岩波文庫 旧訳『ユダヤ人問題を論ず』訳者はしがきから

岩波文庫『ユダヤ人問題を論ず』マルクス著 久留間鮫造・細川嘉六訳 (1925年 訳出、1928年 刊行) (目次) 社会批評の意義および方法について (ルーゲ宛て書簡) ユダヤ人問題を論ず 1. ブルーノ・バウアー著『ユダヤ人問題』を評す 続きを読む
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seki_yo @seki_yo

1. マルクス著『ユダヤ人問題を論ず』訳者はしがきから。 岩波文庫 旧訳『ユダヤ人問題を論ず』(1925年刊 訳者 久留間鮫造・細川嘉六)

2013-12-24 22:20:52
seki_yo @seki_yo

2. マルクシズムは、論理の遊戯を 事とする ディレッタンティズムではない。 事物の 皮相的釈明を 能事とする 職業的俗学でもない。 ほしいままに 未来を構築する ユートピヤでもない。 マルクシズムは 現実的問題の 学問的解決である。

2013-12-24 22:24:59
seki_yo @seki_yo

3. 現実なる問題は、解かれねばならない 問題である、それを 解くことなくしては、歴史が 一歩も 進み得ない 問題である。

2013-12-24 22:26:30
seki_yo @seki_yo

4. 現実なる問題の 解決は、問題そのものの 本質中に 固有する。 問題の本質を 徹底せしむることは、問題を解決する ゆえんである。

2013-12-24 22:29:07
seki_yo @seki_yo

5. 歴史は、その 問題の本質を 事実上に 徹底せしむることによって、その 問題を 事実上に 解決し、その 問題を 事実上に 解決することによって、その 進展を継続する。

2013-12-24 22:32:07
seki_yo @seki_yo

6. 問題の 学問的解決は、問題 そのものの 本質に 透徹することによって、これを 意識的に 徹底せしめ、これを 意識的に 徹底せしむることによって、問題を 意識的に 解決せんとするものである。

2013-12-24 23:05:37
seki_yo @seki_yo

7. その 目的は、従来 無自覚的であった 歴史の行程を、それ自身の 意識に 目覚めしむることに 他ならぬ。(中略)

2013-12-24 23:08:11
seki_yo @seki_yo

8. 何よりもまず この意味において、われわれは 本書を、真に マルクスを 理解しようと欲する 人々に 紹介したい。

2013-12-24 23:10:02
seki_yo @seki_yo

9. いずれもみな、彼の 思想の 発展上における 最も 画期的な 事件として『経済学批判』の『序言』中に 指摘せられているところの、彼を『苦しめた 疑惑の 解決のために 企てられた 労作』の 一部であり、

2013-12-24 23:13:19
seki_yo @seki_yo

10。この目的のための『最初の労作』たる『ヘーゲル法律哲学批判の序論』と 相並んで、1844年 発行の『独仏年誌』上に 掲載せられたものである。(中略)

2013-12-24 23:16:32
seki_yo @seki_yo

11. それが 発行せられた 1844年は、マルクスが 数え年 27歳のときにあたる。 ヘーゲルへの『沈潜』から、時事問題への接触と フォイエルバッハの影響とを 通して、独自の立場に 到達したときであり、

2013-12-24 23:19:58
seki_yo @seki_yo

12。同時に また、彼の 生涯の事業であった 科学的社会主義の 建設に 向かっての、出発点に立っていたときである。

2013-12-24 23:21:55
seki_yo @seki_yo

13。この 出発点に 立てる マルクスを 最も如実に 示すものは、本書の冒頭に 訳載する 彼の 書簡である。

2013-12-31 22:43:22
seki_yo @seki_yo

14. われわれは その中において、門出に勇躍する 彼の 心臓の鼓動を 感じ得ると 同時に、かかる 機会においてのみ 最も明らかに 表示せられ得るたぐいの、行途一般に関する 彼の 根本的抱負を うかがうことができるであろう。

2013-12-31 22:47:17
seki_yo @seki_yo

15. ユダヤ人問題 両論は、この興奮と この抱負とをもって 印せられた、彼の 最初の見解の 一つである。 その中に われわれは、唯物史観と 経済学批判とに 必然的に 導いた、彼の行程の 意味深い第一歩を 見出すことができるであろう。

2013-12-31 22:50:37
seki_yo @seki_yo

16. これらの 一般的意義あるほか、さらに ユダヤ人問題論の 前編は、わが国刻下の問題たる 水平社問題の 徹底的自覚のために、また その後編は、後に 発展せられた マルクス価値論の 根本的特徴の 理解のために、それぞれ 特殊の意義を 包蔵している。

2013-12-31 22:54:43
seki_yo @seki_yo

(補) ただ 遺憾とするところは、文章の難解であるが、熱心な読者は、おそらく 最後には、その労の 報いらるるところ ありしことを 発見するであろう (訳文の 難解は 主として 原文の性質に 起因するも、訳者の無能に 帰せられるべきものも また 多きを 免れないであろう)。

2013-12-31 22:59:47