国際政治学の入門者向けブックガイド

国際政治学初心者のためのブックガイドを作成してみました。大学生だけでなく、国際政治に関心をもつ一般の方々にもおススメしたい書籍ばかりです。 高校生向けのブックガイド 「国際政治学に興味のある高校生」 http://togetter.com/li/563739 続きを読む
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国際政治学の入門書を紹介

法学たんの作成した、「法学入門者へのブックガイド」からの一部抜粋+αです。

より平易な本を知りたいという方は、「国際政治学に興味のある高校生へ」も参考にして頂ければと思います。

ハスノ @Morgenthau0217

法学たんの提案で、法学系の各学問分野の初学者向けのブックガイドをしていくことになったの( ´ ▽ ` )ノ 私も誘われちゃった、うれしいっ♪ そういうわけで、国際政治学の入門書を紹介していくわ!出版社は省略するね。邦訳された外国書籍の場合は翻訳者も省略(アマゾンで調べてね!)。

2013-12-04 22:14:56
ハスノ @Morgenthau0217

中江兆民『三酔人経綸問答』 明治時代に書かれた日本人による古典的名著。国際政治学の初学者に一番最初に読んでほしい本だと、個人的に思います。非武装平和主義を掲げる理想主義の洋楽紳士くん、拡張主義を唱える豪傑くん、そして現実的な南海先生。三人がお酒を飲みながら軽快に討論するわ!

2013-12-04 22:16:07
ハスノ @Morgenthau0217

高坂正尭『国際政治』 1966年に書かれた本なので、古くなっているところもあるけれど、国際政治の本質は今も当時と大きな変化はありません。理論でガチガチに固めたリアリズムではなく、深い歴史の知識と人間に対する洞察に基づく高坂先生一流の柔軟なリアリズムを堪能してね。名著中の名著!

2013-12-04 22:18:12
ハスノ @Morgenthau0217

@Morgenthau0217 【訂正】 誤 高坂正 正 高坂正 でした…いつもは間違えないのに。高坂先生、ごめんなさい。

2013-12-04 22:22:04
国際紛争 原書第9版 -- 理論と歴史

ジョセフ・S.ナイ ジュニア,デイヴィッド・A. ウェルチ

ハスノ @Morgenthau0217

ジョセフ・ナイ『国際紛争』 ハーバード大学の講義のために書かれた国際政治の入門テキスト。おそらく世界で一番有名な教科書で、世界各国の大学生が読んでるわ。第8版からはデイヴィッド・ウェルチが執筆に加わって、理論と歴史を踏まえたバランスのよい分析枠組みを私たちに提供してくれます!

2013-12-04 22:20:41
ハスノ @Morgenthau0217

田中明彦『新しい中世』 面白さ100点、分かりやすさ100点!国際政治の恰好の入門書!前半では極構造と国際システムの安定、相互依存論、世界システム論の概観を学ぶことができ、後半の「三つの圏域」論によって、リアリズムとリベラリズムそれぞれの有効性と空間的制限について理解できるわ。

2013-12-04 22:28:33
ハスノ @Morgenthau0217

@Morgenthau0217 『新しい中世』は、是非ナイの『国際紛争』の副読本として読んでほしい。また、本書の前に同著者の『世界システム』を読めば本書の理解はさらに深まり、本書の後に『ポスト・クライシスの世界』を読めば世界はさらにぐんと広がるでしょう。

2013-12-04 22:30:12
政治学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)

久米 郁男,川出 良枝,古城 佳子,田中 愛治,真渕 勝

ハスノ @Morgenthau0217

久米郁男、川出良枝、古城佳子、田中愛治、真渕勝『政治学』 有斐閣のNew Liberal Arts Selectionというシリーズの政治学。政治の課題から政治理論、行政学、地方自治、国際政治まで、政治学の全体像を体系的に解説。同じシリーズの『国際政治学』も高水準のテキストです!

2013-12-21 16:51:41
国際政治学をつかむ (つかむシリーズ)

村田 晃嗣,君塚 直隆,石川 卓,栗栖 薫子,秋山 信将

ハスノ @Morgenthau0217

村田晃嗣、君塚直隆、石川卓、栗栖薫子、秋山信将『国際政治学をつかむ』 ジョセフ・ナイの『国際紛争』は分析枠組を得るには素敵なテキストだけど、国際政治学全体を網羅して基本的な知識を知るには不十分。そこで紹介したいのが本書、初学者向けの平易な文章だけど網羅性の高い優れた教科書。

2013-12-04 22:46:20
ハスノ @Morgenthau0217

松岡完『20世紀の国際政治』 20世紀国際政治史としては、他に 福田茂夫、他『二十世紀国際政治史』 石井修『国際政治史としての20世紀』 があるけど、一番コンパクトで平易なのは松岡完氏のこれ。現代史に興味のある高校生にもオススメです。巻末の参考文献も大いに利用しましょう!

2013-12-12 22:22:05
ハスノ @Morgenthau0217

入江昭『日本の外交』 明治初期から1960年代までの日本外交史、あるいは外交思想史とでも呼ぶべき著作。条約や国際会議などの年表的な史実の羅列よりも、日本外交を担った人々の思想的背景の流れに重点を置いているの。「当時の日本の指導者や民衆の、世界の諸問題に対するとらえ方」がわかるわ。

2013-12-04 22:23:38
ハスノ @Morgenthau0217

五百旗頭真[編]『戦後日本外交史』 占領期から今日までの日本外交を10年刻みに分析・考察した、極めて密度の濃い外交史。執筆陣も第一線の研究者で、信頼できる内容です。巻末の読書案内も素敵。国際政治学徒でなくても教養として是非読んでおきたい、戦後日本がどう歩んできたのかを知るために。

2013-12-04 22:47:29
ハスノ @Morgenthau0217

渡邊啓貴[編]『ヨーロッパ国際関係史』 ヨーロッパは国際政治が誕生した地。国際政治史を学ぶなら、何はともあれまずはヨーロッパ。本書は三十年戦争から現代史までのヨーロッパの歩みを躍動感溢れる記述で解説。近代以前からWWⅠまでを扱った君塚直隆『近代ヨーロッパ国際政治史』もオススメ。

2013-12-12 22:20:27