131013 防砂分野にみる特許活用についての考察

「特許権理科状況にみる防砂分野でのソフト対策技術の開発動向と特許活用上の課題」というレポートがTLに流れてきて、暇だったので考察したときのまとめ
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弦音なるよ @naruyo_t

ちょっと面白いので考察してみた(続く) RT @conductor_hvk: 特許権利化状況にみる砂防分野でのソフト対策技術の開発動向と特許活用上の課題 (砂防学会誌 Vol. 61 (2008) No. 3 p. 15-26) https://t.co/YsTIaaoObk

2013-10-13 19:26:53
弦音なるよ @naruyo_t

1)まず驚くのが低い審査請求率。出願から3年以内に審査請求しなければ審査されず特許にならない。のに全体で半数以上が未審査請求。 出願内容は公開されてしまうので、その前にきちんと取り下げてるんだろうか。「半数」は無視できない数。そのへんちゃんと弁理士はアドバイスしてるんだろうか

2013-10-13 19:28:46
弦音なるよ @naruyo_t

2)もちろん特許は誰よりも早く出願する必要があるので、まずとりあえず出願して、審査請求するかどうかはその後ゆっくり判断、というのはアリだと思う。

2013-10-13 19:29:08
弦音なるよ @naruyo_t

3)次に活用状況だけど、特許を取ってメリットを感じている点の最大が「技術力のアピールができた」。それはいいんだけど、「他社の参入に対して訴訟を起こすというのは業界ではできない」というコメントとセットなのがヤバい。なぜかというと、

2013-10-13 19:29:54
弦音なるよ @naruyo_t

4)結局特許を取っても独占には繋がらず、単なる営業トーク用のトピックスにしかなっていないということだから。それだけのために高い審査請求料、登録料、弁理士費用を払って、本当にペイしているのだろうか。「費用対効果よくない」というコメントがあるのも気になる‥。

2013-10-13 19:30:47
弦音なるよ @naruyo_t

5)もちろん、ライバル会社よりもウチは特許が多いですよ、と言えることは大切なことだと思う。その事実を得るためだけに数十億、数百億かけるというのも、経営判断としてはアリのはず。ただ、もし特別な判断をしたわけでなく、ただなんとなく出願してるとしたらヤバい。

2013-10-13 19:32:07
弦音なるよ @naruyo_t

6)なお、特許を取ったメリットで「新規技術領域を確保」が第2位に挙がってる。でも業界として権利行使できないのだとしたら、特許は参入障壁として機能してないわけで、確保できたのが特許のおかげなのかどうかはちょっと怪しい。

2013-10-13 19:32:49
弦音なるよ @naruyo_t

7)「特許を取れたから技術領域を確保できた」のではなく、「特許を取れるほどの技術力があるから技術力が確保できた」が正しいのでは。だとすると、別に特許出願はしなくてもよかったんじゃ‥と思う。むしろ技術が公開されて、他社にヒントを与える結果になりかねない。

2013-10-13 19:33:15
弦音なるよ @naruyo_t

終)こういうアンケート結果を見ると、特許制度って本当に産業発達に役立ってるのかなと疑問に思ってしまう。社会的なコストに過ぎないのではないか。。

2013-10-13 19:33:25
弦音なるよ @naruyo_t

それにしても砂防分野ってマニアックな分野だなあ。

2013-10-13 19:33:51
弦音なるよ @naruyo_t

待てよ。「XX社さんが特許取ってるから、この業界的に権利行使されることはまあまずないと思うんだけど、XX社さんリスペクトして、うちではこの技術は使わないでおこう」とか判断できるホワイトな業界がこの世にあるということなのだろうか。

2013-10-13 19:42:56
弦音なるよ @naruyo_t

防砂業界は権利行使のあまり起きない業界らしかったからわかりやすい(あんまり特許出願しなくてよさそう)。でも権利行使が行われてる業界だと、特許の価値評価が難しくなりそう。

2013-10-13 19:46:54
弦音なるよ @naruyo_t

費用対抗かの観点で一体何件出すのが適正で、何件以上は出しすぎなのか、本当は見極められれば一番いい。特許なんて無理にでも出そうとすれば、いくらでも量産できるのだから。

2013-10-13 19:48:25

付記:その後いただいた会話もまとめ

弦音なるよ @naruyo_t

技術がソフトウェアになり、オープン化され、クラウドの向こうに行くようになって、防砂業界の話は他人事ではなくなっている。

2013-10-13 19:50:06
ken @ken1ro_sato

@naruyo_t 同感です。日頃中小企業様中心に支援させて頂いていて痛感してます。

2013-10-14 00:56:37
弦音なるよ @naruyo_t

@ken1ro_sato コメントどうもありがとうございます。他にも製品(または機能)のライフサイクルがどんどん短くなってる気がするのも気になります。先端デバイスでは特許は重要であり続けるのでしょうが、ソフトウェアに近いところでは、特許では競争力は出しにくくなるのかも。。

2013-10-14 01:46:48
ken @ken1ro_sato

@naruyo_t そしてソフトウェアから遠い(?)ところは意匠権で…となると、不確実性が相対的に高い特許って(費用対効果含め)一体何なんだろう?と私も日々自問自答してます。(貴ブログ拝読しました。大変勉強になりましたm(_ _)m )

2013-10-14 02:09:05
弦音なるよ @naruyo_t

@ken1ro_sato おお、意匠も活用されているんですね。ちなみに実用新案は使われていますか? 中国ではずいぶん使われてると聞いてます(向こうは評価書提示義務がないので濫用も多いみたいですが)。

2013-10-14 10:21:13
ken @ken1ro_sato

@naruyo_t クライアントに実案を勧めることはないですね。むしろ、クライアントが実案出願を考えてると言ったら全力で止めます(笑) 戦略戦術を検討する上で完全に対象外です。

2013-10-14 11:10:41
弦音なるよ @naruyo_t

@ken1ro_sato おお。それは(評価書取ったり必要で)結局警告するのが大変だからですか? それとも権利取れても「実案持ってます」だと広告になりにくいからですか? 私個人としては、他社が特許持ってるよりも実案持ってるときの方が警戒します。潰しにくいので。

2013-10-14 11:22:46
ken @ken1ro_sato

@naruyo_t 前者についてはその両方ですね。後者については…ここには書ききれません(-o-;)

2013-10-14 11:32:15
弦音なるよ @naruyo_t

@ken1ro_sato 色々参考になります。どうもありがとうございます!やっぱりちゃんと審査された権利の方が使い勝手はいいですよね。

2013-10-14 11:55:19
ken @ken1ro_sato

@naruyo_t そうですね。まぁでも中小企業の場合、使い勝手以前に、もっと上流の話が中心ですが(^_^;)

2013-10-14 12:05:29
弦音なるよ @naruyo_t

@ken1ro_sato 特許は維持費も高いので、特許取れたらうまく事業に活きるといいですね。

2013-10-14 23:43:29