第20回JSEPTICセミナー/第12回KYOTO SEPSIS Forum合同セミナー2013 Dec.14

2013年12月14日に開催された第20回JSEPTICセミナー/第12回KYOTO SEPSIS Forum合同セミナーのレビュー 講演1「COPD急性増悪の病態とその治療」 講演2「治療抵抗性肺炎について」 講演3「特発性肺線維症急性増悪の治療―現状とエビデンス」 続きを読む
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⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】12月14日,第20回JSEPTICセミナー/第12回KYOTO SEPSIS Forum 2013 Winter合同セミナー.総合テーマ:呼吸器疾患.JSEPTIC/INTENSIVISTの主要メンバーがほぼそろった形.後援はPfizer株式会社.

2013-12-16 11:12:44
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【講演会Rev】今回はINTENSIVIS第20号特集「急性呼吸不全」に沿った内容で,COPD急性増悪,治療抵抗性肺炎,IPF急性増悪のお話.私自身呼吸器内科医で日常診療範囲内のお話だったのであまりメモをとることもなく,なのでさらりとレビューします.

2013-12-16 11:25:50
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【講演会Rev】講演1「COPD急性増悪の病態とその治療」大西尚先生(明石医療センター呼吸器内科).COPD急性増悪の原因は感染性が60-80%,非感染性が20-40%(Ln 2012;379:1341-51).非感染性では心不全,PE,呼吸器以外の感染症,気胸等は除外する.

2013-12-16 11:29:53
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【講演会Rev】感染性では50%が細菌,30%がウイルス.細菌ではインフルエンザ桿菌,肺炎球菌,モラキセラの順に多い.ウイルス性ではライノ,パラインフルエンザ,インフルエンザ,RSが原因となる(NEJM 2008;359:2355-65).

2013-12-16 11:33:08
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【講演会Rev】非感染性では,冷気,大気汚染,アレルゲン吸入,喫煙,呼吸器治療のアドヒアランス不良などがある(Ln 2012;379:1341-51).大気汚染・環境因子は15-20%を占める(NEJM 2008;359:2355-65)

2013-12-16 11:36:47
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【講演会Rev】COPD急性増悪の治療の基本はABCアプローチ(抗菌薬Antibiotics,気管支拡張薬Bronchodilator,ステロイドCorticosteroid)である(Thorax 2006;61:535-44).呼吸不全あればNPPV,IMVなども行う

2013-12-16 11:40:30
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【講演会Rev】COPD急性増悪では原因が細菌感染か否かの鑑別は困難である.COPD患者は安定期でも喀痰からの菌検出が多いため,培養検出菌が起因菌であるかの鑑別は困難である.全例で抗菌薬投与を行うかについては議論されている.

2013-12-16 11:58:05
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【講演会Rev】COPD急性増悪において抗菌薬とプラセボを比較した173例DB-RCTでは,治療成功率は抗菌薬治療は68%,プラセボは55%,治療失敗率は抗菌薬19%,プラセボ10%.抗菌薬は中等症~重症では有効だが軽症では有効でない(AnIM 1987;106:196-204)

2013-12-16 12:05:40
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【講演会Rev】COPD急性増悪の喀痰培養陽性率は膿性痰で84%(77/87例は抗菌薬投与で改善),粘液性痰で38%(32/34例が抗菌薬なしで症状改善)であり,喀痰の膿性変化は,気道の細菌濃度の増加,喀痰中好中球の増加と関連(Chest 2000;117:1638-45)

2013-12-16 12:21:05
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【講演会Rev】コクランメタ解析では,中等~重症のCOPD急性増悪で抗菌薬が死亡率を77%減少(CDSR 2006;2:CD004403).IMVを要するケースでは経口OFLXの10日間投与で死亡率低下と人工呼吸期間短縮が報告された(Ln 2001;358:2020-5)

2013-12-16 12:25:30
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【講演会Rev】以上より,発熱,膿性喀痰,人工呼吸器を要するなどの重症例等では抗菌薬投与が推奨される.使用する抗菌薬については明確な指針はなく,起因菌を考慮した通常の肺炎診療と同様に考えてよいものとされる.その際,BLNARには注意が必要である.

