【第一部-伍】誰かを見つめる時雨の年越しと新年 #見つめる時雨

時雨×山城
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誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

「山城、大丈夫…?」 山城が扶桑にもたれかかっている…と言うより擦り寄っている。顔はほんのり紅潮していてひどく色っぽい。机の上には中身の減った日本酒があった。うん、忘年会なんだ。 「ねえさまぁ…山城は、ねえさまのこと愛してますぅ…」 山城はだいぶ出来上がってるみたい…

2013-12-31 22:01:54
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「もう、山城ったら……しょうがないコね…」 扶桑が膝の上で横になる山城を優しく撫でる。山城は幸せそうに身を任せていた。それにしても…山城と扶桑の関係は皆知ってるんだけど、こう目の前でやられると、恥ずかしくて堪らないよ…山城…

2013-12-31 22:06:25
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山城の寝息が聞こえてきた。どうやら眠ってしまったみたい。こんなところで寝ちゃ風邪引いちゃう… 「時雨、私は片付けがあるから…その間、山城のこと見てて欲しいの。お願いね…」 僕も手伝うと言ったのだけれど、人数は足りてるからと断られてしまった。えっと……どうしよう……

2013-12-31 22:11:23
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

すやすやと山城が寝息を立てている。その寝顔は、彼女の戦闘の時の勇ましさとはあまりにもかけ離れた、ひとりの少女そのものだった。 「……ん……」 手を伸ばし、山城の細くサラサラした髪を撫でると、山城はくすぐったそうに身を震わせた。

2013-12-31 22:16:11
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

「……ねえさま……」 山城がそう呟く。……山城は、夢の中でも扶桑を慕ってるんだね。本当に、心から……。 ……胸に締め付けられるような苦しさを感じる。 …駄目だよね…山城の扶桑への気持ち、それがほんの少しでも僕の方に向いたら…そんな風に思うなんて…僕は…

2013-12-31 22:20:50
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山城の前髪をかき分けると、白い額が露わになった。山城って本当に…綺麗…。 …クリスマスの時、あんなになってしまった僕を、キミは何も言わずに優しく包んでくれたね…。そんなキミだから、僕はキミを好きになったんだ…。 好きになってしまったんだ…

2013-12-31 22:26:10
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目から熱いものが零れ落ちる。 ああ…いっそのこと、キミが僕を突き放してくれたら…嫌いになってくれたら、この気持ちを諦められるかもしれないのに…。山城、キミは…優しすぎるよ… 「山城…大好きだよ…」 僕は山城の白磁のような額に、そっとキスをした…

2013-12-31 22:30:49
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グスッ… あ、ごめん、なんでもないよ。 今年もあと1時間くらいで終わっちゃうね。皆はどんな年だった? 僕は…うん、色んなことがあったよ。まぁ、僕がツイッターを始めたのは一週間前なんだけどね…そこは気にしないで欲しいかな

2013-12-31 23:01:11
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

この1年、僕は沢山の人達に支えられてきた。人は一人では生きていけない。必ず誰かに支えられて生きている。1年が終わるこの時に、そのお世話になった人たちに是非感謝の気持ちを伝えて欲しいんだ。思ってるだけじゃ勿体無い。言葉にして送ってあげてよ。きっと喜ぶよ。キミもきっと、幸せになれる

2013-12-31 23:31:03
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

今年もあと30分弱。色んな想いを馳せながら、今年を締めくくろう。来年が皆にとって良い年であるよう、祈ってるよ

2013-12-31 23:33:17
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

あけましておめでとう。今年もよろしくね

2014-01-01 00:00:23
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みんな晴れ着だし、じっと見てても不自然じゃないよね。ああ…山城、綺麗だ…… 「時雨、なんで山城さんばっか見てるの?」 「うわぁ!?」

2014-01-01 12:18:07
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

「見てみて、夕立も着てみたよ! どう?似合ってるっぽい?」 そう言ってくるっと一回転してみせる夕立。振り袖がひらひらと揺れる。 「うん、とっても似合ってる。かわいいよ、夕立」 そう言うと夕立の顔がぱぁっと明るくなった。ふふ、とっても嬉しそう

