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聖なる夜に聖書をギリシア語で読んでみた 『マタイ福音書』1:18-25

クリスマスイブの夜=クリスマスの日の夜明け前。 …という時間帯を狙って、原典は古典ギリシア語であるところの新約聖書について、ごくごくさわりを連続ツイートしてみました。 「原典はギリシア語であるところの」新約聖書について紹介するのが趣旨であって、それ以上のサイレントテロ的な何かという意図は一切ないということを強調しておきます。
人文 ギリシア語 ネストレ・アーラント マタイ福音書 新約聖書
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ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
夜分に失礼します。 昨日から今日にかけては、ご案内のとおりの日です。…中の人も含めて、その趣旨を忘れている向きの方がこの国では多いような気がしますが。 そんな「きよしこの夜」に、「原典はギリシア語」であるところの新約聖書をあえて取り上げたいと思います。
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
もとより、聖書を全部取り上げだしたら100年ほどはかかってしまいますので、今夜はごくごくさわりを…ということで、新約聖書の筆頭に来る『マタイ福音書』の第1章第18節以降を取り上げます。 なお、「1:18」という記号は「第1章第18節」を意味します。それでは5分後から始めます。

(補足)第1章第18節から始めた理由
『マタイ福音書』の第1章は、ダビデ王からヨセフまでの家系について一代ずつ列記する―というのが第17節まで続きます。
聖書的には重要でも、ギリシア語的には固有名詞が連なるだけなので、あえて割愛させていただきました…

ということで本編へ

1:18 ダビデ王の子孫ヨセフの婚約者が既に身ごもっていた件

ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
[1:18] Τοῦ δὲ Ἰησοῦ Χριστοῦ ἡ γένεσις οὕτως ἦν. μνηστευθείσης τῆς μητρὸς αὐτοῦ Μαρίας τῷ Ἰωσήφ, πρὶν ἢ συνελθεῖν αὐτοὺς εὑρέθη (cont)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(cont) ἐν γαστρὶ ἔχουσα ἐκ πνεύματος ἁγίου. (fin)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
"Τοῦ Ἰησοῦ Χριστοῦ"は"ὁ Ἰησοῦς Χριστός"の属格です。"Ἰησοῦς"(古典読み「イエースース」現代読み「イイスス」)は、ヘブライ語の"יְהוֹשֻׁעַ"を頑張って音訳した上で語尾をつけたものです。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"Ἰησοῦς"の格変化は次のとおりです。「Ἰησοῦς / Ἰησοῦ / Ἰησοῦ / Ἰησοῦν / Ἰησοῦ」…第二変化ながらやや特殊です。"Χριστός"(香油を注がれた者→メシア)の方は通常の第二変化を示します。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"Τοῦ δὲ Ἰησοῦ Χριστοῦ ἡ γένεσις οὕτως ἦν"で「イエス・キリストの誕生はこのようであった」となります。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)続く"μνηστευθείσης τῆς μητρὸς αὐτοῦ Μαρίας τῷ Ἰωσήφ"は「彼の母マリアのヨセフへの婚約」。"Μαρίας"は"Μαρία"(マリア)の属格、"Ἰωσήφ"は"יוֹסֵף"の音訳で格変化しません。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"πρὶν ἢ συνελθεῖν αὐτοὺς εὑρέθη ἐν γαστρὶ ἔχουσα ἐκ πνεύματος ἁγίου." "συνελθεῖν αὐτοὺς"は「自らともにする」で(夜中なので直言すると)「性交渉する」です。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"πρὶν"は「~の前に」。"εὑρέθη ἐν γαστρὶ ἔχουσα"は「お腹に子がいるとわかった」。例の「処女懐胎」です。"ἐκ πνεύματος ἁγίου"の"ἅγιον πνεῦμα"は「神聖な霊」、すなわち三位一体の「聖霊」です。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"ἐκ"は「~から」という属格支配前置詞で、"πνεύματος ἁγίου"は"πνεῦμα ἅγιον"の属格。すなわち「聖霊によって」です。 まとめると、「ヨセフの婚約者マリアが、性交渉する前に『聖霊』によってお腹に子供がいると判明した」という話です。

1:19 「正義の男」は「『寝取られた』フィアンセ」を捨てようとする

ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
[1:19]"Ἰωσὴφ δὲ ὁ ἀνὴρ αὐτῆς, δίκαιος ὢν καὶ μὴ θέλων αὐτὴν δειγματίσαι, ἐβουλήθη λάθρᾳ ἀπολῦσαι αὐτήν"
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
"Ἰωσὴφ δὲ ὁ ἀνὴρ αὐτῆς, δίκαιος ὢν"は「ヨセフは彼女の夫で、正義の人であった」。代名詞"αὐτῆς"は女性形単数属格で、マリアのことを指しています。"ὢν"が"εἰμί"の現在分詞男性形単数主格です。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"μὴ θέλων αὐτὴν δειγματίσαι"は「彼女を公にすることを望まなかい」。"μὴ"は主観的認識の否定で"θέλων"は"θέλω"(望む)の現在分詞能動態男性形単数主格。"δειγματίσαι"は"δεῖγμα"の動詞化語です。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"ἐβουλήθη λάθρᾳ ἀπολῦσαι αὐτήν"は「彼女を密かに離縁することを決めた」。"ἐβουλήθη"は"βούλομαι"(望む)の直説法アオリスト三人称単数受動態。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"ἀπολῦσαι"は"ἀπολύω"(解放する)のアオリスト不定法能動態。「解放する」といえば聞こえはいいのですが、ここでは「(婚約状態から)解放する」→「離縁する」という意味になります。

1:20 天使が来て曰く「主の言うことを聞きなさい」
-マリアさんのお腹の子は「聖霊」から産まれる-

ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
[1:20] ταῦτα δὲ αὐτοῦ ἐνθυμηθέντος ἰδοὺ ἄγγελος κυρίου κατ’ ὄναρ ἐφάνη αὐτῷ λέγων
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(cont) Ἰωσὴφ υἱὸς Δαυίδ, μὴ φοβηθῇς παραλαβεῖν Μαριὰμ τὴν γυναῖκά σου, τὸ γὰρ ἐν αὐτῇ γεννηθὲν ἐκ πνεύματός ἐστιν ἁγίου (fin)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
"ταῦτα δὲ αὐτοῦ ἐνθυμηθέντος"は「このようなことを彼が考えていると」。"ταῦτα"は指示代名詞中性形複数対格。"ἐνθυμηθέντος"は"ἐνθυμέομαι"(思う)のアオリスト分詞受動態男性形単数属格で"αὐτοῦ"と組まれます。(続きます)
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan
(承前)"ἰδοὺ ἄγγελος κυρίου κατ’ ὄναρ ἐφάνη αὐτῷ λέγων"は「見よ、主の天使が夢の中で彼に告げて言う」。"ἰδοὺ"は"behold"と英訳される語です。"ἄγγελος"は本来「伝言役」という意味でした。(続きます)
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