#俺マン2013 投票編4
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一応、先に僕の俺マンハウスルールをおさらいしときます。選定は5本のみ。2013年刊行タイトルから、かつ原則として2013年刊行開始作品。過去の戴冠タイトルは殿堂扱い。おおむねこんなところです。
2013-12-30 16:54:15今年の俺マンはこれで。 1:「オンノジ」(施川ユウキ)/2:「惑星9の休日」(町田洋)/3:「ナガサレールイエタテール」(ニコ・ニコルソン)/4:「ブックイーター」(カネタケ製菓)/5:「余命¥20000000-」(草野佑) #俺マン2013
2013-12-30 16:56:12今年の俺マンはこれで。 1:「オンノジ」(施川ユウキ)/2:「惑星9の休日」(町田洋)/3:「ナガサレールイエタテール」(ニコ・ニコルソン)/4:「ブックイーター」(カネタケ製菓)/5:「余命¥20000000-」(草野佑) #俺マン2013
2013-12-30 16:56:12毎年そうですが、今年も最後の最後まで悩んで、5本目は実はほんの5分ほど前に入れ替わりました。本当、5本はきつい。
2013-12-30 16:57:29ただ、今年は上位2本はかなり早い段階で決まってました。どちらをどうすべきかで悩んだところはあったけど、「オンノジ」と「惑星9の休日」は、読んだ瞬間に間違いなく今年の俺マンに入ると思ったし、こうして1年を終えてもやっぱりそこは揺るがなかった。
2013-12-30 16:59:41ライター的な、よりメディア的な立場からいうと、その年を象徴する作品というのは、すごく見いだしにくい1年だったんじゃないかと思っています。「進撃の巨人」がすべてを持っていったくらいの1年だったと。それはデータ的な面など含めてのオフィシャルな総括としては、です。
2013-12-30 17:03:47一方で、自分自身にとって面白い作品、心揺さぶる作品は、非常にたくさんあった1年で、今年も本当に悩ましい俺マンでした。そういうなかで、最終的に今年決め手になったのは「自分を救ってくれた作品はどれか」でした。その辺がすごく大きなローカルテーマです。
2013-12-30 17:05:33「オンノジ」(施川ユウキ)は、節目節目できっと読み返すだろう作品。今年に限らず、僕にとってのオールタイムベストのひとつになると思います。
2013-12-30 17:08:29まるでいつもの施川ユウキのように、他愛もないギャグのようにして始まった作品が、内側に常に絶望や孤独を抱えていて、淡々とギャグを続けているにもかかわらず、気づくと読み手を救済していく。それは、物語の究極の形のひとつなんじゃないかと、本当に衝撃を受けました。
2013-12-30 17:13:15同じものを描けといわれても、たぶん2度と描けないんじゃないかという、奇跡みたいなバランス。そういう意味でも、やっぱり今年、僕にとっての俺マンベストは「オンノジ」以外考えられませんでした。この作品に出会えただけでも、2013年は意味があった。
2013-12-30 17:14:30「惑星9の休日」(町田洋)も、少し近いところがあって。SFショートショート的な、不思議なオムニバスで、絵も語り口も非常に淡々としている。だけど、物語が終わってみると、ポンと人間味のようなもの、言葉にできない寂しさやうれしさ、悲しさが残るという、とんでもない作家さんだと思います。
2013-12-30 17:18:17町田先生については、これが単行本デビュー作ということで、来年もさっそく新刊が予定されているはずなので、今後ますます期待しております。楽しみ。
2013-12-30 17:19:05「ナガサレールイエタテール」(ニコ・ニコルソン)。実はエッセイマンガが僕の俺マンに入るのはたぶんこれが初めてです。震災で家が流されてから、新しい家を建てるまでを描いたエッセイ。
2013-12-30 17:25:46正直にいうと、真っ正面からの「震災マンガ」って、どうしても身構えてしまって、気軽に手を取れなかったところがあります。いいものがあるのはわかってるし、読んでもいるけれど、どうしても宿命的に教訓的だったり、ヒューマンであったりというのがつきまとうわけです。
2013-12-30 17:27:40「イエタテールナガサレール」は、何しろ家が流された本人の実録ですから。ど真ん中真っ正面の震災もの。どうしても避けたい気持ちがあった。だけど、読んでみると、まぁ、これが。笑わせる笑わせる。大変なことが起きてるんだけど、大変なことに「大変だー!!」ってなってる、コミカルさがある。
2013-12-30 17:30:35「イエタテールナガサレール」のコミカルさは、何というか、明るさというよりも、尋常ではない人のしぶとさだと思うんですね。とんでもない状況でも、人は生きていくんだな、という。そのあけすけなしぶとさは、ある意味では残酷だし、悲しいことでもあるけれど、笑っちゃうようないとおしさがある。
2013-12-30 17:34:12「イエタテールナガサレール」の、底抜けに明るくて、笑えるのに、いつの間にかボロボロ泣いてしまうような力は、たぶんそういう部分にあると思うんですね。震災をテーマにしてるけど、これはきっと震災だけの話ではないんだと思います。
2013-12-30 17:36:28「ブックイーター」(カネタケ製菓)は、ストーリーテラーとしてのうまさ、キャラクターメイキングの妙にハマってしまった感じ。多幸感のある話をさらさらっと読ませてしまうんだけど、このさらさらっとの部分がすごく心地よくできていてですね。
2013-12-30 17:40:28具体的にいうと朱美さんの「ブハーーーーーッ」って笑いにノックアウト。かわいくて仕方ない。新作早く読ませてください。
2013-12-30 17:41:16「余命¥20000000-」(草野佑)。いろいろなことを考えながら選んだ俺マンですが、「今年の」というところで、ターニングポイントに立たせてくれた1作です。仕事をする気もなく、お金がつきたら自然消滅してしまおうという草間さんと、職がなくて不安ばかりの宇奈月くんの物語。
2013-12-30 17:51:47不景気と将来の不安、先行きの見えなさで、ずいぶん長い間この国の空気は暗くなってるわけですが、よくよく考えてみると、だいたいこの10年の暗いムードは、将来に向けての暗さで、多くの人にとってクリティカルに今目の前の生活が暗いかっていうと、正直あんまり実感がないんですね。
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