《労働基準監督官座談会》ダンダリンで注目集めるブラック企業なくす労働Gメンの人数は他国の半分

ダンダリンの放送で注目を集めるなか、4人の労働基準監督官の仲間に協力いただき座談会を開催しました。その一部を紹介(※座談会出席者のCさんは20代の監督官でほか3人は中堅、ベテランの監督官です。10月30日収録)
30
国公一般 @kokkoippan

《労働基準監督官座談会》ダンダリンで注目集めるブラック企業なくす労働Gメンの人数は他国の半分 http://t.co/ygfGp4cSey 『国公労調査時報』1月号で労働基準監督官座談会を行いました。座談会のごく一部ですが紹介します。 http://t.co/w3FFMuba1z

2013-12-26 17:00:01
拡大
国公一般 @kokkoippan

「働く人をまもるために、働く人がいる。」――竹内結子さん主演で10月から12月中旬にかけて日本テレビで放送されたドラマ『ダンダリン 労働基準監督官』のキャッチフレーズです。マスコミ報道でもブラック企業の問題ともかかわって、労働基準監督官の仕事が取り上げられることが多くなっています

2013-12-26 17:00:49
国公一般 @kokkoippan

ダンダリンの放送で注目を集めるなか、4人の労働基準監督官の仲間に協力いただき座談会を開催しました。(※座談会出席者のCさんは20代の監督官でほか3人は中堅、ベテランの監督官です。10月30日収録) http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:02:24
国公一般 @kokkoippan

A 日本の労働基準監督署の体制は非常に脆弱です(※下記グラフ参照)。日本の労働基準監督官の人数はドイツの3分の1以下なのです。 http://t.co/ygfGp4cSey http://t.co/C4U865GCli

2013-12-26 17:04:48
拡大
国公一般 @kokkoippan

B 監督官が取り上げられることは仕事を知っていただく意味でも大変有難いです。同時にその期待に応え得る体制が正直に言ってない。その辺が、私たちからすれば忸怩たる思いのするところです。でも、これをチャンスにして、働く人たちの期待に応えられるような体制に改善していければとも考えています

2013-12-26 17:07:04
国公一般 @kokkoippan

★「ダンダリン」を見ながら家族で“突っ込む” ――テレビドラマの「ダンダリン」は観ていますか? B 観ていますが、例えば、実際の監督署では、あのような「朝の体操」はしないですね(笑)。 http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:08:35
国公一般 @kokkoippan

D 家族でダンダリンを一緒に観ていて「あなたは定時で帰ってきたことないよね」と妻に言われました。監督官の人数が少ない中で定時で帰れるような状況にはありませんし、ドラマのようにそんなに簡単に逮捕はできないよとか、いろいろな場面で突っ込みを入れてしまいます。ほふく前進もしません(笑)

2013-12-26 17:09:38
国公一般 @kokkoippan

A 私は原作のマンガも読みましたし、ドラマも全部観ています。結構楽しんで観ていますけど、原作だと悪い事業者の酷さがリアルに描かれているのだけど、やっぱりテレビだとやわらかい表現になっている感じはあります。 http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:10:10
国公一般 @kokkoippan

D ダンダリンで「公務員の事なかれ主義」が強調されるシーンがありますが実際の監督署は署長にも意見を言うケースが結構あります。違うと思ったことははっきり違うと言う監督官が多いです。監督官は個性的と言われるのですが、正しいと思ったことははっきりと言う、そういう面が監督官は強いですね。

2013-12-26 17:14:05
国公一般 @kokkoippan

A ダンダリンでよく出てくる場面ですが、監督署に限らず、どこの公務職場でも「私たちは公務員なんだから」というような発言はまず聞かないですよね。きっとドラマは、世間の「公務員バッシング」の流れの中でステレオタイプの公務員像を描いてしまっているのではないかと思います。

2013-12-26 17:15:54
国公一般 @kokkoippan

――原作だとダンダリンが期待に応えられなくて落ち込んで終わるという感じになっていますが、そうした労働者の期待に応えられない歯がゆさは強いものなのですか? D 体制的な不十分さがある上、労働法制自体の不十分さもあり、そういうところで日頃、歯がゆい思いをしているというのはあります。

2013-12-26 17:17:53
国公一般 @kokkoippan

A 法令上の限界とともに、手が回らないという問題もあります。やろうと思っても、人がいないのでどこまで深入りできるかという限界です。たとえば賃金の不払い事件をたくさん処理していますが、出口が簡単ではありません。「払わないなら送検だ」と、そんなに簡単にできるものではないのです。

