131201 知財学会2013講演のまとめ

日本知財学会で聞けた講演のまとめ。聞き取りメモに基づいていて私の誤解・曲解もあるかもしれず、そのあたりはご注意下さい。
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弦音なるよ @naruyo_t

知財学会1日目。所用あり途中からの参加になってしまった。相変わらず玉石混淆甚だしく、5000円(それでも弁理士割引価格)の価値があったかというと微妙。明日の講演に期待したい。

2013-11-30 12:53:22
弦音なるよ @naruyo_t

知財学会2日目終了。やっぱり玉石混淆というか、そのタイトル釣りじゃん!って発表あったけど、参考になる知見もいくつ変えられたので、あとでレポートツイードします。

2013-12-01 15:03:14
弦音なるよ @naruyo_t

お肉に下味をつけたので、ご飯が炊けるまで、知財学会で気になった点をツイートします(今日はステーキです)。書き取りメモに基づくので、不正確な点があるかもしれません。その辺り踏まえていただけるとありがたいです。

2013-12-01 19:14:13

知財学会講演のまとめ

弦音なるよ @naruyo_t

1)『電子書籍普及のための方策と権利のあり方』日本大学大学院・吉川里奈氏 電子出版を保護する権利の創設として2つの方向性があり、①既存の出版権の権利範囲拡大、②電子出版のみに対応する専用の権利【続

2013-12-01 19:14:42
弦音なるよ @naruyo_t

承前】吉川氏は、電子出版を保護する権利を新たに立てるべきとの見解。電子書籍のみのコンテンツも多く、ユースケースも紙の出版とは異なるため。 また、紙の本は所有権あるが、電子書籍は「読む権利」である(再販できず、アカウント消えると読めなくなる)という指摘はなるほどと思った。【続

2013-12-01 19:15:02
弦音なるよ @naruyo_t

承前】個人的には、3DプリンタのCADデータ等も含めて、電子的コンテンツを保護する専用の規定を用意するのはアリだと思う。ただし、不正コピーされてもどこまで侵害立証できるかは課題であり続ける。結局技術的解決のが重要そうだが、それを後押しする法整備も必要。【続

2013-12-01 19:15:43
弦音なるよ @naruyo_t

承前】ところで質疑で出た話として、「著作物は自分が産んだ子といっしょだから、著作権訴訟は知財高裁でなく家庭裁判所でやるべき」という青学の先生の言葉が紹介されていた。笑い話ではあろうけど、素敵な視点だと思った。

2013-12-01 19:16:01
弦音なるよ @naruyo_t

2)『知財としてのビッグデータ』という発表あったけどビッグデータ関係なかった・・・。データベースを借し出したとき、データをパクられたらどうしようという問題。 ただビッグデータでは、データベース所有者側にユーザからアクセスさせるのが主流のはず。【続

2013-12-01 19:16:29
弦音なるよ @naruyo_t

承前】盗まれてしまったら対処難しい、というのはクラウド全般の課題としてここにもある。繰り返しになるが、クラウド上での保護は、法律よりも技術的な課題になりそう。【続

2013-12-01 19:16:46
弦音なるよ @naruyo_t

承前】ところで質疑でどこかの先生が「ビッグデータは生データの形で集積されるので著作権なし、というのが学会の主流見解」と述べてた。でも実務上は2値化や形式化やNOSQLへの落とし込みといった最低限のデータマート化はするはずで、著作権性生まれないことはないはず。

2013-12-01 19:17:35
弦音なるよ @naruyo_t

3)『著作権法における規範的主体論と差止めの範囲に関する検討』東京理科大学大学院・安田和史氏 違法コンテンツ拡散にあたり、リンクを集めた「リーチサイト」が現状では大きな問題、という論点。【続

2013-12-01 19:17:53
弦音なるよ @naruyo_t

承前】動画サイトには①ビューア機能、②検索機能、③ストレージ機能があり、これらが水平分業されているという分析はおもしろかった(リーチサイトは検索機能のみを担う)。あとは法理論の話だった。 個人的には、どんな理論でも構わないけどこういう侵害態様叩けなきゃ著作権法意味ないと思った。