2013-12-16 12:31:03
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【講演会Rev】私見:質問する時間がなかったが,大西先生はINTENSIVIST誌では「ESBL産生インフルエンザ桿菌を考慮」という記載をされていた.BLNARはそもそもβラクタマーゼ産生はしない菌.ESBL産生インフルエンザ桿菌は聞いたことがないのだが,あるんだろうか?

2013-12-16 12:36:13
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【講演会Rev】COPD急性増悪の抗菌薬投与期間については,主に外来患者が主体だが,5日以内と6日以上で検討された21報DB-RCTのメタ解析で,5日以内でも臨床的,細菌的回復は同程度であった.(Thorax 2008;63:415-22)

2013-12-16 12:40:02
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【講演会Rev】気管支拡張薬ではSABAとプラセボを比較した研究はなく,SABA(かなり古いメタプロテレノール)とSAMA(イプラトロピウム)の比較では有意差なし(Chest 1990;98:835-9).ただし日常診療ではSABAが好まれている.

2013-12-16 12:46:42
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【講演会Rev】メチルキサンチン(テオフィリン系薬)は入院率,入院期間,自覚症状を改善させる結果は得られず,嘔気,嘔吐の副作用が多く,COPD急性増悪患者では推奨しないと報告されている(BMJ 2003;327:643).

2013-12-16 12:51:29
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【講演会Rev】COPD急性増悪へのステロイド投与については,死亡率は改善しないが,酸素化,肺機能,自覚症状を改善し,治療失敗率を低下させ,入院期間を短縮する(AJRCCM 1996;154:407/Chest 2008;133:756/CDSR 2009;1:CD001288)

2013-12-16 12:58:51
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【講演会Rev】経口ステロイドの生体内利用率は極めてよく,投与後1時間で血中濃度がピークに達する.経口と静注の比較検討では効果は同等と報告されている(ERJ 2002;19:928-35/JAMA 2010;303:2359-67/Chest 2007;132:1741-7)

2013-12-16 13:08:14
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【講演会Rev】ただし,経口ステロイドの有効性は腸管吸収能が期待できる場合のみである.ステロイド投与を検討した2つのRCTで結果が異なったが,そのプロトコルの違いには投与経路があり,確実性が高いのは静注である.

2013-12-16 13:12:35
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【講演会Rev】ステロイド投与期間は2週vs8週で有意差なし(NEJM 1999;340:1941-7),3日vs10日で10日群が有意に改善(Chest 1999;340:1941-7),7日以下vs8日以上で有意差なし(CDSR 2011;10:CD006897)

2013-12-16 13:17:02
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【講演会Rev】また,INTENSIVIST誌に掲載されなかった最新の研究(REDUCE study)では,ステロイド投与期間5日vs14日で効果に有意差がなかった(JAMA 2013;309:2223-31).

2013-12-16 13:20:24
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【講演会Rev】COPD急性増悪では低酸素状態ならば,CO2ナルコーシスであっても一定のSpO2を保つための酸素投与は必要である.88-92%を保つように,できればベンチュリマスクを中心に酸素飽和度を調節するように酸素投与を行う.

2013-12-16 13:28:33
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【講演会Rev】COPD急性増悪に対しては昔は挿管人工呼吸が主体だったが,NPPVによって死亡率が59%減少することが報告された(BMJ 2003;326:185).NPPVは(CO2ナルコーシスによる意識障害があっても)早期に導入する.

2013-12-16 13:34:30
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【講演会Rev】補足:救急集中治療医の方々はNPPVが意識障害に禁忌であることは御存知だと思いますが,COPDのCO2ナルコーシスでの意識障害なら我々呼吸器内科医はNPPV装着を躊躇しません.エビデンスはまだありませんが,著効することは呼吸器内科医がみな経験的に強く感じています

2013-12-16 13:38:36
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【講演会Rev】導入時のpHの低下が高度であるとNPPVの失敗率は上昇するため,7.25<pH<7.35の時点で導入すべき(ICM 2004;30:1303-10).pH正常の軽症患者ではNPPVの効果はみられない(AnIM 2003;138:861-70).

2013-12-16 13:49:28
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【講演会Rev】補足:COPD+低酸素血症(+高炭酸ガス血症)だけでNPPVを装着させる先生がたまにいますが絶対にやめましょう.苦痛を与え合併症を増やすだけで解決になりません.COPD患者ではPaCO2のベースラインが高い患者も多く,それがその患者の正常値.必ず酸塩基平衡の評価を

2013-12-16 13:55:30
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