芝村裕吏(@siva_yuri)氏の語るヘリ空母という類別

今回はヘリ空母が類別としての「ヘリ空母」となるまでの経緯や類似する艦種その周辺のお話。
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芝村裕吏 @siva_yuri

ん。ヘリ空母の話の続きが要望されとるな・・・ みんなミリタリー好きねえ。

2010-10-19 00:54:27
芝村裕吏 @siva_yuri

前回、イギリス海軍のヘリ空母の話をしましたが、これはハリアーを運用する関係で、最終的にその名前は、最終的に軽空母に類別されることになりました。中程度の国力の国でも運用出来て、遠隔地に植民地を持つ国では有用性が認められ、以後、整備が行われます。

2010-10-19 00:56:22
芝村裕吏 @siva_yuri

ま、”ヘリ”空母なのにヘリだけ運用してないじゃんという、そう言う話ですね。 これは、多くの軍事専門家が、……残念なことに我が国も含みますが、それまでの自説(ヘリ空母は使えない)と整合性をとるため、無理矢理つけたカテゴリと、いえなくもないです。

2010-10-19 00:59:03
芝村裕吏 @siva_yuri

なんかそんなにまでして……かほどまでこだわるつかえないヘリ空母説が成立したのには、もちろん理由があります。 アメリカ海軍の例があったからです。

2010-10-19 01:00:38
芝村裕吏 @siva_yuri

空母の価値が搭載機によって決まるとは、前回お話しました。 搭載機は年々性能をあげます。 で、かつてはそれに伴い、どんどん大型化していっていました。 結果、空母は大型化せねば価値を落とすとなりました。

2010-10-19 01:02:28
芝村裕吏 @siva_yuri

搭載機が空母の価値→搭載力が空母の価値 になってるわけですね。 ここで問題になったのが、旧式の空母、特に第二次世界大戦の空母をどうするかで、イギリスははやばや整理をしていましたが、アメリカは捨てきれず、再利用法を模索していました。

2010-10-19 01:04:18
芝村裕吏 @siva_yuri

で、模索の結果として、固定機運用をあきらめてヘリ運用に特化したヘリ空母っぽいのをつくりますが、この辺が軍事の変なところでして、これ、後の時代ではヘリ空母の類別にはなりませんでした。

2010-10-19 01:05:43
芝村裕吏 @siva_yuri

というのも、1500人の海兵隊をつんで、ヘリボーンやろうという考えで使ったからであり、これは後の、ヘリタイプの強襲揚陸艦の元祖になりました。 この運用に成功して、後、新規に同じ目的の船を建造したわけですね。

2010-10-19 01:07:34
芝村裕吏 @siva_yuri

我が国で言うところのおおすみ級輸送艦です。 類別は輸送艦、もしくは強襲揚陸艦ですね。ただ、当時は揚陸艦はランプ装備したLST型と相場がきまっていたので、この辺、初代は名前が空母になってるというわけです。

2010-10-19 01:08:59
芝村裕吏 @siva_yuri

なので、前回お話したものとは、少しばかり、系統というか、運用概念が違いますね。 似たような物として正規紀空母から格下げされて対潜空母になったものもありました。こちらのほうはヘリばかりではなく、S-2トラッカーくんがつんであったりします。なので、ヘリ空母とも言われず。

2010-10-19 01:12:28
芝村裕吏 @siva_yuri

この辺を見て、重量(軽空母)とか、搭載機(ヘリ空母)とか、任務(強襲揚陸艦、対戦空母)とかが入り交じってるんだと思っていただけると、話が早い。 そうなんです。 ぐちゃぐちゃというか、ぐちゃぐちゃになっちゃったんですね。

2010-10-19 01:15:29
芝村裕吏 @siva_yuri

理由は大は議会対策としての艦種区別やそれにともなう人事、小は軍事専門家のどうでもいい矜持まで、色々まざっております。 いずれにせよ。私が素人向けに説明する際には、これらを勘案して、現代型軽空母の第一号を例に説明しています。

2010-10-19 01:19:17
芝村裕吏 @siva_yuri

で。ヘリ空母とはちょいと違うんですが、類別が変なのと言えば実質ヘリ空母/軽空母なのに航空巡洋艦を名乗るキエフ級航空巡洋艦などがあります。これ、国際条約で空母通行を禁じたボスポラス海峡を通過する必要から、政治的についた名前と言われています。

2010-10-19 01:22:41