの人を「支配=掌握」しているのは企業であり、時には生殺与奪に等しい権力をもっている。 だが支配は必ずしも圧制を意図しない。 圧制的奴隷労働はきわめて生産性が低いことはローマ時代にすでに実証ずみであった。

2013-12-10 11:39:00
山本七平bot @yamamoto7hei

6】日本の場合、多くの人はその企業と一体化している意識をもっているから、その権力を否定するより、企業から排除されることを恐れ、排除されれば「人格喪失」のごとき状態になることも少なくない。 では一体なぜ、企業はこのような支配権をもちうるのか。

2013-12-10 12:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

7】「企業支配の正統性」、 これがほとんど論じられず、当然自明のことのようになっているのはなぜなのか? 言うまでもなく支配には「正統論」が必要なはずであり、これは国家であれ企業であれ変わりはない。

2013-12-10 12:39:05
山本七平bot @yamamoto7hei

8】そして欧米ならこの原則ははっきりしている。 すなわち企業=会社の所有権者は株主であり、株主は「所有権」すなわち使用・収益・処分の絶対的権利をもっている。 そして経営者と株主の間には一種の授権契約があり、それに基づいて経営者は経営に関する一定の権限をもつ。

2013-12-10 13:08:56
山本七平bot @yamamoto7hei

9】と同時に社員と会社の間には雇用契約があり、それに基づいて一定時間、自己の労働力を会社に売り渡している。 この売り渡した労働力をどう使うかは雇用契約に基づき、双方に、契約履行の義務がある。

2013-12-10 13:39:03
山本七平bot @yamamoto7hei

10】そこで、その契約に基づいて経営者は社員を支配し、掌握して、リーダーとしての権限を振るいうるわけである。 この関係は近代国家における統治権契約とよく似た一面をもっている。 そして日本の国家も会社も、形式的にはこれと同じはずなのである。 だが実態は決して同じではない。

2013-12-10 14:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

11】まず第一に多くの企業では所有権者が明らかでない。 いわば一義的かつ排他的にその企業への所有権を主張し、使用・収益・処分の絶対的権利を百%行使しうる者はいないのが普通である。 従って経営者は自己の行使している権限が所有権者との間の授権契約に基づくといった意識をもっていない。

2013-12-10 14:39:03
山本七平bot @yamamoto7hei

12】そして社員は自己と会社との関係は一雇用契約に基づくとも思っていない。勿論同じ事は政府にもいえるし政党にもいえる。 更にこれは最も西欧的な組織に造られた筈の旧帝国陸軍にもいえた事である。 この明治の初めに輸入された欧米的組織は政府・民間を問わず徐々に内的に変質していった。

2013-12-10 15:08:57
山本七平bot @yamamoto7hei

13】多くの人は、戦前と戦後の間は断絶しているように考えがちだが、この変質の過程で見るかぎり、戦後は、戦前から一貫して進んできた変質の過程がむしろ、戦後的に完成したという状態なのである。 それは言葉をかえれば、徐々にしてかつ着実な伝統復帰だということができる。

2013-12-10 15:38:59
山本七平bot @yamamoto7hei

14】と同時にリーダーのあり方も徐々に伝統的になっていき、それらが「民主的」という名で一種の「正統性」を得たのが現代であろう。 このことは日本の社会に「表組織」と「裏組織」があるということである。

2013-12-10 16:09:01
山本七平bot @yamamoto7hei

15】そしてその組織を動かす真のリーダーは裏組織を握っている人間であり、それがタテマエ論的組織とは無関係にその組織を支配し掌握する。 典型的なのが田中角栄であろう。 彼は自民党員ではない。 という事は、彼には私と同様、自民党に対して何の発言権も決定権もない筈である。

2013-12-10 16:39:09
山本七平bot @yamamoto7hei

16】だがその彼が現に自民党を支配し掌握し、キングメーカーであるという現実は否定できない。 これはタテマエの組織論がすでに自民党には通用せず、これをリードするには別の原則が、いわば自民党内に内在する別の組織を掌握することが必要なことを示している。

2013-12-10 17:08:59
山本七平bot @yamamoto7hei

17】ではその別の組織とは一体何であろうか。 人はそれを「派閥」という。 では一体「派閥」とは何なのか。 どのような原則に基づいて、この「派閥」という名の組織が発生して来るのか。

2013-12-10 17:39:01

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