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作戦終了、帰還した。 俺の名はスーパー長門だよー……ふふ、怖いか? 主砲と火力だけが自慢なの。これなら夜戦もバッチリです! それはそうと、千代田も強くなってるかしら? あと、長門ちゃんのことは嫌いになっても、駆逐艦のことは嫌いにならないでください!
2013-12-23 22:15:40そもそも、夕雲型は本当に実在するのだろうか。各海域に出撃しても出てくるのは金剛型ばかりで、「英国で生まr(ガシャン」と門前払いされる日々が続いている。
2013-12-24 00:18:40「三隈も出ない、夕雲も出ない、巻雲も出ない、秋雲も出ない、長波も出ない、木曾は未だに改装前、響はLevel50でストップ。はは、心が折れそうだな。……なぁ、疲れたよ矢矧……慰めてくれるか……」と提督が誰も居ない空間に向けて喋りかけている。俗に言うエア艦娘現象である。
2013-12-24 00:22:37遂に我が鎮守府の司令官室に炬燵が導入された。愛しの駆逐艦達も司令官室へと殺到しているのだが、私がその炬燵の中に入ると何故か急用を思い出したかのようにそそくさと帰っていく。少しばかり悲しいのだが、そういうプレイだと思えば興奮してきた。もっとやれ。
2013-12-24 08:16:13ちなみに私の鎮守府の提督は女性なのだが、根っからの軍人気質からか相当気性が荒い。どのぐらい荒いのかというと摩耶と天龍が提督を『姉御』と慕い、霧島とガチの殴り合いをする程度だ。最近では口だけの無能な上司を病院送りにしたと聞く。怖い。
2013-12-24 09:15:10ちなみに私の鎮守府の提督は女性なのだが、何故か戦闘能力も高い。以前、腰に差している軍刀で飛んでくる銃弾を叩き切っていた事があった。女性云々以前に本当に人間なのか疑わしくなってくる話だな。
2013-12-24 10:15:29私が駆逐艦に欲情していると、何処からとも無く背後に陸奥が現れて「長門姉がいま感じている感情は精神的疾患の一種よ。しずめる方法は私が知っている。私に任せて」と耳元で囁いて胸に手を伸ばしてくるのだが、色んな意味で大丈夫だろうか。
2013-12-24 11:15:37今日はクリスマス・ディと言う日らしい。世間では大型建造、特別海域で盛り上がっている中、我が鎮守府はせっせと資材集めへと旅立っていた。 ……おい、提督。
2013-12-24 17:41:28談話室の冷蔵庫に隠しておいた日本酒を取り出している所を陸奥に目聡く見つけられた。 ……まぁ、彼女には特に隠す理由も無いので話しておくか。
2013-12-24 19:00:47「今日は久方振りに提督と酒でも酌み交わそうと思ってな。たまには、子供抜きに大人の女性同士で話を弾ませるのも悪く無いだろう」 「……ねぇ、長門姉。頭打った?」 「ああ、今の一言で陸奥が私をどう思っているかよく分かったよ」
2013-12-24 19:05:37私が駆逐艦に欲情をしているのは確かだが、だからと言って他の皆を蔑ろにしている訳ではない。むしろ、非常に好ましく思っている。そのような旨を陸奥に告げると、「……長門姉のそういう所、好きよ」と言ってくれた。……ははは、照れるな。
2013-12-24 19:10:35「いや、長門姉がサンタの格好をして駆逐艦の部屋に忍び込むんじゃないかって心配だったのよ」 「おかしな事を言うのだな。実在する人間に化けてどうする」 「え?」 「良い駆逐艦達にはクリスマスの日にサンタがプレゼントを持ってくる。そんなことは常識だろう?」 「ゑ?」
2013-12-24 19:15:37「しかし、サンタというのは摩訶不思議な生き物だな。風の様に現れて、子供達に幸せを振りまいたと思えば影も形も消え去る。実に素晴らしい人間だと私は思う」 「……あの、ね。長門姉」 「ん、どうした陸奥。――ああ、そう言えば」
2013-12-24 19:20:36「いやな。小耳に挟んだのだが、戦艦達にも良い子にしている艦娘にはプレゼントを与えてくれると言う噂を聞いてな。昨日から少し心が浮ついているんだ。……これは、秘密だぞ?」 「……」 陸奥が憐憫の目を私に向ける。……いや、確かに私は良い子とは程遠いが、期待するくらいは自由だろうに。
2013-12-24 19:25:36それから暫く、陸奥と益体の無い会話を楽しんでいたが、突然に紅白に彩られた包装紙と、沢山の玩具を胸に抱えた日向が談話室へとやってきた。一人プレゼント交換会でも始めるつもりだろうか。
2013-12-24 19:30:41「長門、ここにいたのか。お前も駆逐艦達に向けてのプレゼントの包装を手伝ってくれないか?」 「プレゼント、だと? ……それにしては、妙な時間帯だな。既に眠っている駆逐艦も居るだろうに」 「だからだろう。サンタのフリをしてプレゼントを置いていくには好都合だ」 「え?」
2013-12-24 19:35:37「どうした長門、手が震えているぞ」 「…………なぁ、日向。お前に一つだけ質問をしたい。サンタは、本当に居ないだろうか」 「どうした急に。そこはかとなく哲学的な質問だな。 ……まぁ、事実だけで言うのならサンタは居ないな」 ……そうか。 …………そうだったのか。
2013-12-24 19:40:37「……サンタは、居ないのか?」 「どうしたんだ長門、眼が怖いぞ」 「良い子にしていれば、戦艦達にもサンタが来ると聞いていたんだぞ? ……それなのに、サンタは存在しないのか?」 「……まさかお前……信じて、いたのか?」
2013-12-24 19:45:38「ふふ……はははは、はははは! そうか、そうだよな! 眠りに付いている間に欲しい物を枕元に置いてくれる都合のいい存在など、あるわけがないだろうに! そんな物を信じるなど、戦艦長門、お前何処まで愚かなのだ!? はは……はーっはっはっはっは!」 ――ああ、私の夢が、心が砕けていく。
2013-12-24 19:50:36我、八八艦隊計画の第一号艦、戦艦長門。大敵ヲ撃チ滅ボシ、大日本帝国ニ勝利を与ヘルガ為ニ呱呱ノ声を上ゲタ兵器也。 思索スレバ自明ノ理。抑(ソモソモ)ノ始マリカラシテ誤(アヤマチ)。其レ即チ、敵国ノ祝日ヲ祝フコト。サウ、其レガ全テノ災禍ノ発端也。
2013-12-24 20:00:37「そう。私は兵器。敵を殺す物。その本懐を果たすべく、ちょっと装甲戦姫を潰してくる」 「な、長門姉ー!」 背中に掛けられる温かい声から逃げるように、私は廊下の窓を突き破り、暗い海へと走って行った。 ――頬に伝うこの雫は、飛び散った海水に違いない。
2013-12-24 20:07:34