岩上安身氏による上村静氏インタビュー

とても素晴らしいインタビューだったので、忘れぬようまとめました。
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1.【クリスマス特別配信】岩上安身による上村静氏(ユダヤ学・聖書学専攻)インタビューの模様を実況します。『宗教の倒錯』『キリスト教の自己批判』などの著書がある上村氏に、ユダヤ教とキリスト教についてお話をうかがいます。@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-24 21:06:10
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2.岩上「キリスト教とユダヤ教は対立している、ということがよく言われます。しかし、例えば橋爪大三郎氏と大澤真幸氏の『ふしぎなキリスト教』などを読んでいると、ユダヤ教とキリスト教は一緒、というふうに書いてあります」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:07:04
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3.上村氏「キリスト教というのはユダヤ教の一部です。であるからこそ、本体が憎くてしかたがない、と。ユダヤ教徒キリスト教とで本家争いをしている、ということです。キリスト教はユダヤ教に対しアンビバレントな感情を抱えています」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:07:43
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4.岩上「イエス・キリストという人は、そもそもどういう人だったのでしょうか。キリスト教がイエスの人物像をどのようなものとして教えているか、ということは私たちは少なからず知っています。十字架に磔になったエピソードなど」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:08:09
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5.岩上「今日、超大国である米国の一国支配という現状があります。その米国には、進化論以前の聖書の内容を真面目に信じている、原理主義の人々が多くいます。また、米国のクリスチャン・シオニストたちが、イスラエルに莫大な支援をしている、という現実もあります」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:08:53
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6.上村氏「まず、12月25日のクリスマスというのは、ユリウス暦によれば太陽の誕生日です。起源はミトラ教で、4世紀にキリスト教がローマ帝国の国教となることで、クリスチャンのお祭りになりました」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:09:11
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7.上村氏「キリスト教では馬鹿騒ぎは好まれません。非常に倫理的な宗教なので。しかし、12月25日にミサをやっても、みんな太陽のお祭りに行ってしまって人が集まらなかったのです。そこでクリスマス(キリストのミサ)を考案した」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:09:30
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8.岩上「イエスはそもそも実在したのでしょうか。あるいは、モデルになった人がいるのでしょうか。聖書考古学によれば『史的イエス』についてかなり分かってきたと言われているようですが」上村氏「実はあまり分かってないんです(笑)」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:16:01
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9.上村氏「イエスという人物がいたということは否定できません。4つの福音書があるのですが、その細部は異なっています。完全に空想の人物であれば、このような相違は生じないはずです。実在のイエスがいて、伝承の過程で異動が生じていったと考えられます」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:16:28
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10.岩上「死海文書が発見されましたね。聖書の原典ではないか、などとも言われます」上村氏「死海文書とは、1947年に死海北西の遺跡で見つかった写本です。現在までに11の洞窟から800の巻物が見つかっています。最も古いものは紀元前3世紀から紀元1世紀」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:18:59
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11.上村氏「紀元1世紀にユダヤ人はローマ帝国に滅ぼされています。死海文書とは、その際にユダヤ人が隠したものなのだろうと言われています。羊皮紙、パピルスで出来ています。死海沿岸は乾燥しているので、2000年近くも保管されていました」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:19:31
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12.上村氏「死海文書とは、旧約聖書の写本です。他にも、旧約聖書続編(外典)の写本も出てきています。キリスト教が聖典を定めた時期は分かっていますが、ユダヤ教が聖典を定めた時期は分かっていません」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-24 21:22:38
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13.上村氏「死海写本の半分は、これまでまったく知られていないものも含んでいました。光の子と闇の子が戦って世界の終末を迎えるという、黙示録の原型となったような内容のものもありました」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:23:22
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14.岩上「死海文書によって何が分かったのでしょうか」上村氏「謎が増えた、ということです。聖書は一系統で伝えられてきたと考えられてきたのが、そうではないだろう、と。はたして聖書のオリジナルはあるのか、複数のうちの1つが残ったのか、という議論」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:25:16
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15.岩上「聖書考古学により、一つの事実に接近できたというよりも、より分からないことが増えた、混沌としてきた、ということなのでしょうか」上村氏「ユダヤ教は、パリサイ派に代表させておけばよかったのが、それが崩れてきました」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:25:44
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16.上村氏「パリサイ派とイエスが喧嘩していて、だからクリスチャンはパリサイ派、ひいてはユダヤ教を批判するんだ、というふうに理解されてきました。そういうこともあって、キリスト教とユダヤ教は仲が悪かったんです」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:26:41
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17.岩上「『史的イエス』について、現段階で分かっていることを教えていただけますか」上村氏「『史的イエス』と『信仰のキリスト』という対比で考えます。後者は、クリスチャンの信仰の光において理想化された姿です」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:28:11
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18.上村氏「キリスト教徒は、イエスのことを『キリスト』だと信じます。『キリスト』というのは、アラム語の『メシア』をギリシャ語に翻訳したもの。『油(オリーブオイル)を注がれた者』という意味です。イスラエルの王様のことを指します」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:28:57
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19.上村氏「他方、ユダヤ教では、自民族を『神の子ら』と認識します。ユダヤの王様は、神の"養子"として任命される。『神の子』とは『神の養子』という意味です。王権の根拠を合理化するために、神を利用したと言えます」#iwakamiyasumi @iwakamiyasumi

2013-12-24 21:29:21
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20.上村氏「キリスト教での『神の子』というのは、まさに生物学的に血がつながっている、という意味になります。ギリシャ神話では、神々と人間が交接をする場面も出てきますね。なので、『神の子』という概念が、まさにそのまま理解されました」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:30:09
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21.上村氏「この生物学的な『神の子』という概念を説明するために考えだされたのが、『処女懐胎』という物語です。まず『イエス=メシア』という考えが起点にあって、それを説明するために聖書のエピソードは作られていったわけです」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:30:33
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22.上村氏「『史的イエス』は、もちろん処女懐胎で生まれた訳ではなく、普通にナザレで生まれました。兄弟姉妹もいたと言われています。『処女懐胎』という物語が生まれたのは、イエスが神から生まれたことの説明をしなければいけなかったからです」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:31:00
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23.上村氏「イエスの父ヨセフは、比較的早く亡くなったと考えられます。イエスは父の跡をついで大工として家族を養っていたようですが、ある日突然、ヨルダン河沿岸にいた洗礼師ヨハネの所に行ってしまったんですね。理由はよくわかっていません」@iwakamiyasumi

2013-12-24 21:31:53
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24.上村氏「イエスはどうやら、非常に強い罪意識を持っていたようです。ヨハネの洗礼とは、罪を悔い改めさせるというものです。まさに『悩める若者』だったということですね」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-24 21:32:12
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25.岩上「『タルムードの中のイエス』という本があります。タルムードというのは何でしょうか」上村氏「ユダヤ教の聖典は聖書ですが、準聖典であるミシュナーの解説書がタルムードです」@iwakamiyasumi #iwakamiyasumi

2013-12-24 21:33:14
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