ゲンロン総務 @0waki の新年抱負と、なぜ自分はここに行き着いたか
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なぜ東大医学部を出てゲンロンに入ったのか、とよく聞かれる。これは正直わからない(動機はつねに本人にはわからない、論理的に)ので「医学部を出たのにゲンロンに来たのが変なのではなく、ゲンロンに来そうなやつだったのに医学部に入ってしまったのが間違いだったのです」と答えることにしている。
2014-01-03 19:29:05ではなぜ医者になるつもりもなかったのに医学部に入る間違いをしでかしたのかというと、これは受験中毒だったからで、ほかの理由を思いついたことはない。
2014-01-03 19:30:49受験というのは教室で公然と行われるクソゲーで、クソゲーにはしばしばどはまりする人が現れるもので、僕はそのひとりだった。学ぶ喜び云々とか将来を考えるとかいっさい関係ない。
2014-01-03 19:32:48だから僕は身体的には同じひとつのゲームを延々と繰り返しプレイしていたいだけの奴で、受験システムについてはいろんなことが言われるにせよ、東大理三は(結果としては)きわだって、ほかの能力・特徴よりもこの体質を選び出している。
2014-01-03 19:36:54もちろん入ってみたら本当に頭良くて大学受験ぐらいの「勉強」はすいすい頭に入ってしまう人もいたし、筋力がそんなになくてもマジメにコツコツ「勉強」して入ってきた人もいた。トップ進学校の最適化戦略を忠実に履行した人も多かった(このタイプが社会的には一番役に立つんだろう、たぶん)。
2014-01-03 19:38:48そういうわけで医学部の一学年を大講堂に全員集合させて行われる授業の風景は実にキモい。見るからに視野が狭くて自家中毒に陥りやすそうな奴らがずらっと並んでいる。
2014-01-03 19:41:31ちなみに最近こういうところで「自家撞着」って言ってる人見かけるけど、それは「自分のなかで矛盾する」という意味なのでなんとなく逆方向です。
2014-01-03 19:42:47だからそういう身体的な(想像的なw)ところに「動機」を求めるなら、ハマれるクソゲーを求めてフリーターになって2年間ぐらいザッピングした結果、ゲンロンの仕事にはなぜかハマったということでしかない。
2014-01-03 19:44:59もう少しマジメに就活的に(象徴的に)語ろうとするならば、僕は医学部で「医学は人を救えない」ということを学んだので、それでは思想にしか人は救えないのではないかと思ったのです。
2014-01-03 19:48:28あくまで個人的には、サルトル的に文化・芸術によって実存に目覚めたりするほうが健全に思えたのだけど、そういうマッチョな方向はとても世の中に向かって提言できるものではないし、僕自身が死ぬまでマッチョでいられる自信もなかった。なので職業にはできないと思った。
2014-01-03 19:50:06というきわめて薄弱な理由しか、実は僕がゲンロンで働くことの基礎にはなっていない。しかし僕はいちいち理由なんて確かめなくてもずっと同じことしてるやつなのだし、「続ける理由がない」ということと「やめる理由がある」ということは同じではない。
2014-01-03 20:06:46「生きる理由がない」から「自殺しよう」とは必ずしもならないのと同じ。単に「生きるのをやめる」ということはできず、それは積極的な自殺という行為を必要とするんであって、しかもそのことは多くの人に影響してしまうので、自分のなかの理由云々で決められることではない。
2014-01-03 20:08:03僕はこれまでゲンロンにいることによって多大な利得を得ているのだから、もらったものは返さないといけないし、まだまだもらい続けることが自分にとって利益である(というか、資本主義を受け入れざるをえなかったことの帰結としてそうするしかない)と思っている。
2014-01-03 20:11:23…とかいう言い方でないと通じないのだけど、もっと率直に言うなら、「世界に希望を取り戻したい」というだけのことを、なんでこんなにくだくだしい理由をつけて説明しないといけないのか、つねにむなしく思っている。
2014-01-03 20:16:55