2014-01-01 12:25:37
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「時雨、貴女もとっても似合ってるわ」 振り向くと山城が近くまで来ていた。艶やかな柄の着物に鴉色の髪。その姿はまさに日本美人そのものだった。 「あ、ありがとう、山城…」 山城が笑顔で返事をする。その顔を見た時、僕は自然とこの言葉が口に出た。 「山城…その…とっても綺麗だ…」

2014-01-01 12:36:05
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「ふふ、ありがと」 山城がはにかんだ笑顔になる。それは大人の女性のようで、幼い女の子のようにも見えた。 「時雨、今年もよろしくね」 「うん、よろしく…」 山城が扶桑の元へと戻っていく。 僕は頬に手を当て、自分の顔が温かくなっているのを感じていた……

2014-01-01 12:47:01

こぼれ話

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夕立と一緒に年越しを迎えましたか?……ハッ、まさか新年早々百合はじめじゃ……(ゴクリ — そうだね。夕立と一緒だったよ。扶桑が片付けを終えて山城を部屋に連れて行った後、部屋に戻ってみると夕立がまだ起きてたんだ。いつもなら早... http://t.co/9jeghOzKZI

2014-01-01 20:09:56

1月2日の朝…

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朝食の時間になっても扶桑と山城がまだ部屋から出てこないみたい。あの二人に限って寝坊ってことはないと思うけど…ちょっと心配だから見に来たんだ。 「山城? 扶桑? 起きてる?」 部屋をノックする。少し待つと中からドタバタと物音が聞こえてきた。もしかして今起きた…?

2014-01-02 10:47:45
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

また少し待つとドアが開いて、扶桑が顔を出した。 「あ…時雨…おはよう…」 扶桑の息が妙に上がっている。顔も紅潮してるし…。慌てて飛び起きたのか、寝間着物が今にも着崩れそうになっていた。本当に寝坊しちゃったのかな…? 「二人が来ないから見に来たんだ。大丈夫?具合悪いとか…」

2014-01-02 10:52:18
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

「大丈夫よ…ちょっとその…二人して寝坊しちゃったわ…」 本当に寝坊だったみたい…はぁ、でも何もなくて良かった。 「そうなんだ…珍しいね。でも具合が悪いとかじゃなくて良かったよ」 「ええ…心配させちゃったみたいでごめんなさいね。準備ができたらすぐ行くわ…」

2014-01-02 10:56:34
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

その時、扶桑の胸元に赤い点がいくつもあることに気づいた。扶桑の肌が白いだけに余計にそれは目立った。 「どうしたの?それ。虫刺され?大丈夫?」 それを言った途端、扶桑が突然動揺し出した。え?な、何? 「え!?あ!え、えっと、これは、その……!」

2014-01-02 11:01:59
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扶桑が足を滑らせ、床に尻もちをついた。 「きゃあ!? 痛っ!!」 部屋の奥から山城の「姉様!?」という声が聞こえてきた。 「大丈夫!?扶桑…って、わぁ!?」 転んだ拍子に、元々緩かった扶桑の寝間着物が崩れ、白い肌が露わになる。そして何故か扶桑は下着を身につけていなかった…

2014-01-02 11:07:11
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

扶桑の豊かで艶やかな胸も、細く括れた腰も、大事な部分も…全て僕の目に飛び込んできた。突然のこの事態に、僕の頭は真っ白になってしまった… え、何で、扶桑…下着…着てない…全部…見え…てー!? 「ごごご、ごめん!!?」 僕は慌てて顔を覆い、背を向けた。

2014-01-02 11:12:50
誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

お風呂で見たことがないわけではなかったけれど、扶桑はいつも身体にタオルを巻いていて、ここまでこんなはっきりと…わぁあああ!? 「ごめん!!先に行ってるね!?」 とてもこの場にいられず、僕は逃げるように走り出した。

2014-01-02 11:18:48