【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」】
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【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-1】 さて、いよいよ本編です。 どんな作品もそうですが、最初の1ページの筆おろしが肝心ですが、横山先生は「中平元年 今から約千八百年ほど昔のことである」というナレーションとともに、黄河のほとりで座る一人の若者のシーンから始めます。
2014-01-14 12:42:57【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-2】 黄河といえば中国を代表する大河です。名も知れぬ一人の旅人が、悠久の流れを持つ黄河を見つめながら何を考えているのか…。実はこの第一話ではこの若者の名は明かされておりませんが、親孝行で正義を愛する好青年として描かれています。
2014-01-14 12:47:08【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-3】 悪漢、好漢がわかりやすい水滸伝の後とあって、ちびっこ達にもこの若者が「いい人」なんだという設定を飲み込ませるアイテムとして選んだのが、当時は貴重な「茶」。母にプレゼントしたいと言って職務質問をした役人を驚かせ、かつ感心させます。
2014-01-14 12:50:05【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-4】 若者が待っていたのは、洛陽船と呼ばれる交易船。洛陽船が通るのを見つけると、オーイオーイと呼びかけますが、相手には聞こえません。港まで行かなきゃ駄目だ、と走り始めます。ここで最初から港で待っとれ、というツッコミはナシの方向で。
2014-01-14 12:52:47【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-5】 むしろなどを売って貯めたお金を使って一瓶のお茶を買うことが出来た若者。このお茶が後々…。 目的を果たした若者は宿に泊まりますが、運悪く黄巾賊が港を襲いにやってきます。一度は立ち向かおうとする若者ですが、多勢に無勢です。
2014-01-14 12:55:53【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-6】 結局、宿の主人の勧めに従い、脱出を図る若者。黄巾賊の仕打ちに義憤を抱く若者でしたが、黄巾賊の者に見つかってしまいます。相手は二人でしたが、そのうちの一人はとっても強そうで、この若者の細腕ではかないそうもありません。
2014-01-14 12:58:36【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-7】 馬元義と呼ばれる男は、この若者が見どころがあるとして、荷物を持たせついてこさせます。そして、古いオンボロ寺院を見つけると、食事にありつこうと中に入ります。そこには、一人の老僧が座禅を組んでいました。
2014-01-14 13:01:04【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-8】 この時代の仏教事情がどうだったか、とかはこの際ツッコむとややこしいことになりそうなので割愛します。ここでは、この和尚が黄巾賊の非道を訴え、若者がただならぬ人物であることを見抜くということが大事なポイントです。
2014-01-14 13:04:50【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-9】 和尚は玄徳の持っていた剣を見て、これは王者の剣であると言い、若者に対して「時が来るまで命は大切にせよ」と伝えます。 夕食を食い損ねた馬元義さんは、若者を仲間に引き入れようとします。若者は空の星を見て、世の乱れを予感します。
2014-01-14 13:07:57【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-10】 馬元義は若者に、黄巾賊の成り立ちを話し始めます。希世の秀才と言われていた張角が、ある日山で南華仙人に「太平要術」をもらいます。家にこもってそれを読み、修行した張角は、全国的に悪疫が流行した時に家の扉を開け、病人に薬を与えます。
2014-01-14 14:00:26【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-11】 男には金仙丹、女には銀仙丹、そして子どもには赤神丹を与えます。なぜ赤だけ神なのかは知りませんが、これらの薬は効果てきめんで、村人たちの病気はすっかり治ります。この話が村から村へ伝わり、各地から張角の弟子希望者が集まります。
2014-01-14 14:02:37【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-12】 張角は大勢の弟子達を階級に分け、大頭目、小頭目を置いて将軍と名乗らせ、さらに張角の兄弟の張宝、張梁を地公将軍、人公将軍と呼ばせ、権威をもたせるとともに、自分は大賢良師・天公将軍と称します。
2014-01-14 14:04:54【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-13】 ちなみに、黄巾賊ないし、黄巾党は、もともと黄色い巾を使って頭をまとめる張角のファッションを皆が真似たところから来ております。この黄巾が党員の証となって、黄巾党は次第に勢力を増していきます。彼らの旗も黄色基調です。
2014-01-14 14:05:31【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-14】 彼らの黄色い旗には「蒼天已死 黄夫当立 歳在甲子 天下大吉」と書かれていました。青空はすでになくなった。今こそ黄色の男よ、立ち上がるべきだ、という内容です。張角は自分に服従する若者には太平を楽しめと好きなことをさせます。
2014-01-14 14:06:29【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-15】 もはや漢の代では幸せはこない、新しい時代を自らの手でつくるのだ、と黄巾党は動き始めます。張角は、逆らう者は容赦なく殺し、財宝をかすめ取ります。その勢いは凄まじく、地方の兵では防ぐことが困難となっていました。
2014-01-14 14:07:00【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-16】 この時の漢の皇帝は霊帝でしたが、年齢が12歳で政治を行うには若すぎました。しかも、重臣たちによる私利私欲の政治が行われていました。そんな折、宮殿にあられた一匹の蛇が幼い霊帝の前に落ちます。家来は驚いてその蛇を斬りますが…
2014-01-14 13:28:59【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-17】 その途端、雲がわき起こり、雷がなったかと思うと、雹混じりの大風が宮殿を揺るがし、三日三晩大雨を降らし洛陽の街は大洪水に。おびただしい被害をもたらしました。人々の不安を余計にかりたてます。
2014-01-14 13:31:17【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-18】 人々は黄巾党に入れば地上の楽園が誕生するような気持ちになり、次から次へと入党し、略奪殺戮の火の手がますます広がっていきます。黄巾党の勢力は青州、幽州、徐州、冀州、荊州、揚州、兗州、豫州にまで及びます。
2014-01-14 13:34:41【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-19】 以上の馬元義の話の途中で第一話が終わります。馬元義というのは小頭目の一人ということでしょうか。出会ってすぐの若者に、事細かく説明してくれます。よっぽどこの若者が気に入ったのでしょう。このまま若者が黄巾党に入っていたら…
2014-01-14 13:37:49【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-20】 馬元義は黄巾党が領民いじめをしているのは誤解だと言いますが、略奪殺戮をしている時点で説得力はありません。南華仙人の「自分自身の栄耀栄華に溺れたり悪心を起こす時天罰たちどころに身を滅ぼすであろう」という言葉を思い出すべきでした。
2014-01-14 13:44:00【横山光輝「三国志」講座01「黄巾賊の乱」-21】 若者が劉備玄徳であることは言うまでもありません。玄徳が打倒黄巾賊のために立ち上がる、三国志の序章の舞台を整えるための背景が示されています。 三国志初見の子ども達に向け、あくまで丁寧かつわかりやすい導入がなされていると思います。
2014-01-14 13:51:50