#鳳翔の艦娘講座　～番外編　水上攻撃　晴嵐～

鳳翔 @Housyou_kankore

さて、それでは私の時間が少し空きましたので（入渠待ち）、休日では無いのですが、 #鳳翔の艦娘講座 番外編を行おうと思います。 イベント海域の片手間程度にお聞き頂けると幸いです。 本日の番外編は、水上攻撃機「晴嵐」です。

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晴嵐は、海軍が第２次世界大戦中に開発を行いました水上攻撃機です。 伊４００型潜水艦に搭載をして、戦略爆撃を行う目的で開発をされました。 これは潜水艦による密かな攻撃目的地への接近後、浮上・発艦をして、奇襲的に爆撃・雷撃を行い、着水して改修、潜水・離脱、と云う流れの攻撃ですね。

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開発は愛知航空機。現在の愛知機械工業株式会社さんです。代表的な生産の機体に９９艦爆などが有ります。 さて、晴嵐はそう云う目的で開発を行われたので、機体は母艦になる伊４００型と同時期に開発を開始されました。 初号機の完成は１９４３年１１月。

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航空魚雷、２５０キロ爆弾４個、または８００キロ爆弾を搭載して水平・急降下爆撃が可能、とされていました。 ただ、大型爆弾装着の場合はフロートを取り外した状態で飛行することになりまして、その場合は母艦近くに海面着陸をして乗員だけ改修、機体は破棄、と云う計画だった模様です。

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また、その性質上、折りたたみ状態やエンジン暖気の工夫が成されており、主翼はピン１本で折りたためる様に工夫をされ、機体に寄り添う様に添えられるようになっていました。 また、エンジンの暖気は外部から加温した潤滑油・冷却水を注入することにより、最短３分で発艦可能とされていました。

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とは云いましても、そこはあくまでカタログスペックのお話でして、実際は搭乗員・整備員の技量、海面状態による母艦の揺れなどにより、なかなかそうは行かなかった模様です。 特に、艦が下を向いている時に発艦をすると海面に突っ込んでしまう事になったため、相当危険が伴った模様です。

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そんな訳で、搭乗員の方には、発艦訓練の際は一回につき６円の危険手当が支給をされたそうです。 これは、当時の大卒会社員の初任給が６０円だったと考えますと、相当な金額だったと云うのがおわかり頂けると思います。

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また、折りたたみ性能と攻撃性能などが非常に高く、またその任務によっては世界中どこでも使用可能とするためジャイロコンパスを装備するなど、色々凝った作りにはなっていました。 ですが、それが故に機体値段が非常に高価になってしまったそうです。

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生産数も少数で終わってしまった為量産効果も得られず、結果的に単純比較では晴嵐１機で零戦５０機が生産出来た、とか何とか。 派生型ではフロートの代わりに車輪を付けた機体も存在しまして、これは晴嵐改、または南山と呼んで居たそうです。

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晴嵐改はフロートが無い分最高速度が上がったそうですが、その代わり滑走距離が伸びてしまったと云う話もあったようです。フロートですと水面抵抗で減速されますからね。 さて、そんな高性能機体な晴嵐ですが、当然それだけ高性能を詰め込むと、試作やその後のテストなどにも遅れが出たそうでして。

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先程初号機が１９４３年１１月に完成と云いましたが、その後１９４４年９月の段階でも実験飛行を行っていたそうです。 当初、晴嵐・晴嵐改は３６機以上を生産予定していたそうですが、そんな計画遅れから当初２８機が製造をされ納入されたそうです。

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配備された部隊では訓練用の機体すら確保出来ず、零式小型水偵や瑞雲を使って訓練を行ったそうです。 １９４４年１１月に領収飛行を行い、ようやく正式採用をされましたが、この頃には戦局は既に伊４００型と合わせた戦略爆撃構想が無意味になってしまう程に戦局は悪化。

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加えて愛知航空機の工場が１９４４年１２月の東南海地震、１９４５年１月の三河地震で被害を受け、航空機生産に多大な支障が出た上、１９４５年には空襲により工場が破壊されるなどして、結果的には晴嵐の追加生産は当初納品の２８機で終わっています。

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実際の配備では、伊４００ちゃん、伊４０１ちゃん、伊１３ちゃん、伊１４ちゃんに配備をされ、１９４５年１月にパナマ運河攻撃の研究が行われます。 これは後に中止をされ、ウルシー環礁米軍泊地の艦船攻撃に目標が変更をされます。

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ウルシー環礁攻撃は伊４００ちゃん、伊４０１ちゃんで編成をされ、７月下旬から８月上旬を攻撃目標日として準備をされます。 この際、晴嵐には国際法違反を承知で米軍が使う銀色塗装・星マークが付けられたそうです。 7月２０日、舞鶴を出発した両艦は大湊経由で合流地点に向かいます。

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合流予定は８月１４日でしたが、予定地点に到着した伊４００ちゃんの所に伊４０１ちゃんは到着せず、伊４００ちゃんは翌１５日も待機をしまして、そこで終戦となります。 作戦中止命令が１６日に出され、結果的に晴嵐が攻撃に向かう事はなく終戦を迎える事になりました。

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その後伊４００ちゃんに積載されていた晴嵐は、星マークを塗りつぶされ日の丸を描いた状態で洋上廃棄されたそうです。 ちなみに合流出来なかった伊４０１ちゃんは、同様に晴嵐投棄後日本に帰還中、米軍に接収をされ、実験の後海没処分。 先日発見されたとニュースになっていました。

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と云う事で、史実の晴嵐は結局闘わずしてこの夜から消える事となった訳です。 なお、愛知の工廠にあった機体が終戦後米軍に接収をされ、スミソニアン博物館に修繕をされて保管されているそうです。

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晴嵐の諸元ですが。 乗員２名、双フロート方式（投棄可能）、全長１０．６４ｍ、全幅１２．２６ｍ、全高４．５８ｍ、最大速度4７４ｋｍ／ｈ、フロート投棄時５６０ｋｍ／ｈ、航続距離１５４０ｋｍ、実用上昇限度９６４０ｍ、上昇速度５０００ｍを８分、１３ｍｍ旋回機銃１、

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８００ｋｇ爆弾１または２５０ｋｇ爆弾４または４５ｃｍ魚雷１、となっていました。

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さて、艦これ実装の「試製晴嵐」ですが。 史実では一応正式化された、と云うのと、試作のまま終わっていると云う両方の節がある事からの「試製晴嵐」の呼び名だと思います。 いずれにせよ真実は歴史に埋もれています。

鳳翔 @Housyou_kankore

種類的には水上爆撃機、爆装＋１１、対潜＋６、命中＋１、索敵＋６と、同様機体の瑞雲と比較するとすさまじいまでの能力差だと云う事が解ると思います。 （瑞雲：爆装＋４、対空＋２、対潜＋４、命中＋１、何れも図鑑の数値比較）

鳳翔 @Housyou_kankore

提督の皆さん、試作晴嵐は先行配布以外では、今回のコラボイベントでE1クリア褒賞として配布をされますので、よろしければゲットをして下さいね。 航空戦艦の皆さんや航空巡洋艦の皆さん、果ては水上機母艦コンビもほしがる逸品だと思います。

鳳翔 @Housyou_kankore

以上で、本日の #鳳翔の艦娘講座 番外編、水上攻撃機「晴嵐」編を終了したいと思います。 ご静聴ありがとうございました。 番外編は、主に休日の日中にふとしたネタを拾って行う事が多いです。 次回の番外編をお楽しみに♪