「安定セシウムの過剰摂取」ってどんな状況?

「安定セシウムを過剰摂取するというのが理解できないのですけど、どういう状況を想定されていますか?何に含まれているとお考えですか?」http://bit.ly/19OMDsu というツイートを見かけたので、復習を兼ねて調べて見たことをまとめました。
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nao @parasite2006

「安定セシウムを過剰摂取するというのが理解できないのですけど、どういう状況を想定されていますか?何に含まれているとお考えですか?」http://t.co/9KLXtYoe6H というツイートを見かけたので、復習を兼ねて調べて見ました。

2013-12-27 11:47:11
nao @parasite2006

まず「安定セシウム」とはセシウムの安定同位体セシウム133のこと。セシウムはアルカリ金属でレアメタルの一種とされ、主な工業用途はメタクリル樹脂用触媒、光ファイバー、光電素子。価格は1 gあたり5000円(このスライドhttp://t.co/tSFpbLhAaR p.70)

2013-12-27 11:58:34
nao @parasite2006

「安定セシウム」、すなわちセシウムの安定同位体セシウム133の人体内存在量は、体重70 kgの成人で6.00E-03 gすなわち6.00x10^-3 gすなわち6.00 mg(このExcel版元素表http://t.co/h9HhBtq20W の原子番号55を見る)

2013-12-27 12:10:03
nao @parasite2006

セシウムの生物学的役割は確認されていないものの、一部の微生物ではセシウムイオン(Cs+)がカリウムイオン(K+)の役割の一部(細胞増殖、酵素の活性化)を代行することを示す論文が出ているそうです(英文解説http://t.co/lDRVdMEOyk

2013-12-27 12:29:21
nao @parasite2006

セシウムイオン(Cs+)はたいていの場合生物が持つカリウムイオン(K+)の輸送系により細胞内に取り込まれますが、一部微生物ではアンモニウムイオン(NH4+)の輸送系を利用している場合もあるそうです(英文解説http://t.co/lDRVdMEOyk

2013-12-27 12:34:15
nao @parasite2006

「安定セシウム」、すなわちセシウムの安定同位体セシウム133の過剰摂取の例として有名なものが少なくとも2つあります。2つともこちらのまとめhttp://t.co/xhiFZWd2ZO でとりあげましたので、くわしくはそちらをご覧下さい。

2013-12-27 12:39:48
まとめ 放射性セシウムの心臓への影響について チェルノブイリ事故後の影響の一つとして、放射性セシウムが心筋に蓄積し不整脈や心筋梗塞を引き起こしているという話があちらこちらで語られています。食品中の放射性セシウムの体内蓄積の進行をシミュレーションする計算結果http://bit.ly/p4iRep が判断基準としてこどもの心電図異常を起こす体重あたりの放射性セシウム蓄積量「5 Bq/kgで10%, 10 Bq/kgで半数」を引き合いに出していたことから、この基準の根拠と妥当性について考えてみました。 同じテーマを別の角度から考えて下さった@Leaf_Parsley さんのまとめ「体重比10ベクレル/Kgで 心臓がえらいことになっちゃうの?」 http://t.co/jKPMK440 もぜひ合わせてお読みください。 21301 pv 289 4 users 6
nao @parasite2006

1つは不整脈の治療薬の有効性を確認するための動物実験で、実験動物(多くの場合麻酔をかけたイヌ)に不整脈を発生させるため心臓の冠動脈に非放射性の塩化セシウムの高濃度溶液(1 mol/L)を(0.1-2 mLまで)注射する場合。注入された非放射性セシウムのg数は最大で266 mg

2013-12-27 12:45:57
nao @parasite2006

もう1つはがんの代替療法として非放射性の塩化セシウムを毎日飲み続けるというもの。1例として、カナダの乳癌の女性が1 日3 gを150日間飲み続けた結果不整脈をおこして救急搬送され、止めたらおさまったという症例報告が2009年に出ていますhttp://t.co/wmA50D13cO

2013-12-27 13:01:20
nao @parasite2006

非放射性セシウムが不整脈を起こす現象自体はよく知られており、その仕組みは完全には解明されていないものの、大量のセシウムにより心筋細胞のカリウムチャンネルがブロックされ、その結果カリウムイオンが細胞の外に流れ出して心電図の電位が下がる段階(再分極)に時間がかかるためとされています。

2013-12-27 13:23:43
nao @parasite2006

心筋細胞でのイオンの出入りと心電図の電位の上り下がりの関係については、こちらの非常にわかりやすい解説http://t.co/NItB5IaRrT をご覧下さい(これは心電図講座の第1回ですが、続きも非常にためになります)

