セカイ系、日常系、まどか☆マギカ劇場版（メモ）

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セカイ系は自分の恋愛物語に唯一のかけがえのない全能感を付与する機能だと思っている。普通の恋愛物語なら、ありふれたその物語が語られる動機も、その物語のありふれた主人公が巻き込まれる理由もないから

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何らかの特別なコストを支払って特別な能力を手に入れた主人公、ではなく、特別な何かに選ばれてしまったことで、コストを後払い的に請求される主人公

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本来ならありえないはずの図式を欺瞞的に描いて、そこに苦悩するふりをする。しかし結局は物語内でコストは支払いきれて、ハッピーエンド、もしくは少なくともマイナスにはならないのだから、これはごまかし

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日常系、空気系は、異世界空間。フィクションならすべてに共通する、ここ以外のどこかという機能を純化したものと捉えている。ただしループものではなく、確かに過去という価値が蓄積されている物語。だから基本的にヒロインも場所も作品も可換

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一見、僕らの世界はループする日常に見える。それをダイジェストに圧縮して時間の流れを感じさせ、かつ物語を消し去った停滞の価値の再確認

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フォロワーさんのまどマギ叛逆の感想を読んでたんだけど。まどマギ映画は前半を日常アニメ、後半をメタ日常アニメとして捉えるべきなんじゃないかなというのが僕の考え。前半においてのほむらの自己言及につながる世界への懐疑は虚構へのそれと繋がり、後半を導く

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至って、後半においては前半が何者かに支えられた、自らに都合のいい日常であったことが自覚されて、懐疑が完全に消えた上でほむらは選択、戦闘し、再び虚構に閉じこもる。違いは懐疑の有無、主体の有無、そしてそれ故の自己言及的な虚構の崩壊の兆し

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テレビ版を世界に対して戦おうとして、結局はうまく行かず、母的な自己犠牲の愛に回収されて、戦闘そのものがなかったことにされて誰かが欠けた日常に戻される物語だとしたら、映画版は世界に対して戦って、母的な愛までも殺して、自らが母となる物語。だけどそれは上手く行かない。ほむらは人間だから

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ほむらとまどかは同じ選択をしている。違いは何かというと、ほむらがあくまで人間で、まどかは人間じゃない精神を持っていること。その構図はフィクションと消費者との隠喩だと思ってる。どちらもあまりに一方通行な愛情の押し付け

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批評的ではあるが、次のアニメを切り開くというよりはエヴァがセカイ系にやったのと同じ、日常アニメの構図を洗い出して突きつけたというだけの作品だと思う。ループによる過去（コスト）の一方的な保持

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一方的なのは確かに普遍的だし、いいんだけど、それで何も解決してない事実を描いただけでどこにも解決策を示さない辺りがまどマギへの不満

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日常アニメの偉大なところは終わらないけれど、確実に時間を進めて停滞の価値を示した所。そして視聴者に作品を鞍替えさせることで日常の停滞感を消した所。その点まどマギのループする日常という構図は戯画的で、一部本質（停滞の価値）を失ってるとも思う

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まどかみたいな選択がまともな精神でできるわけないし、仮にできたとしても、まともな精神のほむらみたいに自然崩壊する兆しを見せるのが普通だろという話かな、さっきのは

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だから人間じゃないまどか（アニメヒロイン）がほむら（視聴者）を愛で全肯定する話（テレビ版）。人間のほむら（視聴者）がまどか（アニメヒロイン）を愛で全肯定しつつ、それによるコストに自己崩壊しつつある話（映画版）