【表現規制問題】 大正時代の猥褻考察の怪書『猥褻風俗史』について 【宮武外骨】
というわけで、ここんとこずっとかかりっきりだった宮武外骨の【猥褻風俗史】の古書復刻作業が完了しましたよ、っと。 https://t.co/rmaZf4bvRe http://t.co/oppFouLAjw
2013-12-25 15:28:59猥褻風俗史 http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6 は「日本の歴史上の風習・文化のうち、今まで猥褻じゃなかったものが明治にできた新法で猥褻として廃棄されてしまった」ことを批判している。
2013-12-25 15:40:39具体的には、日本の歴史上はどのような性的な「習俗」「風俗」があったか、それらが何故どのようにして官憲によって「猥褻物」にされてしまったか、などについてまとめている http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6
2013-12-25 15:41:39猥褻風俗史 http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6 が出版されたのは大正11年で、同時刊行の「筆禍史」の附録として、100部のみ造られた(が、筆禍史以上に【売れて】しまったw)
2013-12-25 15:42:37……※ここ、ちょっと別の本(やっぱ外骨)を並行作業してたんで、勘違いしてました。猥褻風俗史は大正11年じゃなくて、明治44年刊行。
初版100部は「予約者」「書店店主」などへの限定的な景品(無償)であったとのこと。
明治・大正を生きた宮武外骨自身、何度となく「おまえの出した本は猥褻だ!政府を侮辱した!」と批判されて、その生涯に4回も投獄され罰金を取られている。それでも懲りてない。 http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6
2013-12-25 15:44:12猥褻風俗史 http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6 に至っては、「猥褻物を売ってはいけないなら、タダで配る分には違法ではないはず」「これは学術資料なり」と、もう完全に最初から狙いに狙ってるw
2013-12-25 15:45:16ここから考えるに、表現規制問題、児童ポルノ規制法問題も猥褻風俗史 http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6 で取り扱われる課題と割と似通った論点を抱えているものではあると思う。
2013-12-25 15:46:21まあでも、宮武外骨は「完全に懲りなかった」わけでもなくて、あまりにも罰金が手痛いので多少は懲りて、描写を見直したり体裁に工夫を凝らしたり、ということはしていたらしい。 猥褻風俗史 http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6 も同様
2013-12-25 15:48:00宮武外骨といえば「山東京伝」だが、あれも当時は「筆禍史」と並んで売れなかったらしい。本日リリースの猥褻風俗史 http://t.co/XxXH1HYYTo の附録に「本命が売れないのに附録がヒットする腹立たしさ」が収載されているw
2013-12-25 15:50:27「頼みはしないが命令する。おまえら宮武外骨の愛読者を公言自任するなら、猥褻風俗史 http://t.co/XxXH1HYYTo 買ってないで『山東京伝』買えよ!金出して買えよ!(ほぼ直訳)」って、外骨自身が書いてるw いやマジで。
2013-12-25 15:52:46宮武外骨は浮世絵の収集研究家でもあって、同時に『猥褻な事物』の大家としても知られていた。著書にもそういう系統のものが結構ある。美少年論とかも出してるんだけど、これの著者は南方熊楠らしいよ。 http://t.co/M6flYJKqQH
2013-12-25 15:54:29当時、外骨は度重なる「猥褻」著書の刊行でお叱りを受けまくってたんで、熊楠の書いた美少年論をそのまんまでは出せなかったらしい。復刻版「美少年論」には「明治四十四年七月に『美少年論』の原稿が熊楠から外骨の手に渡され、それが熊楠によって書かれたことを生前の外骨に確認した」とある。
2013-12-25 15:56:19引用「公刊に至らなかった事情については外骨が熊楠に対し、「極端に渉る淫猥字句、醜陋字句は現行法律の許さざる所なるを似て、適宜に改削を加えたりとの旨を通知せし」ところ、熊楠より「改削を好まず、寧ろ中止せよのと電報があり」印刷を中止した」http://t.co/M6flYJKqQH
2013-12-25 15:56:58この結果、熊楠の書いた美少年論(外骨が「美少年論」として刊行しようとした)は熊楠の全集にも収録されず、印刷されたが発売されなかった百部程度しか存在せず、古本市場にもほとんど出てこない稀覯本になってるらしい。
2013-12-25 15:58:51なお、「美少年論」そのものはその後、稲垣足穂が昭和40年代に現代語訳復刻したものが、1992年に河出書房新社から「南方熊楠児談義」として出てるらしいので、腐女子は買って読むべき。 http://t.co/oWGsdK6qzP
2013-12-25 16:04:06著者の意向を尊重した、というのと「熊楠の原稿でなんで俺が罰金払わなきゃならんのよ!」という打算の双方が働いたんだと思うw QT @umenosuke_tani: @azukiglg かまわぬ×→敵わぬ○
2013-12-25 16:04:45というわけで話は戻って猥褻風俗史 http://t.co/9l8rYr98y5 http://t.co/9iEhMD5se6 ですけども、「昔は表現規制が緩かったのに、なんでダメなんだよ、緩くしろよ、見逃して当たり前!」と思ってる人は、猥褻風俗史を読むべき(・ω・)
2013-12-25 16:14:46日本は伝統的にエロ風俗wに大らかな国で、そういう習俗もあちこちにあるけど、禁制がまったくなかったわけでもなくて、その時々の政治権力によって「おまえらいい加減にしる」という規制は何度も受けてる。
2013-12-25 16:15:45現在の「猥褻」に関する規定は、何度も「改正」を繰り返されているとはいえ、その出発点は明治初頭頃に施行された当時の新法に端を発すると考えていいと思う。「西洋流の考え方、西洋の基準を取る」ということで、文明開化したのだから野蛮な風俗は捨てろ、という感じ。
2013-12-25 16:17:14正直伝統だと思う。だいたい「誰かが始める」「人気を博す」「我も我もと尻馬」「一大市場に」「やり過ぎて叱られる」「引き締められてブームが萎む」「裏を掻く方法を誰かが思いつく」「初めに戻る」大体このループ。 QT @kyarapon:調子にのって目をつけられるのも伝統ですよね?w
2013-12-25 16:18:24なので、春信みたいな「モロ出し」系の隙を突く、見えそうで見えない「あぶな絵」というのもあったらしいすよ。 QT @wenly_m: まあ、江戸では見つかれば即逮捕でしたよね。他の藩は知らない RT @azukiglg: 日本は伝統的にエロ風俗wに大らかな国で、そういう習俗もあちこ
2013-12-25 16:22:59猥褻風俗史 http://t.co/XxXH1HYYTo に続いて電子化作業中の「奇態流行史」には、その「あぶな絵」に関する言及が出てくる。 http://t.co/uQIW8WgCTN
2013-12-25 16:25:24http://t.co/uQIW8WgCTN コレによると、春画が公許されてた時代にはあぶな絵はなかった、とある。春画が違法の時代には、「見えそうで見えないあぶな絵」がその代替になってたらしい QT @wenly_m: まあ、江戸では見つかれば即逮捕でしたよね。他の藩は知ら
2013-12-25 16:27:11