2013-12-27 13:29:30
nao @parasite2006

さてかの有名なバンダジェフスキーの説によれば、体重あたりの放射性セシウム蓄積量が「5 Bq/kgで10%, 10 Bq/kgで半数」のこどもに心電図異常だそうですが、体重60 kgの人の体内に10 Bq/kgのCs-137が存在したとしてもその600 Bqは約0.2 ng

2013-12-27 13:44:07
nao @parasite2006

「同じ10 Bq/kgでも子供の体重はもっと少ない」という異論は当然なので、60 kgの大人の1/10の6 kgとしてみると体内存在量は60 Bq/body(BABYSCANなら見える)、g数では大人の約0.2 ng(計算http://t.co/FHK5p2Kucy )の1/10

2013-12-27 13:53:01
nao @parasite2006

ご参考までに、こちらのつぶやきhttp://t.co/EA2okepg6J の動物実験で不整脈を起こすために最大266 mg(この量だと100%の動物に不整脈が発生)の非放射性セシウムを注射されたイヌ27頭の体重は15-20 kg。体重6 kgなら266x6/15=106 mg

2013-12-27 14:04:17
nao @parasite2006

体重6 kgのイヌに不整脈を起こすためには、計算では106 mgの非放射性セシウム(Cs133)を注射する必要がありますhttp://t.co/h8VvQFdaBe 一方体重6 kgの子供の体内に10 Bq/kgすなわち60 Bq/bodyのCs137が存在すれば約0.02 ng

2013-12-27 14:11:42
nao @parasite2006

ミリグラム(10^-3)とナノグラム(10^-9)の単位の差だけで6桁。さらに値は0.02 ngで小数第2位ですから実際には8桁の差があります。

2013-12-27 14:39:08
nao @parasite2006

そもそも体重70 kgの成人に6 mgのセシウムの安定同位体セシウム133が存在するなら(このExcel版元素表http://t.co/h9HhBtq20W の原子番号55を見る)、体重6 kgの子供の体内には6 x 6/70 = 0.51 mgのセシウム133が存在することに

2013-12-27 16:40:10
nao @parasite2006

体重6 kgの子供の体内に10 Bq/kgのCs137が存在したところでたかだか0.02 ng http://t.co/Z1Q1LKHR7H 一方同時に存在する安定同位体のCs133の量は0.51 mg。ミリグラム(10^-3)とナノグラム(10^-9)の単位の差だけで6桁。

2013-12-27 16:43:59

補足:非放射性セシウム(Cs-133)の心臓への影響には動物種による差があるらしい

Kimitaka TAJIMI @kimitakatajimi

なんだこれ? RT “@Mihoko_Nojiri: 医学者www RT namiekuwabara: 医学者なら理解できるであろう。カリウムは神経伝達物質で重要な役割は足す。低カリウム障害は死に至る事もある。それがセシウムに変わってしまったらどう. ...”

2013-04-21 11:14:48
Kimitaka TAJIMI @kimitakatajimi

カリウムは神経伝達物質じゃないから。

2013-04-21 11:50:19
Kimitaka TAJIMI @kimitakatajimi

放射線の話じゃないですよ。カメの心臓、摘出して灌流した実験ですよ。カリウムをセシウムで置き換えて戻しても元気に活動。1978年の論文ですけど。http://t.co/i9rZO8rYkp

2013-04-21 12:00:14
nao @parasite2006

@kimitakatajimi なるほど、このカメの心臓の潅流に使われた潅流液中のセシウム濃度は5.3 mmole/Lでしたか(あくまで非放射性のセシウム-133の話)。原子量133として重量換算すると133x5.3/1000 g/L =0.704 g/L。

2013-04-21 12:49:06
nao @parasite2006

@kimitakatajimi 5.3 mmole/Lの非放射性のセシウム-133を含む潅流液でカメの心臓を3時間潅流すると筋肉中のセシウム含量(363±8 mmole/kg乾燥重量)がカリウム含量の正常値(378±8 mmole/kg乾燥重量)に近づいたとあります。

2013-04-21 12:58:22
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コメント

nao @parasite2006 2013年12月31日
生きた細胞の中にカリウムが存在するところには非放射性セシウムが微量ながら常に共存していますが、それは細胞への出入り口である輸送体(トランスポーター)タンパク質を共用しているからです。関連の話題をまとめに追加しました。
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