#ごちそうさん 第12週 「ごちそうさんまでの日々」ArbUrtlaさんの感想まとめ

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67話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 実際の関東大震災でも完済までもが揺れたという。「震災という出来事」を捉える手法は『あまちゃん』の東日本大震災とは全く違うが、森下佳子とクドカンやドラマのジャンルの細かい差異もあるが、「震災が起きた日」とドラマ放映の間隔の差も関係しているのだろう「東京が全滅や!」

2013-12-16 12:47:26
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「ごちそうさんまでの日々」これは秋刀魚とかけあわせているのだろうが、震災で致命的なダメージを受けただろうめ以子の家族が、笑顔で物を食べておちつけるまでの経緯を端的に予見させるタイトルでもある。地震の報告のロングショットからめ以子のUPの抜きのタイミングが秀逸。

2013-12-16 12:49:21
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 悠太郎の職場で錯綜する情報。カメラが上手く下方から煽りで全体を撮り、二つの電燈を画に挿入する。その後「僕はお役にたてると!」と主張する悠太郎だが、窓からの逆光で悠太郎の主張が覆される事を端的に表している。一方西門家で項垂れるめ以子には、照明が当たらない。和枝の不在

2013-12-16 12:51:31
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 光り溢れる馬介での、室井カップルの葛藤。源太が走り回る食料パニック。それを見つめる希子。こういった交々を「描けなかった」クドカンの敗退は富野由悠季監督の指摘が的を射ている。「何もかもをも『情報の向こう側』で失う感覚」のもたらす残虐さは、人の社会に課せられた試練。

2013-12-16 12:54:09
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん オレンジの測光で静に気を使われるめ以子。食べ物がUPで写されてなお、それを拒絶し視線を逸らすめ以子。子の姿が「いつめ以子は笑顔で食べ物(生きるということ)に向き合えるのか」というテーマを表す。饅頭を5つ食べても、それはめ以子が求めてきた幸せではない。

2013-12-16 12:56:04
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 悠太郎の勇気、責任、愛情。恩師の手で東京へ導かれる悠太郎。当時東京では、当時の超高層建築・浅草十二階も崩壊し、一部の木造建築の「揺らぎ」があった建物ばかりが残ったという。希子の「小さな愛情」が、め以子への「永遠に失われない物」を示唆する。森下佳子節の永遠はテーマ。

2013-12-16 12:59:11
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「今日はなんですか?」「なーんでしょっ」いつものやり取り。いつもの姿。ドラマツルギー的にも伏線的にも、誰の安否も保証しない、死を仄めかさない冷静な筆さばき。それは森下佳子という作家が『世界の中心で、愛を叫ぶ』から徹底された「永遠への傾倒」僕達はそれを見守りとおす。

2013-12-16 13:01:42

第68話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 震災のライブフィルム。こういった演出も(様々な理由から)『あまちゃん』の東日本大震災ではとれなかった演出方法。情報がまだまだ速度が遅かったこの時代では、数百㎞のスパンの先の情報を得ようとするには限界がかなり近かった。め以子を思う静には、しっかりと変化が描かれている

2013-12-17 12:47:06
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 糠床の混ぜ過ぎで、逆効果を生んでも糠床(自分の出自)に固執してしまうめ以子。一人台所でうろつくめ以子の元には「いつものオレンジの灯」は差し込んでこない。照明演出の極み。陽光の中、炊き出しの現場に辿り着くめ以子は避難民の群れを見るが、そこでは悲惨さが際立つだけ。

2013-12-17 12:50:43
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん ドラマの中に於いて実際に起きた未曽有の大災害をどうガジェットとして活かしきるか。(3.11も含めた)人々が持つだろう傷や闇を描き出しながら、その中でもしっかりと森下脚本は、「『ごちそうさん』を与えたいめ以子」をくっきり描き出す。傷ついた被害者の叫びは現代とも繋がる