2013-12-01 19:18:17
弦音なるよ @naruyo_t

4)『技術移転に適した大学知財の特許表現手法についての考察』アステック特許事務所・松山裕一郎氏 『技術移転を見据えた大学知財の権利化についての考察』首都大学東京産学公連携センター・阿部紀理子氏 個人的にはけっこう気付きをもらえた発表だった。【続

2013-12-02 02:03:12
弦音なるよ @naruyo_t

承前】基本的にはどうやって明細書を書くかの話で、その辺りはごくごく当たり前の話しかなかった。請求項のカテゴリしっかりしましょう、とか。注意点の1つで「ターゲット企業を想定した明細書」とあったけど、この「ターゲット」の意味がおもしろかった。【続

2013-12-02 02:03:47
弦音なるよ @naruyo_t

承前】事業者の場合、特許のターゲットとは「競合企業の競合製品」だったり。トロールなら「お金をせびりたい企業の製品」だったり。これら相手企業の製品が将来出てくることを狙って特許を取り、実際に商品として出たら攻撃する。ところが大学知財は違う。【続

2013-12-02 02:04:35
弦音なるよ @naruyo_t

承前】だから大学は、特許取って企業攻撃して「差止られたくなかったらライセンス料払え」とかやるつもりなくて、「企業が欲しがる研究内容を表現するような特許」を作ろうとする。【続

2013-12-02 02:05:33
弦音なるよ @naruyo_t

承前】そもそも企業が大学特許にお金を払うのは、その特許が欲しいというよりは、いっしょに研究をしたいから。中小企業の技術移転や、銀行の融資もそうだけど、結局特許の価値はよくわかんない。実情は事業や研究への投資であって、特許はあくまでその名目として使われるだけ。【続

2013-12-02 02:05:07
弦音なるよ @naruyo_t

承前】企業側としては、もし大学との共同研究成果を事業化したとき、手元に特許ないと困ってしまう。だから、そのとき「企業にとって」使いやすい特許を予め用意してあげることが、産学連携における大学特許出願の目的と言える。この視点は私にはなかった。【続

2013-12-02 02:06:15
弦音なるよ @naruyo_t

承前】ただ個人的には、例えば取れた特許について、トロールまがいの民間ファンドに売ることもアリだと思う。彼らはガチで権利行使するので、企業としては特許がファンドに流れる前に、大学にお金払って買い取りたいと思うはず(これは別途ブログでも触れます)【続

2013-12-02 02:07:18
弦音なるよ @naruyo_t

続】本題と外れるけど、ひどい特許事務所も紹介されてた。方法クレームしか出さない、実施例が論文のコピペ、請求項が実施例の物質そのもの、等。そういう事務所は大学ナメてるんだろうけど、仮にも士業名乗ってて、プライドとかないのかな…。

2013-12-02 02:07:50
弦音なるよ @naruyo_t

5)『知的財産権を用いた資金提供・調達について』横浜国立大学大学院・原謙一氏 資金提供者・調達者へのアンケート結果の紹介で、回答数それぞれ60社。知財への融資・投資といっても、映画著作権が多いみたい。理由は評価しやすいから。知財の価値評価は大きな課題とのこと。

2013-12-02 02:09:21
弦音なるよ @naruyo_t

6)『特許情報から見るキーマン依存度のパフォーマンスへの影響に関する一考察』知的財産研究会IPLounge・竹内均氏 出願件数の多い発明者や企画者が、企業の業績にどれだけ影響を与えているかの研究。【続

2013-12-02 02:09:41
弦音なるよ @naruyo_t

承前】自動車業界においては、キーマン(出願数の多い発明者)の出願をウォッチすることで、ある程度の開発動向を予測できるかもとのこと。各社とも、新型車両が出る3年前に関連出願を出ている可能性。また、ホンダは特にキーマン依存が高い。【続

2013-12-02 02:10:07
弦音なるよ @naruyo_t

承前】特に日本は転職が少ないのでこういう分析が成り立つのかも。キーマン追いかければある程度企業動向見えますよ、というのは大きな研究成果の気がする。他社ベンチマーク時に、キーマン特定して分析すれば、見るべき公報の量が減るので、定性分析までできるかもしれない。これは大きいと思った。

2013-12-02 02:11:19