2013-12-26 17:18:23
国公一般 @kokkoippan

――ブラック企業対策が求められていて、今回、9月に厚生労働省が「重点監督期間」として若者の離職率などいわゆる「ブラック企業の実態調査」を行ったことが世間でも注目されました。これについて現場ではどんな成果があったのでしょうか? http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:19:56
国公一般 @kokkoippan

B 情報量は圧倒的に増えました。しかし、もともと全ての情報に対応できているかと言えば、できる体制にはないのです。ですから今回のとりくみをおかしいと言うつもりは毛頭ないし、いい部分もたくさんあったのですが、同時に問題もあったと思います。 http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:20:40
国公一般 @kokkoippan

B 良かった部分は大きなアドバルーンを上げてブラック企業の問題があるということを社会に周知した点です。社会に問題意識を根付かせて労働者の方にも権利意識を持ってもらって対等な労使関係を築いてもらうということは決して悪いことではありません http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:21:56
国公一般 @kokkoippan

A 9月に対策を公表した影響でやはり情報は増えました。しかしもともと臨検監督はやっていたわけで、急に9月にやり始めたわけではありません。重要な情報が寄せられたというのは大きなメリットではありますが、急に成果が上がり始めるかというと、それは無理です。継続的で地道なとりくみが必要です

2013-12-26 17:22:44
国公一般 @kokkoippan

B デメリットをあえてもうひとつ言うなら、事業主に「うちはブラック企業だという情報があったんですか?」という聞かれ方を頻繁にされたことです。そういう位置づけではない臨検監督ももちろんあるし、逆に情報があったこと自体を明らかにできないこともいろいろあるので、やりづらさがありました。

2013-12-26 17:23:02
国公一般 @kokkoippan

D 監督官は通常は予告無しで調査をするのですが、今回は「ブラック企業対策をやります」と発表したわけですから、臨検監督では事業主から「うちはブラック企業なんですか?」という言われ方をするわけです。事業主の警戒心のようなものは上がってしまいましたから、そうした側面では現場は苦しかった

2013-12-26 17:24:47
国公一般 @kokkoippan

B 情報があったこと自体を伏せておきたい案件ではやりづらくなったと思います。 A 他方で過重労働の情報に基づいて行った臨検監督で、使用者が明らかに動揺していることが分かって、そのときは、アナウンス効果が浸透していることを実感しました http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:25:40
国公一般 @kokkoippan

D ブラック企業の特徴は、若者を大量に雇い入れ仕事で追い込んで辞めさせ、残った社員にも過酷な働かせ方をさせていくというような構図です。それで若者が大量に使いつぶされて、精神疾患になるケースが非常に多くなっています。ですから、最近は若者の過労死や過労自殺、精神疾患が多くなっています

2013-12-26 17:26:56
国公一般 @kokkoippan

B ブラック企業の問題が昔と大きく違っているのは、かつては、使用者が雇用というものにかなりの責任感を持っていたという点です。もちろん悪い会社もありましたが、全般的にはきちんと責任を持とうという意識、少なくとも自分が使用する労働者を守るんだという意識が根底にあったように思います。

2013-12-26 17:28:55
国公一般 @kokkoippan

B それが賃金は下げる、残業代は払わない、雇用も守らないということが「当たり前」になってきた。特に、国家公務員の賃金が大幅に引き下げられてからは「賃金を何割までなら下げられますか?」と聞いてくる事業主が多くなった。 http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:30:23
国公一般 @kokkoippan

B 国家公務員ですら下げられるんだから、当然うちの事業場でも下げることはできるはずだ、それで「3割の賃下げはダメですか?」とか、「2割5分ならいいですか?」「半分だとさすがにマズいですよね」などと聞いてくる事業主が増えているのです。 http://t.co/ygfGp4cSey

2013-12-26 17:30:57
国公一般 @kokkoippan

B その上、解雇も「当たり前」になってきていて、「雇ってやってるんだ」というような姿勢で、「イヤならやめろ、代わりならいくらでもいる」という対応をする事業主が増えています。雇用についてのモラルの劣化を感じています。そういう風潮の中でブラック企業が増えているのだと思います。

2013-12-26 17:31:24
国公一般 @kokkoippan

B 労働者の方もブラックな働かされ方に麻痺させられてしまっている面があります。労働組合が弱くなったこともあって、労働者が使用者の言うことを全て受け入れてしまっている。正当な形で文句を言えばいいという場面でも文句を言わない。そうしたことを背景にブラック企業問題が生まれている

2013-12-26 17:35:26