2013-12-17 12:53:33
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「あんたに私の何が分かるっていうの」それは現実社会での肥薩技の常套句。人が人の胸の内の全てを分かる事などあるわけがない。それでも手を取り合い、求めあうのが人であり社会の筈。め以子のブレない「『ごちそうさん』という笑顔を見たい」は、そこへの永遠の試練と挑戦になる。

2013-12-17 12:55:37
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 義父が言う「避難してきた人に救われてたんちゃう?」図星を突かれため以子は、自らを「どうしようもない人間」というが、義父との「どうしようもない者同士の癒しあい」は、市川森一氏が唱え続けた「そもそもエゴイストの人間が、他人の為に手を差し伸べるそれだけで奇跡」を表す。

2013-12-17 12:58:16
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん め以子は馬鹿だ。自分の想いと人への(淋しさゆえの)愛おしさを、料理を作る、食べてもらう、感謝される、というルーティンでしか自分を保てない。その「一番人の生理と日常の中で機能するはずの生き甲斐」は震災の前に無力だろう。人はいつでも自分が無力である所から成長をしていく

2013-12-17 13:00:48
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 昨日テープ起こしをした、市川森一氏のこの一節。https://t.co/33xmeXrzBT これこそが今日の義父とめ以子の対話によるテーマを端的に表してくれていると思う。今日の『ごちそうさん』には非難も多かったと聞くが、僕はいつもこうして縁に助けられる。

2013-12-17 13:06:40
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん やっぱり、という言い方をすると語弊を招居してしまうかもしれないが、今日のエピソードは東日本大震災で被災した人たちからは非難の嵐だったのであろうか? 個人的には震災というガジェットを最大限巧く活かしつつ、「人のエゴ・優しさ論」へ落とし込んだと思ってるのだけれども

2013-12-17 13:21:29

第69話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 炊き出しの避難所。か細く弱い照明の下。関西と関東の食文化の交流が続く中、アンニュイな表情の文。一方、そこをバックアップする調理場では、明々と光る電燈が二つ。時間設定や建物構造を考えても、個々で両所の画面内灯の強さを、ここまでコントラストさせるのは明確な演出意図。

2013-12-18 12:48:39
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 拒食症状態の文が、コミュニケーションをも拒絶する。「生きていこう」という気持ちを放棄した時、人は食事や睡眠、風呂や家事を無意識的に放棄していく。そこでめ以子は『北風と太陽』の北風ではなく、太陽のように、文に「生きたい」と思わせねばならない「食べたい」と。

2013-12-18 12:51:37
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 家に帰ってくるめ以子と紀子と静。「灯がともっていない扉」の前で悠太郎からの手紙をみつけ、オレンジの灯の部屋の下で手紙を読むめ以子。家族の無事を知る。共に喜んでくれる希子と静の笑顔も本物。その中で文を思いやるめ以子に「想像するって難しいね」と祖母。

2013-12-18 12:55:17
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 人生を達人として生き抜くために一番必要なのは「想像力」自分と違う性別、過去、地域を踏まえて生きてきた他人に対し、それを駆使して繋がり合う。「文はなぜ自分を責めているのか?」という想像の中で懸命に葛藤するめ以子と「人殺し!」と罵倒される正蔵への、僕達の想像力。

2013-12-18 12:57:41
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 文の命の灯が消え断とうとする流れの中で、希子の「ちぃ姉ちゃんのせいじゃないですよ」希子にはしっかりとした「想像力」が育っている。きつい陽光の下、運ばれていこうとする文。秋刀魚の香りで「命の反応」を示す文。人は死にたいとどんなに願っても、体は最後まで生きようとする。

2013-12-18 13:01:31

第70話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「たべものには力がある」その言葉を背中で聴いてハッとするめ以子。その背後には小さなオレンジの電燈が弱くともる(前回ではもっと強烈に光を発していた)

2013-12-19 12:47:03